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私達の乗った馬車に矢が突き刺さりました

「メリー、あなた、誰に言われてシャルルを誘拐しようとしたの?」

私が聞くと

「誰かは判りません。先ほどジャンヌ様が倒された執事に言われて、外で会ったのが最初で最後でしたから」

メリーが答えてくれた。


「ジャンヌ様が瞬殺されるからまた、手掛かりが消えてしまったではないですか」

アリスが白い目で見てくる。


「仕方がないじゃない。ちょっとむしゃくしゃしていたのよね」

「仕方がないじゃありません。証人は生かしてくれないと尋問にもかけられないではありませんか」

アリスが文句を言うんだけど。


「まあ、終わった事は仕方がないじゃない。メリー、もう一度会えば判るでしょう?」

「それはまあ、判ると思います」

メリーが頷いてくれた。


「ほら見てごらんなさいよ」

私が得意げに言うが、

「その場にいなかったら判らないじゃありませんか」

ぐうの音もつけないような意見をアリスは返してくれたんだけど


「いや、夜会会場にはいるわよ。私の第六感がそう言っているの」

私は自信ありげに言い切ったのだ。


「どうだか」

疑い深そうにアリスが私を見るんだけど


「いや、ジャンヌの野生のカンは当たるからな」

エドが太鼓判を押してくれた。


「ほら見てごらんなさいよ」

私が自慢して言うと


「今まで、それでどんな酷い目にあわされて来たか。こいつ、危険が待ち受けていると判っているところに俺たちを行かせるんだぞ。自分は後方でのうのうとしておきながら」

「何言っているのよ。レディファーストよ。当然男達はか弱い女を守らないと」

「どこがか弱いだ! お前の方が圧倒的に強いだろうが」

エドが文句を言って来た。


「エド、それ男のあなたが言って恥ずかしくないの」

私が軽蔑して言ったのだが、


「全く恥ずかしくない。何しろ、この王国ではお前に勝てる奴は一人もいないからな」

エドが自慢して言ってくるのだが、それが自慢できることか?

それに私にも勝てない者はいるのだ。


「そんな訳ないわよ。王妃様には頭が上がらないし、陛下にも逆らったことは無いわ」

私が反論したが、


「それって、逆らったら、反逆罪になるのでは」

アリスがとんでもないことを言ってくれるんだけど


「普通王子を足蹴にしても反逆罪だ」

エドが笠に着て言うんだけど


「何言っているのよ。私は王妃様からはエドをもっとガンガン鍛えてやって欲しいって頼まれているんだから」

「な、何だと、あのくそ親、俺を殺す気か」

私の言葉にエドが頭を抱えているんだけど……


「それよりもジャンヌ様。本当にその恰好で王宮の夜会に乗り込まれるおつもりですか?」

アリスが私の衣装を見た。

私はさっきのままの戦闘服だ。


「そうだ。ジャンヌ。その恰好はまずいのでは」

「良いのよ。断罪に行くんだから」

「いや、さすがにまずいだろう。そもそも俺が贈った衣装はどうしたのだ?」

エドまでが聞いてくるんだけど


「あんな派手な衣装、着れるわけないでしょ。そもそも私は今は喪中なのよ。黒しか着ないわよ」

私が言うと


「お前、そもそも、今着ているのは喪服じゃなくて戦闘服だろうが」

エドが指摘してくれた。


「良いじゃない。黒も入っているでしょ」

「そもそもお前は大人しく喪中なんかしていないじゃないか。侯爵家で逆らったやつらを一掃したし」

「仕方がないでしょ。天使な息子のシャルルをシャルル様の後につけるには私がでしゃばるしかなかったんだから」

「でもその後は静かにしていれば良かっただろう。喪中を一年でも十年でも。そうしたら世の中はもっと平和だったのに。そもそも王宮に出るに及ばずという一言を入れてやったろうが。それを破ってお前がわざわざ王宮なんかに来るから側妃と喧嘩になったんだろうが」

エドが文句を言って来た。


「その文句は王妃様に言ってよ。私は家で大人しくしていたかったんだけど、一度天使な息子のシャルルに会いたいって言われたから連れて行ったのよ。私も王宮なんかに行くよりは天使な息子のシャルルと館に閉じこもっていたかったわよ」

私が文句を言うと

「そうか、元凶は母上か。母上も何を考えておられるのだ。ジャンヌなんて王宮に連れ出したら碌なことにならないのは判っていたろうに」

何かエドは私を貶めた発言をしてくれるんだけど。


「王妃様は殿下とジャンヌ様をくっつけようとなさっているのではないですか」

そこにアリスが爆弾発言をしてくれたんだけど。


「「はああああ」」

私達、二人の声が重なった。


「何を言っているのだ! それだけはあり得ないだろう」

「そうよ。本当にあり得ないわ」

珍しくエドと私の意見が一致したのだ。


「そうですか。私からしたらお似合いかと思えますが」

アリスがまたもや爆弾発言をしてくれるんだが。


「あなた、目が悪いの? どこがお似合いなのよ」

「本当だ。こんな男女あり得ない」

「誰が男女よ。おんなじことを返してあげるわ」

「何だと」

私達が言い合いを始めた時だ。


ズブリ、

いきなり馬車の屋根からから矢が突き破ってエドの目のを通って足元に突き刺さったのだ。





さて、突き刺さった矢に対してジャンヌの対応は?

続きは今夜です

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

新作開始


『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』

https://ncode.syosetu.com/n9991iq/

「3日後の卒業パーティーでお前のエスコートは出来ない」子爵家のエリーゼは婚約者の第一王子から宣言されてしまった。そんな、このままではゲーム通りにその卒業パーティーで皆の前で断罪されて最悪処刑されてしまう。そんな事になったらお母様と約束した事も守れないじゃないかと、エリーゼは絶望した。しかし、そんなエリーゼの元に超過保護な義兄が現れて話はますますややこしくなっていく。更に今まで厳しかった義兄がやたらエリーゼに優しいんだけど、何か変だ。

第一王子はエリーゼを帝国の公爵家の傍流に過ぎないと思っていたのだが、実はエリーゼの正体は……ヒロインの正体とその義兄の正体が判明した時、馬鹿にしていたこの国の貴族たちの間に激震が走る!

果たしてこの危機をエリーゼは義兄とともに乗り切れるのか?

ヒロインを守るために命をかける義兄の愛、ハッピーエンドはお約束です。



この話の元の

短編の作品はこちら


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第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。



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