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俺のラブコメどこ行った  作者: 如月 羽藺葉
7/22

雑談

 いい体格をした男子高校生が校内で女子に喧嘩を売った挙句に返り討ちにあった日の翌日。

 運がよかったこともあり先生にも見つからず、目撃していた先輩たちも先生に報告しなかったおかげでお咎めはなかった。雄馬の顔には少しの痣ができていたが自業自得、ましてや梶浦さんの顔に傷ができなくてよかったまである。

 当の梶浦さんといえば本来の髪色が金髪であることが分かったのだが黒髪にあこがれていたこともあり暫くは黒色で過ごすことに決めた。そして二人の間にあった不干渉の契約は破棄することになった。元々お互いにそこまでの悪感情を持っていた訳ではなく周囲の反応ゆえにという部分が大きかった。事情を一切知らない人間しかいない状況では不干渉を貫く理由もなかった。とはいえ喧嘩自体がなくなったわけではなく、ましてや長年の関係性は変わることは難しいようだった。

 まあ要するに二人はツンデレというやつだった。これに気が付いたシャルがその言葉を口にするのは阻止するのは大変だった。

 二人の終戦のきっかけであり、取っ組み合いの喧嘩の原因であるシャルは全てが終わった後に「これこそまさに雨降って地固まるですね」とか正しい日本語を使いながら満面の笑みでサムズアップしていた。これには少しばかりイラっとした。いつか納豆を食わす。

 結果としてみれば入学から数日で早くも少々アンバランスながらグループが出来上がるという学校生活においては順調な滑り出しを迎えていた。

 「桜はヲタクなの?」

 そう尋ねたのはシャル。早くも仲良くなっていて既に下の名前で呼んでいた。

 「多分違うと思う。そこまでアニメ見ないし、漫画も読まないし」

 ようやくマトモな人材がグループに入った。

 「桜もヲタクになりましょう。楽しいよ、特にヤオイ」

 早くもヲタク勧誘を始めた。ただしいきなりヘビーな沼を。

 「梶浦さん嫌なら断ってもいいんだよ」

 「もちろん、嫌なら断ります」

 日本人に見えてもごく最近までイギリスで育っただけあってNOをしっかりと言える性格のようでそこになんの躊躇いは持っていなかった。

 「それよりも、名前」

 「?」

 「私の名前、桜って呼んでくれないんですか?」

 「ええと」

 梶浦さんは自分のことを桜と呼ぶように要求していた。

 ここでなぜか元ヲタクにして女子慣れしてない反応がでた。童貞臭いとか言わないでほしい。

 「桜さん」

 「桜」

 「桜さんが限界です」

 「仕方ないですね」

 さすが海外ファーストネームを呼ぶのが当たり前の文化怖いぜ。日本でもファーストネーム呼びが初対面で成立するのは陽キャだけです。日本人に限ってこの異論は認めません。

 交換条件として俺のことはファーストネームで呼ぶこととなった。

 「それよりもどうするよ、皆何の部活に入る」

 そう、俺たちが放課後に集合していたのは何の部活に入部するのかという話をするためだった。

 別に入部が強制されているわけではないが校則が厳しくないことで有名な我々の高校はその分部活動の数も多彩なのだ。運動系も文科系両方の部活ともである。それが成立しているのは一つは生徒数が普通に見れば多い学校であるのと同時に、一つの学園グループに属する学校の一つなために兄弟校姉妹校が存在し交流活発化の目的とグループ内の大学との連携と豊富な資金。さらにシャルや雄馬、桜さんのような海外からの入学者が多く、海外に準拠した部活制度になっているためだった。

 そのために掛け持ちも多い。

 それぞれ別の部活動にいそしむ可能性がないわけではないが部活動見学自体は皆一緒に行こうという話になっていたのだった。

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