1.個人的な日本での感染について
※個人の見解です
新型コロナウイルスという名前がまだ付く前、近くにいた医師がスマホを片手にこんな話をしてました。
「中国で未知の感染症拡大だって。なんだろうね。日本にもくるかもね」
私はその話を聞いて、またSARSのような感染症かなとか考えていました。
もちろんその時点では世界情勢がこんなに変化するとも考えてはいませんでした。
多分、世の中の人全てがきっとそう感じていたと思います。
流れが変わったのは、中国での感染拡大の勢いと、日本での感染者の発覚、そして「ダイアモンドプリンセス号」での感染拡大でした。
この時、既に中国では武漢の閉鎖や医療現場の混乱具合が報道されていました。
日本では帰国者が新型コロナをもって帰ってきたこと、ダイアモンドプリンセス号が停泊し、その中で感染が拡大していること、そして「無症状性の保菌者がいること」が報道されました。
無症状保菌者ほど怖いものはありません。また潜伏期間が最長で14日というのもとても怖いと感じました。
しかし日本政府は何かすることは無く、船の対応と、専門機関の調査が入るのみでその場は流れていきました。
その後、各国で対応が分かれました。
ヨーロッパではなす術が無く凄まじい勢いで感染拡大し、あっという間に医療現場の崩壊が報道されるようになりました。
(ドイツは別ですが)
アメリカでは人口の多さもあり、感染拡大スピードが早く、ニューヨークを中心に各州で感染が確認されました。
韓国では感染の有無に関わらず検査を実施。
台湾では徹底した封じ込め作戦とITの活用をしました。
海外での対応を見て、私も早く何か手を打たないかなと国の対応を待ちました。
しかし対応は遅かったと思います。
医療現場の末端の人間でさえ、「無症状保菌者」「潜伏期間の長さ」「各国での感染拡大のスピード」をみれば、すぐに何か策を講じなければならないと思う程でしたが、日本は何かと足枷が多かったようで、すぐ行動に移らなかったようです。
結果として、緊急事態宣言が出てかなりの時間が経ちますが、一向に収束する気配はありません。それどころか、感染拡大に加え、経済の停滞、生活する場の混乱、コロナによる差別が生まれました。
医療現場で働く私は、その全ての影響を受けました。
配偶者の仕事が停止し収入が減少しました。もともとマスク等は家にそこそこありましたが、それも手に入らなくなり高値でのマスクや消毒薬の取引が当たり前になりました。また子どもや配偶者は、私が病院で働いていることを理由に差別的な発言を受けることがありました。
政府や自治体が強権を発動できない理由も分かります。法律であったり経済活動を鑑みての判断と考えられるからです。
しかしそれでももう少し強制力や強い言葉での縛りは必要だったと思います。
「非常事態宣言」は「自粛を要請」ではなく、「死にたくなかったらなるべく人に会うな」というくらい強い言葉で良かったと考えています。
「自粛要請」は受け手側はあくまでも「頼まれている側」。これでは行動変容に繋がりません。
自分に害がある、または死の可能性があるから控えろよとくらいに、受けて側が「自ら外に出ない選択」をさせるくらいの言い方で丁度良いくらいです。
以前より思っていることですが、日本人は「自分は大丈夫」「自分だけは死なない」と思う節があります。
どれだけ日本国内や海外で感染が広まろうとも、自分や自分の周りが罹患しなければ、関係のない話だと思っているのでしょう。
もちろんそうではない人もいますが、自分自身が保菌者である可能性を考えられていないように思います。
自分が死ぬ可能性がある、そして周りを巻き込む可能性があることを、自らの危機感を持って自粛することが必要だったのです。
また正しい情報が大きく発せられてないことも問題だと思います。
毎日流れるコロナの話題は、関係ない人にはただの興味の薄い内容です。
パチンコ店がどうとか、感染者数がどうとか、そんなことテレビで伝えても何の意味もありません。時間の無駄です。
「ステイホーム」とかいうのも、ある種のトレンドとなっており効果は薄いように感じます。
今の新型コロナウイルスの正しい情報をどれだけの人が把握しているでしょうか。
新型コロナウイルスは基本的には「飛沫感染」「接触感染」です。マスクだけして安心していませんか?
感染が成り立つ為には、
1.菌が相手から自分に「何らかの形」で付着する
2.菌が付着した手や物が自分の粘膜(口や鼻など)に付く
という段階があります。
つまりマスクをしていたって、社会的距離(所謂ソーシャルディスタンス)を守っても、結局は手洗い不足や、飲食の直前に顔や髪を触ってしまえば、そこにウイルスがいた時点で感染する可能性が大きくなります。
こんな数文字で表せることを、テレビやネットではあまり伝えていません。
感染者数はまだまだ増えると考えます。
研究者や他国では、免疫を獲得するためにわざと感染し、自己免疫に頼る方法を述べている方もいますが、日本ではそうした場合ただただ混乱し、人が死に、医療現場は崩壊して何もかもが壊れる可能性があります。
一番堅実なのは、感染拡大を防ぎ、効果のある薬の開発を待つことだと考えています。
一人一人が「感染をしない、させない」という意識が無ければ達成することは難しいと思います。
今一度、自分と、そして自分の大事な人を守る行動をお願いします。