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quiet gerden  作者: サファイア
消えた⁉夏休み
1/3

ニュー・ライフ

 7月20日 午後

 まだ昼の熱さをアスファルトが保っている。高校性2年のオレ、(セイト)は明日からの夏休みで皆が浮かれている中、家への帰宅路についていた。


しかし家へ帰ってもテレビを見るだけだ。他の家では明かりが付いていて、スイカなど買ってあるのだろうか。


「ただいま。」

人の気配のない暗くなった家の玄関を開ける。日中の日差しで熱せられた蒸し暑い空気がまとわりついてくる。


『おかえり。』という母の声も、妹の声もずっと聞いていなかった。またいつか家へ戻ったら誰かが帰ってきている期待がある…しかし今日も叶わなかった。


家に帰ると仏壇の前で手を合わせるのが日課だ。


「…。」

半年前、事故で両親と妹を失った。その日から家の時間は止まっている。

人は不思議なもので、だんだんと日常に慣れてくる。辛いことも…幸せなことも。


冷蔵庫を見たら飲み物が無くなっていた。

「買いに行くか。」

いちいち着替えるのも面倒だ。着のままでスカスカのリュックを持ち、家を出た。


買い物がてら少し寄り道をしたら18時を過ぎてしまった。町中のテレビでは性同一性障害、難民問題などを扱っていた。また、少し前に起きた殺人強盗が何者かに殺されたなどと報道していた。


自販機で買って飲んだ缶をゴミ箱の中に投げ入れる。カラン…と寂しい音が響いた。


ふと気づくと辺りは暗くなっている。というより、霞がかっている。

「雨か?」

しかし特にそのような予報はなかった気が…。

家に帰ろうと歩いていくが、だんだん霧が濃くなってきた。

「うそだろ…ここどこだ?」

いつもと同じ道を歩いていただけなのに、道に迷うことってあるのか?もしかしたら、狐に化かされているのかもしれない!


腕時計を見ると8時くらいを示していた。周りの霧がだんだん晴れていく…。

「学校?」

気が付くと目の前にどこかの学校が見えてきた。

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