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チャッピーとピーコ  作者: タニコロ
2/16

女戦士リド

チャッピーが入った村、ポイ村は人口3000人。この辺りではまぁまぁ大きな村である。

この村の端っこにある道具屋にチャッピーが入った。

「すみません。すいませーん」

店員を呼ぶ。

「はい。いらっしゃいませ」

「これを買ってほしいんですけど」

隣でピーコが小声でささやいている。

「おや、おや、これレッサーウサギじゃないですか。一流の冒険者でもなかなか捕れないやつ」

「えっ、何? 見せて見せて」

後ろから戦士が乗り出してきた。

「うへえ、これがレッサーウサギ。私じゃ全然捕れないやつだ。お嬢ちゃん、あなたが捕ったの」

「は、はい」

チャッピーは嘘をついた。

「すごいじゃない。あなたは魔法使い? 私とパーティー組んでよ」

「は、はぁ」

「やった。これで強くなれるわ。あら、何も武器持ってないのね。逆にすごい」

「ほらほらお嬢ちゃん、レッサーウサギの代金だ」

店員は1万5千ゴールド渡した。だいたい平均年俸よりも少し高い金額だ。

「すごいじゃん」

と戦士は叫ぶ。

「角が高額なんだよ。カラダも高いが」

ピーコが言った。

「すごい大金だって」

「大金って」

「お金がいっぱいってことよ。これで何でも手に入るの。ごはんも靴も服も」

「へええ」

とチャッピーとピーコがしゃべっていると

「お嬢ちゃん、行きましょう」

と戦士が大きな声で言った。

戦士の名前はリド。24歳だ。最近、戦士になった女性だ。地元の学校の剣の大会では準優勝レベルの強そうで強くない女性だ。

「すみません。あなたの名前は」

「リドよ」

「私がチャッピー。この子がピーコ」

「あらピーコちゃんかわいいわね。くしゃくしゃくしゃ。耳可愛い。引っ張つちゃえ。あはははは」

ピーコはこれが人の可愛がり攻撃かと思った。

「ちょっとカフェ行きません」

チャッピーがピーコに言われて言った。

「はい、はい」

と陽気なリド。

カフェに入ると

「私が注文してきます。お金ください」

と言った。完全におごってもらうつもりだ。

ピーコがお金を出すように言うとチャッピーはもらったお金全部をテーブルに出した。

「こんなにいらないわよ、お嬢ちゃん。1枚だけ。これでも多いけどね」

リドはカウンターの方に行った。

それを見ていた二人の男性がチャッピーの方に来た。

「おう、おう、お姉ちゃん、俺らと遊ばないかい」

「おい、こら、金出せって言ってるんだ」

二人目はストレートに脅してきた。ナイフを持っている。

その時、またピーコが気を失って

「グフフフ」

と二人の男に噛みついた。

首筋のストレートヒットだ。

「あれ、私、今、何をやって」

「今、人を倒したよ」

とチャッピー。リドが走ってきて

「え、何があったの。え、こいつら凶悪犯の」

リドは保安施設を呼んだ。

「お嬢さん、ありがとうございます。これ、懸賞金です」

チャッピーは2万ゴールド手にした。

「チャッピーさん、すごい、すごい。何かおごって。そうだ剣買って。役に立つよ」

ピーコが耳元によって

「ああ言ってるから買ってあげたら。あいつを手名付けちゃいましょう」

と言った。

リドはチャッピーを引っ張って武器屋に行った。


「へい、らっしゃい」

「あの、この剣、欲しいんですけど」

「6000ゴールドだ」

「チャッピーいいの? ありがとう」

チャッピーはピーコに言われてお金を出した。

「あ、お姉ちゃんの古い剣はどうする」

「買ってくれるの」

「800ゴールドだな」

「よし、お願いします」

リドはそのお金をポケットにしまった。

「そのお金は自分のものにするんかーい」

とピーコはそれを見ながら叫んだ。

「じゃあ、動物も入れるホテルあるからそこに行きましょう」

とリドはまた引っ張ってチャッピーをホテルに連れて行った。

「チャッピー、部屋に入ったらこのリドにしゃべっちゃいましょう。内緒にしてるとうっとうしいわよ」

リドは2階のツーベッドルームを押さえた。

「私、こっち」

とリドがはしゃぐ。

「あの、リド、話があるの。実は私、チャッピーは元犬で、ピーコは元人間なの」

ピーコはペコリと頭を下げる。続けてしゃべった。

「レッサーウサギを倒したのも凶悪犯を倒したのもみんなピーコなの」

「ええーっつ」

「それでも良かったら付いて来てくれる? もし付いて来て反抗したら凶悪犯みたいにするけど。大丈夫」

「ははーっ。チャッピー様、あなたに従います」

リドは土下座してチャッピーにお辞儀をした。

「様はいらないわ。チャッピーで」

「わかりました。チャッピー。それで明日はポポロ洞窟に行きましょう。魔王退治に有効な杖があるらしいのです」

「いいよ。行きましょう」

「それではお願いします」

リドは晩御飯を食べてすぐに寝た。

いびきが凄い。

「うるさいわね」

とピーコが言うと

「あなたのいびきはもっとすごかったわよ。寝るときは向こうに行きなさい」

とチャッピー。恨みはだいぶ溜まっているようだ。

翌日の洞窟に向けてチャッピーとピーコは寝ようとしたが、

「まだ7時半じゃん。この女、何なの」

とピーコはわめいた。

「うるさいな。もう寝ろよ」

チャッピーはピーコを足で挟んだ。

「お前がしてたことをしてやる」

「苦しい。苦しいよう」

その日、ピーコはうなされながら寝た。





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