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天使な息子を誘拐しようとした侍女をやっつけようとしました

私はエドのエスコートで馬車に乗り込んだ。

そして、エドも乗り込んで、扉が閉まる。


「じゃあ、戻るわよ」

私は意を決して言うと

「戻るって、何を言ってるんだ!」

驚くエドを無視して馬車の足元の非常用の扉を開けたのだ。


「えっ!」

そして、驚いているエドを抵抗する間もなく、開いた空間に落としたのだ。


「ギャっ」

悲鳴を上げるエドの声を消音魔術で消して、私もその上に飛び降りた。


地面には更に非常用の穴が開いていた。


「ギャーーーー」

私はその穴の底の石畳に這いつくばっているエドをクッションにして降り立った。


「お前、どういうつもりだ! いきなり、俺を地面に叩き落すわ、その上に飛び乗ってくるわ。夜会はどうするんだよ」

エドが文句を言って来た。


「声がでかいわ!」

私が注意すると


「あのな!」

エドが文句を言う。


「誘拐犯を捕まえに行くわよ」

そう言うと私は夜会服を脱ぎ去ったのだ。


「おい、こんなところで脱ぐな」

慌てるエドの前に迷彩色の戦闘服を来た私が現れたのだ。


その私の胸の中には天使な息子のシャルルちゃんがキョトンとしていた。


「はい、よく静かにできていまちたね」

私がシャルルの頭をナデナデする。


きゃっきゃっ、シャルルは喜んでくれた。


「お前な。元々夜会に来る気全然無かったろう!」

なんか横ではエドが頭を抱えている。


アリスが秘密の天井の扉を締めてくれて、馬車が動き出す。

馬車の中にはしばらく私とエドの幻影魔術が見えているはずだ。


「お嬢様、急ぎませんと」

アリスが急かしてくれた。


「そうだわ。行くわよ。エド」

「行くって何処にだよ?」

「側妃の手の者による天使な息子のシャルルちゃん誘拐犯逮捕よ」

「誘拐犯逮捕って、シャルルはお前の胸の中にいるじゃないか!」

白い目でエドが見てくるんだけど。


「何言っているのよ。あそこにも私の最高傑作『天使な息子のシャルルちゃん2号』がちゃんといるのよ」

「何だよ。どのみち幻影か何かで作ったやつだろう! 俺の裸踊りを王宮で披露してくれたみたいな」

「あら、あれは実際に記録した映像よ。なんであんたなんか幻影で作らないといけないのよ」

私は平然と答えたのだ。


「お前、すぐに消せ」

エドが怒って迫ってくるんだけど、


「やあよ。なんかあった時、それで脅すから」

「お前、そんな事しなくてもいつも脅しているだろうが。存在自体が脅威なんだから」

「何か言った」

私がギロリとエドを睨むと

「なんでもない」

エドが慌てて頭を振ってくれた。


「お嬢様急ぎませんと」

「そうだったわ」

私は慌てて地下通路を通って私の部屋に向かったのだ。


「お前の家って地下通路まであるんだな」

「これは昔からある通路よ。シャルル様にこんな通路もあるから覚えておくようにって言われたのよ」

「そうなのか? 俺はてっきり最近お前が掘ったのかと思ったぞ」

エドが言ってくれるんだが


「私が掘るなら、あんた達が手伝ってるでしょ」

「おい、俺は穴掘り職人かよ」

エドは文句を言うが、


「しっ、ここよ」

私は階段を登った。階段は暖炉に通じていたのだ。


中を除くと

「まだ誰もいないわね」

「そうだな」

暖炉の中から伺う私の上からエドが覗いてくれた。

「重いわよ」

「グッ」

背中にあたったのでエドに肘鉄を食らわせてやった。


「お前な。何も思いっきりやらなくても」

エドが胸を押さえて呻くが、私は大切な大切な天使な息子を胸に抱いているのだ。

ばっちいエドなんて近づけてはいけない。


「お前、誰がばっちいんだよ」

エドが文句を言ってくるが

「しぃぃぃぃ」

私は無視した。


「来ました」

アリスが横から教えてくれた。


入口の扉がゆっくりと開いて女が入ってきた。

侍女だ。

「誰だ?」

エドが小さい声で聞いてくるが私も全員の顔と名前は覚えていない。


「さあ」

私が首を振ると


「メリー・ドットです」

即座にアリスが答えてくれた。


「さすがアリス」

「ジャンヌ、屋敷の使用人の顔と名前くらい覚えておけ」

エドが呆れて言ってくれるんだけど、

「じゃあエド、あんた王宮の使用人の顔と名前全部覚えているの?」

私は虐めるつもりできいてみた。


「ある程度はな。そもそも俺は彼女の顔を見たことがあるぞ。確かシャルルと同じクラスだったんじゃないか」

エドが言ってきた。


「そう言えばあんな地味な子もいたわね」

私も少し思い出した。


「お前に比べたら誰でも地味だぞ」

「しっ、近づいた」

叫びそうになるエドを私は黙らせた。


メリーはゆつくりとベッドに近付いた。

少しでも、シャルルちゃんに変なことしようとしたら雷撃する気満々で私は構えたんだけど……


メリーは私が作った天使な息子のシャルルちゃんを見て固まったんだけど……


何で?


「うーうー」

いかん、天使な息子のシャルルちゃん、そのままに作ってしまったからシャルルそのままの動きなのだ。めちゃくちゃ可愛い。


そのシャルルが手を伸ばしたのだ。

その天使な息子のシャルルちゃんにメリーは手を伸ばしたのだ。


「何をしているの?」

私は後ろからメリーに怒りの声をかけたのだ。



ここまで読んで頂いて有難うございました

続きは今夜です。

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

新作開始


『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』

https://ncode.syosetu.com/n9991iq/

「3日後の卒業パーティーでお前のエスコートは出来ない」子爵家のエリーゼは婚約者の第一王子から宣言されてしまった。そんな、このままではゲーム通りにその卒業パーティーで皆の前で断罪されて最悪処刑されてしまう。そんな事になったらお母様と約束した事も守れないじゃないかと、エリーゼは絶望した。しかし、そんなエリーゼの元に超過保護な義兄が現れて話はますますややこしくなっていく。更に今まで厳しかった義兄がやたらエリーゼに優しいんだけど、何か変だ。

第一王子はエリーゼを帝国の公爵家の傍流に過ぎないと思っていたのだが、実はエリーゼの正体は……ヒロインの正体とその義兄の正体が判明した時、馬鹿にしていたこの国の貴族たちの間に激震が走る!

果たしてこの危機をエリーゼは義兄とともに乗り切れるのか?

ヒロインを守るために命をかける義兄の愛、ハッピーエンドはお約束です。



この話の元の

短編の作品はこちら


『天使な息子にこの命捧げます』

https://ncode.syosetu.com/n7912ip/



アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/


2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。



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