初めての三周年
ごきげんよう、ひだまりのねこですにゃあ。
さて、いよいよ明日、小説家になろうにおいての活動三周年、つまり創作活動三周年を迎えます。
ここ小説家になろうには、私より大先輩が大勢いらっしゃいます。
何十年も創作活動をされて来た方にとっては、ひよっこも良いところでしょう。
でも、私にとっては特別な思い入れがある三周年なのです。少しだけ昔の話をしますね。
私が生まれた時、最初に両親に告げられたのは、一歳の誕生日を迎えることは出来ないだろうという残酷な言葉だったそうです。
それでも両親は育てることを決意して、あふれるばかりの愛情を注いでくれました。
迎えられないはずだった一歳の誕生日を迎えた時、お医者様はどうしてだかわからないと首を捻るばかり。
幼少期は友だちと走り回ったり出来ないので、ずっと部屋の中で本を読んだり、一人で庭を探検したりして過ごしました。生き物に詳しくなったのは、この時期に身につけたものがあったから。
何度も危機を乗り越えて、小学生になれましたが、身体が丈夫になったわけでも、治ったわけでもありませんでした。
将来の夢を書くという課題の時、正直なんと書いて良いかわかりませんでした。
ずっと大人にはなれないと言われてきたのに、大人になったら何がしたい?
仕方がないので、長生きしたいです と書いて提出しました。
中学に入ってから奇跡が起こりました。
驚くほど体調が良くなったのです。
両親は泣いて喜び、私が体力を付けたいからスポーツがやりたいと言ったら、好きなようにやらせてくれました。
水泳、ソフトボール、テニス、競技かるた、サッカー、スキー、スノーボード……
私はずっと脳内でイメージトレーニングしていたので、周りがびっくりするぐらい、どのスポーツもすぐに上達しました。
特にサッカーは他人の動きがわかるのと、ボールがどこに来るかがわかるので、面白いように点が取れて本当に楽しかったです。五分でハットトリックしたこともあります。
このままサッカー選手になりたいな。
ですが、驚くように良くなった体調は、まるで嘲笑うように消えてしまいました。
それまでの反動が来たのか、中学生活後半はスポーツはおろか、日常生活すら送ることが難しい状態でした。
高校も、大学も、良い時と悪い時の繰り返し。
大学二年の時に実家が無くなり、学費が払えなくなって結局中退。
成れないと言われていた成人を迎えましたが、喜びは無かったです。
相変わらず未来は描けないのに、生きるために働かなくてはなりませんでした。
私は、毎日十種類以上の薬を服用しています。食費よりもはるかに大きい負担で、それでも止めたら生きられません。
お金が無くなっても、薬が無くなっても、あるいはそんなこと関係なく突然終わりが来るかもしれません。
周りの人たちは皆、何をして、何のために生きるのかということを語りますが、
私はずっと生きることが目的でした。
今日生きること、明日目が覚めた時に心臓が動いていること。
それ以外に考える余裕なんて無かったのです。
コロナが蔓延して職場が倒産しました。
色々制限がある私にとっては新しい職場を見つけることは簡単ではありません。
そんな時に小説家になろうに出会いました。
今だから言えますが、私の処女作は遺書のつもりで書きました。
仕事を失い、収入はなく、命を支えてくれていた薬が手に入らなくなり、新たな薬が合わずに体調は最悪の時でした。
死にたい、ではなく、生きられない、状態だったのです。
このまま消えていきたくない。
そんな思いで小説を書き始めました。
楽しかったです。この世界で私は自由に駆け回ることが出来ましたし、その気になればどんなことだって出来るのです。
優しくて素晴らしい仲間もたくさん出来ました。
もう少しこの世界で生きて行きたい。
少しだけ欲が出ました。
去年二周年を迎えた時、三周年を迎えたいという欲が出ました。
そして明日、三周年を迎えます。
私ね、今まで三年続いたこと無いんですよ。
スポーツも学問も、いっつも肝心な時に動けなくなったから。
生まれて初めての三周年。
また欲が出てしまいます。
遠くは見れませんが、今日という日を積み重ねることは出来ます。
もしかしたら四周年いけるかもしれない。
最近、主治医から冗談交じりに何で日常生活送れているのかわからないと言われます。
私は笑いながら、気合と執念ですと答えます。
先月からまた薬が変わりました。種類も増えました。
新しい薬は合わないし、種類が増えてますます分刻みのスケジュール管理が必要になってしまいました。昨日発表のあったネット小説大賞は全滅だし散々です。体調も上がりません。
でも、楽しいんですよね。
小説を書き始めてから、私に生きる以外の目的が生まれた。
書くのも楽しい、読んでもらえるのは嬉しい。だから辛い日常も耐えられる。
創作活動は、私にとって最高の『お薬』なのかもしれません。
あの日、ここで小説を書き始めなかったら、このサイトに出会わなかったら。
私は今生きてはいなかったかもしれません。
これからも気合と執念で、次の四周年を迎えたいと思っています。
明日10月25日からは、私が主催するエッセイジャンルの企画が始まります。
どうか一人でも多くの書き手の皆様が参加してくださり、一人でも多くの方が、エッセイジャンルに目を向けてくださると嬉しいな。
世界は変えられる その手で 書きかえてやれば良い
未来は描ける この手で 私だけの色で
みんな、エッセイ書こうぜ!! 楽しいよ~(手招き猫)