1章 桜とたんぽぽ
中学校生活が終わり、高校生活が二週間ほど前より始まった。入学してから学校の説明やら色々とたくさんの量と種類のプリントが未だに配布されている中、私が一番求めていたプリントが配布された。それは、入部届けと書かれたプリントであった。入る、入らないと周りから聞こえる中、私には中学の頃より行ってきた吹奏楽部への入部のみしか頭になく入らないという選択肢は、全くなかった。そんなことだけをかんがえている中HRが終了し皆自分の家に帰る者、遊びに行く者に分かれていった。勉強嫌いな私は特に家に帰ってもこれといってやることはなく、入学したてということもあり、また元々人間が苦手であった私には仲良しといえる友人もいない私は一人で駅前のデパートというには風変わりなそれらしきショッピングモールへ行くことに決め早速昇降口へ出た。私立校ということもありそれなりの広さを有するこの学校には県内唯一である音楽を専門に勉強する音楽科という学科があり、普通科である私らからの目からも何かしら特別感を放つのを感じるのは今現在目の前にボロボロであるが白い壁を有する音楽棟という建物がめのまえにあったからでもあろうか。たびたび私の教室のある校舎から大きい声が聞こえてきたのもこの校舎からであったた。音楽棟の前には数人の女子生徒がいた。その中に旗を持つ生徒もおりそこには吹奏楽部と書いてあった。なにがおこっているの書きになった私はしばらくようすをうかがってみることにした。そこに一人の女子生徒がやってきてこういってきた。
「楽器体験いかがですか?」
急に話しかけられおどろいたのに加え人間が苦手っというのもあり私は断ってしまいとっさに逃げてしまった。入部希望でもある部活でもあるため正直参加してみたかったがとりあえず私は自転車に乗り込み、ショッピングモールへ向かった。そして大したものも買わずに店を後にし電車で二駅先の町にある自宅絵と帰宅した。
親に今日配られたものを渡してちょうど入部届けのプリントを見たところを見計らって私は音楽棟の目の前であったことを少しだけ話した。そういえば、女子生徒はわたしにこえをかけるだけでなく楽器体験などなどのことについて部員の人が書いたのであろうかわいいキャラクターのイラストが書かれたプリントを渡されたのを思い出した。どうやら今の時期は部活動紹介という期間中らしく各部活動に入部している生徒は新入部員を確保するのに必死であっただろう。楽器体験は部活動紹介の期間中であるこの一週間の三日間だけ行われており残りの二日間に演奏会をやるそうだ。親にも言われ私は最終日の日に行われる演奏会に行くことにした。
それから3日、4日がたち、演奏会へと足を運ぶことにした未だに友人のいない私は一人で行くことになっておりとても緊張し激しく鼓動が脈打っていた。音楽棟へと入ると中には小型の黒板が置いてあり元々女子のイメージの強い吹奏楽にはやっぱり女子生徒もおおく黒板にはたくさんのあの可愛らしいキャラクターが描かれていた。緊張が高まるなかある生徒に私はソルフェージュ研究室と看板のついた小さめの教室へと案内され、一枚のプリントを渡された。そこへ私は中学の頃担当していた楽器などなどを記入した。すると案内してくれたが生徒から話しかけられた。
「トランペットなの??」
びっくりしてしまった私だがこれから始まるであろうそして関わるであろう人々へ雑な態度を取るわけにもいかず私は丁寧に
「はい、トランペットを担当していました」
と言ってみた。
「私もトランペットなの、これからよろしくね」
そう言われた私は自分が行ったことに加えその人の笑顔に安心したのか緊張し四角になっていた顔を曲線をえがけるようにほぐし始めて笑顔を見せた。その後ソルフェージュ研究室の隣にある合奏室、いわゆる音楽室であろう部屋へと案内されすでに十数名の私と同じ新入生がひな壇のまえに丁寧に並べられたパイプ椅子に座っていた。さっそく演奏会が始まり中学の頃吹奏楽に慣れ親しみすぎて感じることのなかった感覚に出会った。
吹奏楽へ恋をした。
中学の頃より吹奏楽が大好きだった私は数々の県内の高校の定期演奏会などにいったがとくに目立ったこともせず初めて聞くこの学校のサウンドに私の鳥肌は立ちっぱなしだった。面白い感覚を体験したのちその余韻がまだ残っているうちに寄り道をせずすたすたときたくしていった。
それから結局私は吹奏楽部へと入部し自己紹介のイベントなどもありあっという間に二週間ほどがたっていった。男子部員は私を含めもう一人いたが謎のオーラを放つその子には自分から話しかけることは無かった。そんななか私の耳には私を含め12人のパートメンバーのうち一人の会話が入ってきた。
「新しい部員が入ってきたらしいよ」
それをいったのはわたしとおなじ一年ということもあり簡単に質問することができた。話によると、その人は高身長で地味な雰囲気を放つ私とは違い爽やかな感でわりと高スペックな男子部員ということがわかった。その話をしばらくしちょっと基礎練習を終え合奏室へと戻った。新入部員がいるにもかかわらずあたりは夕方を少しすぎ暗くなっていたということもあるせいかその日は大した連絡事項もなさそうで集合もなく、楽器を皆かたずけ始めた。するとふとそこには見かけぬ顔で高身長かつ地味な私と違い爽やかな感じの人が何をしていいのか分からなそうに、トロトロしていた。例の男子部員だ。もう一人のことは違い話しやすそうなオーラを放つ私は声をかけてみた。
「君が今日入ってきた子?」
「はい、そうです。」
返答は早かった。おなじいちねんなのにかつおなじ男子同士であるのにも関わらず、なぜ敬語なのかということに疑問を持ち敬語という何らかの壁を取り払うためこういって見た。
「敬語じゃなくても大丈夫だよ。おなじいちねんだしね」
「え、そう。なんだ、先輩かと思ったはわ」
といいその子は、「くすす」と笑った。それにつられて、不思議な感じとこの子はきっと面白い子などだと珍しく確信した私は同じく「くすす」と笑った。
「そう言えば、ローファーが下駄箱の中なんだよね」
とその子は口を開いた。私の学校の吹奏楽部は練習時間が伸びることもあるらしく、合奏室の階段を登った上にある楽器置き場に置かれた年季の入った下駄箱に入れるシステムになっている。しかしその子はおそらく初めて来た理由でおそらく、持ってきていないのであろう。おまけにあいにくな外ももう暗くなってきている吹奏楽部以外の生徒はいるはずもなくまた、私たちのいる音楽等の1番遠い場所にその子のローファーはあるのだという。それだけでなく、その子は普通科出会ったが普通科の中でも別のコースであった。故に校舎が別なのだ。しかし、校舎は一応繋がっているらしく、生き方さえわかれば十分だ。私達は早速行動した。下駄箱の所にある昇降口のシャッターは全てしまっていた。そのため入学してからそんなにしてないせいか、私たちもその周りの1年生も行き方を知らなかったためその子の担任に訪れることにした。
つづく