表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/53

宝剣を掲げて王宮に向かいました

少し遅くなりました

「エド!」

私はエドを抱き止めた。


「ちょっと、あなた達、これは反逆罪よね」

私は叫んでいた。

「殿下、大丈夫ですか?」

私は慌てた振りをする。

しかし、そもそも私は障壁を張っているのだ。矢が突き抜ける訳はない。矢はエドの目の前で止まっており、エドは矢を受けた振りをしただけだ。

抱き締めたら、エドの手が私の胸に触れた。

こいつ、何をどさくさに紛れて触ってくれるのだ。

おもいっきり、エドの足を踏んでやった。


「ギャー」

エドが悲鳴をあげる。

「大変、大丈夫ですか?殿下」

「お前な!」

「余計なところを触るからでしょ」

怒り顔のエドを小声で睨み付ける。


しかし、私の心の中は歓喜に震えていた。

王子への攻撃は反逆罪だ。

これで全力で雷撃が出来る。久しぶりだ。

私は武者震いした。


「いや、我々はやっていないぞ」

兵士達は慌てて叫びだしたんだけど。


えっ! ここは、こうなったら残った奴らもまとめて始末してやるって叫び出すところではないのか?


そして、あろうことか、兵士達は剣を投げ出したんだけど。


「おい、何をやっているんだ! 今さら剣を引いても反逆罪は無くならないぞ」

ヴァーナスが叫んでいるんだけど……


まあ、それはそうなんだけど、さすがに、剣を投げ出した奴らには攻撃できないじゃない!

私はがっかりした。


そこにまた、弓矢が飛んできたのだ。


「しつこい!」

私はその方向に雷撃をしたのだった。

「ギャー」

閃光が走り、木に登っていた兵士が悲鳴を上げて、落ちた。


それを見て、ヴァーナスが悲鳴を上げて、剣を取り落としてくれたんだけど。


えっ、ちょっと待って! 

何で、剣を取り落とすのよ!

拾いなさいよ!


私の叫びにかかわらず、ヴァーナスは降伏してくれて私はそれ以上戦えなかったのだ。





私は直ちに弟を呼び出した。


近くに待機していた弟が実家の騎士団を率いて飛んできてくれた。


そして、ヴァーナスが集めた兵士たち100名を拘束してくれた。

その中には我が侯爵家を首になった騎士たちも多くいたのだ。


「で、姉上。これからどうするんですか? 王宮に呼ばれているんでしょ」

「そうだ。ジャンヌ。すぐに王宮に行かないと」

弟とエドが言ってくれるんだけど……


私は

「ツン」

メリーに抱かれた寝顔が可愛い可愛い天使な息子のシャルルちゃんのほっぺをつついていたのだ。


「ちょっと姉上」

「ジャンヌ」

なんか外野は煩いけれど、私はシャルルさえいれば後はどうでも良い。


「ツン」

もう一度天使な息子のシャルルちゃんのほっぺをつつく。


シャルルちゃんが目を瞑ったまま首を振るんだけど。


「かわゆい」

私は眦を下げて、シャルルちゃんを見る。

「ジャンヌ様」

メリーが私に注意してきたが、


「ツンツン」私は我慢ができずにもう一度つついた時だ。


「オンギャーーオンギャーー」

我慢しきれなくなってシャルルが泣き出したのだった。


「ああ、ごめんごめん」

私は慌ててメリーからシャルルを受け取るとあやし出したのだ。


「姉上」

「お前な」

弟とエドが呆れていた。



「で、姉上、どうするんですか?」

弟が聞いてきた。


「というか、ジャンヌ、早くしてくれよ」

エドが急かしてきた。


「そうね。行くわよ」

私は一応皆に宣言したのだ。


「行くって、姉上その格好でですか?」

弟は私の戦闘服を見て指摘してきた。


「当然よ。今のあなた達の尋問聞いていたら、今回は側妃のみならず、近衛騎士団長と財務卿も絡んでいるそうじゃない。そんな奴らを許しておくわけには行かないわ。全員一網打尽にするわよ」

私があやしている間に弟のブライアン等は尋問してくれたのだ。その結果側妃とその父親の財務卿、そして、近衛騎士団長が絡んでいるのか判明した。


「しかし、姉上。完全な証拠がないよ。あくまでもコイツラの証言だけでは」

弟は問題点を言ってくれるんだけど。


「ふんっ、そんな物。私が黒って言ったら黒なのよ」

私は平然と言い切ったのだ。


「いや、ジャンヌ、いくらお前でもそれは無理だろう」

エドが否定してくれたし、

「そうですよ。姉上。そんなの通る訳ありません」

ブライアンまで言うんだけど。


「煩いわね。本当に。嫌なら、ここで待っていなさい」

私はそう言うと騎士たちを見た。


我がウェリントン伯爵家は建国以来武の一門。当然騎士たちも一騎当千の強者たちだ。


「者ども準備は良いか!」

私はそういうや、我が一門に伝わる宝剣、エクスカリバーを鞘から抜いたのだ。


宝剣はピカッと周り一面明るくなるほど光った。


さすが我がウェリントン家に初代国王陛下から下賜された宝剣。


「あ、姉上、その剣は」

慌てる弟のに

「ちょっと待て、ジャンヌ、お前なんでその剣を持っているんだよ」

エドも慌てるだけど、今更なのだ。


「今こそ、この王国に仇名す、側妃ら反乱分子を討伐する。全軍我に続け」

「「「オウ」」」

私の声に一同喚声をあげてくれたのだ。


そして私は一軍を率いて王宮に向かったのだ。


本日もう一話更新します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

新作開始


『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』

https://ncode.syosetu.com/n9991iq/

「3日後の卒業パーティーでお前のエスコートは出来ない」子爵家のエリーゼは婚約者の第一王子から宣言されてしまった。そんな、このままではゲーム通りにその卒業パーティーで皆の前で断罪されて最悪処刑されてしまう。そんな事になったらお母様と約束した事も守れないじゃないかと、エリーゼは絶望した。しかし、そんなエリーゼの元に超過保護な義兄が現れて話はますますややこしくなっていく。更に今まで厳しかった義兄がやたらエリーゼに優しいんだけど、何か変だ。

第一王子はエリーゼを帝国の公爵家の傍流に過ぎないと思っていたのだが、実はエリーゼの正体は……ヒロインの正体とその義兄の正体が判明した時、馬鹿にしていたこの国の貴族たちの間に激震が走る!

果たしてこの危機をエリーゼは義兄とともに乗り切れるのか?

ヒロインを守るために命をかける義兄の愛、ハッピーエンドはお約束です。



この話の元の

短編の作品はこちら


『天使な息子にこの命捧げます』

https://ncode.syosetu.com/n7912ip/



アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/


2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。



― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ