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俺のラブコメどこ行った  作者: 如月 羽藺葉
12/22

不沈艦、抜錨

 シャルの奇行は今日に限って言えば登校時のパン咥え暴走だけだった。

 ただ想像以上にシャルが変なことを行動に移す少女だということが分かった。まあ行動力のあるやつだとは思っていた。入学式当日に好きな同人誌の聖地に巡りもそうだが部活動巡りもシャルが率先して行動していた。もっと言えば悠馬や桜さんと違ってイギリス本国に残る選択肢もあり得た彼女だったのだが好きな国とはいえ唐突に日本にやってくるという選択するのも行動力がないとできない選択肢だとは思う。

 「今更だけど皆二次元研究会だけに入部するのか?」

 そう今更だがそれが疑問になっていた。元々俺と悠馬は運動部への入部も考慮に入れていた。ところが運動部への見学という名の道場破りの結果運動部への入部は半分諦めていた。

 因みに俺らが通っている高校は兼部推奨傾向にあるために部活動をしている生徒の6割が兼部している。もちろん入部しないという選択肢もある。

 「それなんだよな、結局いいところなかったしな」

 もちろん運動部と文化部の掛け持ちしかダメというわけではなく文化部と文化部、運動部と運動部という掛け持ちもいるにはいる。前者は多いが、後者は少ないのは当然ではあるのだけれどもゼロではない。

 「めぼしい部活なかったですからねえ」

 「私は入りましたよ、運動部」

 「え、どこ。というかいつの間に」

 まさかのシャルが運動部に入部していた。部活動見学の時からずっと一緒に行動していてそんな素振りが一切なかったのだがいつの間に入部していたのだ。というよりもシャルの運動性能に敵う運動部があるとは思わなかった。

 「サイクリング部」

 「そんな部活はなかったぞ」

 「お前まさか」

 「どうゆうこと?」

 いまいち理解できていない悠馬と桜さんに説明するかのようにシャルはこともなげに「作った」といった。高校のルール上できない話ではない。基本的にこれはどこの学校も同じだ。生徒手帳とかに書いてある校則に規定してある。基本的には一定人数を集めて顧問となる先生が承諾して生徒会に申請さえすれば部活が創部できる。部活によっては活動場所が必要になるのだが場合によってはいらない部活もあるにはある。確か俺らの高校の校則では最低人数が五人だったはずだ。顧問も必要だったはずだ。それだけのことを一体いつの間にしたんだろう。

 「シャル、いつの間にそんなことしたんだよ。というかどうやって人集めたんだよ」

 そう聞くとシャルは説明を始めた。

 「元々ダディの影響で自転車は乗ってたのよ。まあなんていったってグランパの実家はバイシクルの販売をしてる会社だもん。でも部活がないっていうから作った。」

 「人数はどうやって集めたんだ」

 正直嫌な予感しかないが

 「えっと、私と同じであったら入部しようとしてる子をこの前の登校の時に一人見つけて。それで出した。」

 「待て待て、説明が不十分だぞ。それじゃあ規定の人数に足りないだろ。」

 「え?足りてるよ。私でしょ、その子でしょ、んで竜司と悠馬と桜。ほら五人」

 「お前」

 これには少し唖然とせざるを得なかった。というよりも悠馬も桜さんも呆れていた。

 「やるでしょ、楽しいよ」

 と屈託なく笑うシャルの笑顔に毒気を抜かれて説教する気も起きなかった。

 「それで顧問は誰なんだよ?」

 「担任にお願いした。どこの部活の顧問やってないって言ってたし、基本的に関与しなくていいって言ったらOKもらった」

 「それでいいんだ」

 妙にやる気のない先生だな。

 「因みに部長は竜司で提出しておいたよ」

 流石にこの言葉には説教をした。

 が今更に引き返せるわけもなく引き受けることにした。

 

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