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侍女視点2 ジャンヌの息子を拐うことにしました

そんな時だ。


ついにジャンヌが本性をだしたのだ。

ジャンヌはどんな力を使ったか定かではないが、いきなり自分の息子の赤子を侯爵にして、自分は後見人になったのだ。


バーバラ様は体を使って、王太子を籠絡したのだとおっしゃっていらっしゃったが、私はさもありなんと思った。普通は赤子の貴族位の継承なんて有り得ないのだ。余程のことがないと承認はされないのだ。それに女の後見人もとても珍しいのだ。男性の青年貴族がいれば普通はそうなるのだ。今回は例え、赤子が継承してもブランドン様が後見人になるはずだったのだ。どちらにしろバーバラ様がこれまで通り侯爵家で力を保持されるはずだったのだ。


それがジャンヌのものになったのだ。バーバラ様のお怒りはどれほどのものだったろう。

更にジャンヌはバーバラ様に本邸を明け渡せとはっきり言ったそうだ。


今までシャルル様のお父さまの面倒をずうーっとバーバラ様らに任せきりにしたくせに、いきなり出て行けとはどういう事なのだ。


その事に完全に切れてしまわれたバーバラ様はそのまま、ジャンヌを亡きものにしようと兵を起こされたのだ。


私は驚きで、ただただ見ていることしか出来なかった。

私の騎士のジョンもその蜂起に加わったのだ。

しかし、バーバラ様とジョン達はいつまで待っても帰ってこなかった。


何でも後で聞くと、怒り狂った、ジャンヌの雷撃によって、直撃されて、死んでしまったそうだ。


私はそれを聞いて、号泣したのだった。絶対にジャンヌは許さない。

私は心に決めたのだった。


しかし、一瞬で100名以上の騎士達をジャンヌは倒したのだ。私一人が逆らったとしてもかなうわけはなかった。


その後も誰の手の者か知らないが、ジャンヌの赤子を誘拐しようと失敗してジャンヌの雷撃の犠牲になったものがいた。


普通ではジャンヌに仕返しするなんて無理なのだ。


幸いなことに私はそのまま屋敷の侍女として雇われ続けていた。しかし、ジャンヌに一矢報いようにも、ジャンヌはずうーーーっと赤子と一緒なのだ。

さすがの私も赤子まで攻撃しようとは思わなかった。



そんな時だ。私に執事の一人が声をかけてきたのだ。ジョンのあだを打ちたくないかと。


私は迷うわけもなく頷いた。


そうしたら、屋敷の外に連れていかれて、見目麗しい男に会わされたのだ。


男は私を見ると、微笑んできた。

「ジャンヌの行いは本当に鬼畜の所業だ。逆らってきた者を皆殺しにするなど人間のすることではない。その方のジョンには悪いことをしたな」

男は私に謝ってくれた。


「いえ、悪いのはジャンヌですから」

「そうか。まあ、その方には迷惑をかけた。奴の行いには迷惑を被っている雲の上の方も多いのだ。今回はその方の力を借りたい」

「何をすれば良いのですか?」

私は聞いた。私は魔術師でも騎士でもない。普通にジャンヌに立ち向かっても勝てる見込みはなかった。


「大したことではない。ジャンヌのいない時に、息子を誘拐するのを手伝ってほしいのだ」

「息子を誘拐ですか?」

私はそれはあまり気が進まなかった。


「そうだ。多くのものがジャンヌのために死んだのだ。私はその仇を討ってやりたいのだ。そのためには我々の待ち受けている所にジャンヌを誘い出したい。そのための囮にしたいのだ」

男は言ってきた。


「その方の恋人も殺されたのだろう。ジャンヌに。今回は絶好の機会だと思うのだ。そう、我々は奴を夜会に誘い出すのに成功したのだ。ジャンヌは子供をおいて出るはずだ。侍女がいるがその侍女は我々の手の者が引きつける。その隙に赤子を拐って外にいる我々の手の者に渡してほしいのだ」

男は私に依頼してきた。


まあ、ジャンヌさえいなければ、近くの騎士を何とかしてくれれば問題ない。あの、アリスと言う女は大したことは無いだろう。

赤子に恨みはなかったが、母がジャンヌだった事を恨んでほしいと私は思った。


私は頷いたのだ。


「今回の事がうまく行けばなんなら次の勤め先も、紹介して良いぞ」

男は言ってくれた。


「まあ、考えさせてください」

私としては、あの女に仕返しさえ出来たら、問題はなかったのだ。




その日は思ったよりも早くやってきた。


そして、なんとジャンヌを王太子殿下が迎えに来たのだ。


私はその事に驚愕したのだ。誘い出したのが王太子殿下ということは王太子殿下もジャンヌを亡き者にしたいとお考えだということだと思ったのだ。


ジャンヌが、子供と離れるのが嫌だと、散々ダダをこねたので、私達はどうなることかと思ったが、王太子殿下はなんとか、ジャンヌを連れ出してくれたのだ。


馬車が侯爵邸を出るのを確かに見送ると私は赤子のいる部屋に向かったのだ。



驚いた事に部屋は誰もいなかった。


私はそおっとベッドに近づいたのだ。


そしてベッドを見るとそこにはとても可愛い赤子がいたのだ。目をクリクリさせて私をじっと見てくるのだ。


私はビックリした。


ジャンヌの赤子なんて間近で見るのは初めてだった。

こんなに可愛いなんて、思ってもいなかった。


「うーうー」

その子が手を伸ばしてきたのだ。


私は思わずその子に手を伸ばそうとしたのだ。


「何をしているの?」

私は後ろから氷のようなジャンヌの声を聞いたのだった。


私は固まってしまった。そして、私の人生が終わったのを悟ったのだ。


ここまで読んで頂いてありがとうございます。


私の初書籍つぎラノ2023にもノミネートされた『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! 学園生活を満喫するのに忙しいです』

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つぎラノ2023の発表ももうすぐです。


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』

https://ncode.syosetu.com/n9991iq/

「3日後の卒業パーティーでお前のエスコートは出来ない」子爵家のエリーゼは婚約者の第一王子から宣言されてしまった。そんな、このままではゲーム通りにその卒業パーティーで皆の前で断罪されて最悪処刑されてしまう。そんな事になったらお母様と約束した事も守れないじゃないかと、エリーゼは絶望した。しかし、そんなエリーゼの元に超過保護な義兄が現れて話はますますややこしくなっていく。更に今まで厳しかった義兄がやたらエリーゼに優しいんだけど、何か変だ。

第一王子はエリーゼを帝国の公爵家の傍流に過ぎないと思っていたのだが、実はエリーゼの正体は……ヒロインの正体とその義兄の正体が判明した時、馬鹿にしていたこの国の貴族たちの間に激震が走る!

果たしてこの危機をエリーゼは義兄とともに乗り切れるのか?

ヒロインを守るために命をかける義兄の愛、ハッピーエンドはお約束です。



この話の元の

短編の作品はこちら


『天使な息子にこの命捧げます』

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第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。



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