表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トースト・ライカ・ロケット  作者: キヨ・ゲンヘキ
2/2

朝食と書いて『神事』と読む

どうも、続きです。

読んでね!

台所に到着、それと同時に様々な食パンがぎっしりと詰まっている棚を開く。その瞬間、生パン特有の甘い小麦の香りが俺の鼻腔をつく。

ああ...なんて芳しい...

今日も変わらず美味しそうなパンたちに感謝し、うっすらと涙さえ浮かべながら

「今日はどのパンにしようか...」

と口に出すと、今からトーストを食べる、ということが現実味を帯びてきたような気がしてなんとも高揚してくる。この時の俺はさながらHなお店で相手の女の子を決める時のような舐めるような視線でパンたちを眺めていたと思う。

数分間の葛藤の末に

「...よし!今日は超○だな!」

とつぶやきながら○熟をチョイス。袋から二枚を取り出す。

食パンを取り出した俺は流れるような動作でキッチンのもう一つの棚を開ける。そう、そこにはトースト作りに必須の三種の神器の一つ目、『トースター』達が入っているのである。

なぜトースター"達"と複数形なのかというと、理由は簡単。俺は各食パン毎に一番美味しく焼けるトースターを何台も取り揃えているからだ。

今日も今日とて美しい光沢を放ちながらトーストを焼いてくれるトースター達にも感謝をしながら、俺は超○に一番合うトースターを取り出す。

ボディは黒。食パンを入れる溝は少し大きめで、自分でどのくらいの焼き加減にするか決める用のハンドルがついているタイプのやつだ。

食パン二枚とトースターを両手に持ってテーブルに向かう。食パンの形が崩れないように、また、トースターを落として壊してしまわないよう慎重に、ゆっくりとテーブルにトースターと食パンを置き、しっかり置けたことを確認すると、俺はトースト作りの三種の神器の残り二つを取りに、冷蔵庫へ向かった。

まずは残り二つのうち一つ目『バター』を取りに行く。これはさっき言ったので詳しくは割愛するが、トーストのパンの味を際立たせる必須アイテムだ。

バターを取り終え、冷蔵庫を閉めた俺が次に向かったのは、もちろん食器入れの棚である。ここで三種の神器の残り二つの二つ目、『バターナイフ』を手に取る。こいつは小さく切り取ったバターを薄く伸ばして均等にパンに塗ることのできる優れものだ。個人的には、バターナイフの発明者にはノーベル賞の一つや二つ送ってもいいくらいだと考えている。

神器の残り二つを手に携えてテーブルに戻り、バターとバターナイフを置く。

やはり、トースト作りの三種の神器が集まった様子は壮観だ。自分が用意したというのに思わず気圧されてしまう。

十数秒間は神器たちを眺めていただろうか、外をトラックか何かが通った音で我に帰った俺は、気を取り直してトーストを作ることにした。

コンセントを差し込み、トースターに電気が通う。

次に食パンをトースターに差し込む。この段階では、まだ食パンはトースターからはみ出ており、焼くことは不可能だ。そのため、その後側面に付属しているレバーを押し込む。すると食パンはトースターの溝の底まできっちりと収納され、俺がハンドルを回して指定した時間中、じっくりと焼かれてトーストになる。

食パンが徐々に焼けている、香ばしい匂いがする。

ああ...早く食べたい...

何年たってもトースターに食パンを入れてから焼き上がるまでの待ち時間は慣れない。あの食パンが飛び出る時の、小気味のいい「カシュッ」という音が耳に入るのを待ちながら、俺は、なぜこんなに食パンが好きになってしまったかを思い出さずにはいられなかった...。

お疲れ様でした。

次話では主人公がなんでここまでパン中毒になってしまったかが分かります。

お楽しみに。

ちなみに私は米派です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ