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王太子の執務室に押しかけました

おはようございます。中々恋愛にならないのでジャンルをハイファンタジーに変更します。元々母の愛でやっていたんですけど、恋愛とは違うと言われるとその通りなので。もう少し恋愛をと思っていたんですけど。まあ、中身はいつも通りなので、今後ともよろしくお願いします。

側妃を撃退した私達はそのまま王太子の執務室に向かった。

泣き止んだシャルルはやっとご機嫌になってくれた。

私の顔をぺたぺた触ってくれるんだけど……その手もとても可愛いし暖かい。

「怖いおばちゃんでちたね。でも、もう大丈夫でちゅよ」

私が言うと

「絶対にお嬢様の方が怖かったですから」

後ろでアリスが何か言うが無視だ。無視……



「ご苦労」

バリーはエドの執務室の前の近衛に声をかけて中に入ろうとした。


「あの、バリー様。そちらの女性とお子様は?」

近衛が私と腕の中のシャルルを見て戸惑いがちに声をかけてきた。


「こちらはオルレアン侯爵様とその母君だ」

「オルレアン侯爵様?」

近衛が不思議そうにシャルルを見る。


「うーうー」

シャルルは手を伸ばしてその顔に触ろうとするのを私は止めた。


「そうだ。こちらのお子様がオルレアン侯爵様だ」

そう言うと、バリーがまた勅書を出そうとすので私は手で制した。

「バリー、それは良いわ。それよりもさっさとエドの所に行きましょう」

「判りました」

私達は毒気を抜かれた近衛騎士の横を服に手を伸ばそうとしたシャルルの手を押さえて通り抜けたのだ。


「シャルルちゃん、変なもの触っちゃだめよ。あの子らどんなばい菌を持っているかもわからないんだから」

私は小声で天使な息子に注意したのだ。


一方の近衛騎士たちの間では、私が子連れでエドの執務室に入ったので、シャルルが王太子の隠し子ではないかとの噂される事になるなんて思ってもいなかったのだ。

シャルルはわが夫シャルル様と私との間の子であって、エドなんかの汚らしい血は一滴も混じっていないのだ。本当に失礼しちゃうわ。


そして、エドの部屋に私が入った途端に、皆がギョッとしたのが判った。


ガシャーーーン

大きな音がして、お茶を出そうとしたカーティスがそのポットを落としてしまった。

当然あたり一面にガラス片とコーヒーが飛び散る。


エドなんて私を見た瞬間に、驚きのあまり椅子ごと後ろにこけてしまったんだけど、どういう事?


「ジャ、ジャンヌ、何しに来たのだ?」

地面から起き上がろうとして起き上がれずにエドが聞いて来た。


「あら、殿下、何を言われるんですか! シャルルが侯爵位を継承できた御礼に参ったのですわ」

私がさも当然のように言うと、


「何を言っている。カーティス、お前はジャンヌに礼に来るには及ばずと伝えなかったのか?」

エドがカーティスに小声で文句を言うのだが、地獄耳の私には丸聞こえだ。


「何をおっしゃっているのですか。私は殿下のおっしゃるように一言一句違わずお伝えしましたよ。『お子様が幼少のみぎり子育てに専念して王宮に参上せずとも良い』と」

「それがいけないのだ。参上せずとも好いではなくて来るなと何故はっきりと伝えん!」

「言いましたよ。来ないでくださいって」

「じゃあ、何でいるのだ?」

エドは何かムカつくことを言っているんだけど。


「殿下丸聞こえですわよ」

「ヒィィィィ」

私が近付くとエドは必死に後ずさって逃げようとするんだけど……


逃げられたら追いかけてみたくなるのが人間だ。

アリスからはドラゴンの主だと注意されたが……私は誰が何と言おうと人間だ。


面白がって、私はエドのズボンのすそを踏んでみた。


「ヒィィィィ」

更にエドは更に悲鳴を上げるんだけど。

ここまで怖れられる理由はないはずなんだけど……さすがの私も少し可哀そうになった。

ズボンが破けたら見たくもないものをもせられるかもしれないし……


私は手を差し出して

「や、止めろ、離せ!」

逃げようとするエドの手を強引に引くと椅子ごと起き上がらせたのだ。


「はい」

そして、手を離したら、

「離すな!」

今度は暴れたエドがそのまま頭から地面にいすごと突っ込んでいった。


「えっ?」

これは私の想定外だ。

暴れるからだ。

そのまま地面と激突してくれるんだけど……


「ジャンヌ、何をするのだ!」

怒り狂ってエドが立ち上がるんだけど……

私は知らないわよ。


「えっ、私は起こしてあげただけよ。手を放せって言うから離してあげただけじゃない」

私が文句を言うと。


「はああああ! どう見ても貴様は俺で遊んでいるだろう!」

エドの言葉にアリスまで頷くんだけど、何でよ! 私もそこまでひどくはないわよ。

さすがの私もむっとしたのだ。



「お取込み中申し訳ありません。陛下がお呼びです」

そこへいきなり王宮の侍従が現れたのだった。



何のための呼び出しなのか?

続きは今夜です。

お楽しみに。

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

新作開始


『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』

https://ncode.syosetu.com/n9991iq/

「3日後の卒業パーティーでお前のエスコートは出来ない」子爵家のエリーゼは婚約者の第一王子から宣言されてしまった。そんな、このままではゲーム通りにその卒業パーティーで皆の前で断罪されて最悪処刑されてしまう。そんな事になったらお母様と約束した事も守れないじゃないかと、エリーゼは絶望した。しかし、そんなエリーゼの元に超過保護な義兄が現れて話はますますややこしくなっていく。更に今まで厳しかった義兄がやたらエリーゼに優しいんだけど、何か変だ。

第一王子はエリーゼを帝国の公爵家の傍流に過ぎないと思っていたのだが、実はエリーゼの正体は……ヒロインの正体とその義兄の正体が判明した時、馬鹿にしていたこの国の貴族たちの間に激震が走る!

果たしてこの危機をエリーゼは義兄とともに乗り切れるのか?

ヒロインを守るために命をかける義兄の愛、ハッピーエンドはお約束です。



この話の元の

短編の作品はこちら


『天使な息子にこの命捧げます』

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アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

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なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/


2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。



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