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ハイファンタジー

アイテムボックス持ちの旅商です。何かご入用ですか?

作者: シーラカンス大西
掲載日:2018/05/05

 バッサリと、目の前でわいばーんが一刀両断されて倒れました。


「危ないところだったな」


 そう言って、私をわいばーんの襲撃から助けてくれた隻眼の剣士が、かっこいい決め台詞を言います。

 しかし、残念なことに彼の愛剣の刃が折れてしまいました。


「申し訳ありません」


 自分なんぞのために、わいばーん相手に貴重な剣を使ってしまって。

 頭をさげると、仕事だから気にするなと言われました。

 彼は容姿だけでなく、心もイケメンです。

 すごいですね〜、モテそうですね〜、英雄とかになりそうですね〜。

 そんな方に恩を売っておいて損はありません。

 何しろ、私は旅商人。


「命を救っていただいて、何もしないというわけにはまいりません。こう見えて、私旅商でして」


「商人? その割に荷物が無いが?」


「アイテムボックスにあります」


「ほう、珍しい魔法だな」


 アイテムボックスの魔法は、異空間に様々なものを収容できる希少な魔法です。

 その中に商品を詰め込み、旅をしております。


「せめてものお礼に、剣の代わりとなるものをタダでお譲りしましょう。使い慣れなくても、折れた剣よりは頼りになるはずと自負しております」


「そうか。タダというならば貰っておこうか」


 彼は無欲な人間というわけではなさそうです。

 命を救っていただいたので、相応の剣をお譲りしましょう。

 というわけで、剣を一振り。


「こちらなどいかがでしょうか?」


「力強い気を感じる剣であるな。何処の剣か?」


「銘は《カシュルク》と申します」


「ふむ。鑑定をしても良いか?」


「どうぞ」


 銘:殺神剣 《カシュルク》

 等級:神造兵器

 価値:Aアーティファクト


「ブッ!?」


 ……どうかなさいましたか?

 なにやら彼が吹きました。


「りょ、旅商よ……な、なんだこれは!?」


「……剣ですが、何か?」


「どこから出てきたのだ、こんなもの!?」


 お気に召さなかったようです。


「アイテムボックスですが、何か?」


「ちがう! こんな剣ホイホイだすでない!」


「お気に召しませんでしたか?」


「気にいる以前の問題だ! 神殺しの剣なんぞ、過剰戦力にもほどがあるわ!」


 ……確かに、神様と会うことなど無いでしょう。

 別の剣を見繕いましょうか。


「わかりました。これはいかがでしょう?」


「質素な剣だな。うむ、こういうものを–––––」


 銘:獅子王剣 《アルスーラ》

 等級:神造兵器

 価値:Aアーティファクト


「またアーティファクト!?」


「それが何か?」


「なぜ二本もアーティファクトがあるのか!?」


「……いえ、二本では無いです。こちらに」


 銘:妖刀 《国崩し》

 等級:神造兵器

 価値:Aアーティファクト


 銘:海魔剣 《ディラントー》

 等級:神造兵器

 価値:Aアーティファクト


「ありふれたものでは?」


「ありふれてたまるか!」


 テンションが高いお方です。先ほどよりもとっつきやすくて面白い。


「面白いものも見させていただきました」


「こっちは心臓が飛び出そうなものを見せつけられたが……」


「お礼に、これらの剣をお譲りします」


「………バタ(キャパシティーオーバー)」


「……し、しっかりしてください!」

等級:上から武器は神造兵器、戦略兵器、対国兵器、対城兵器、対軍兵器、対団兵器、対人兵器、中等兵器、粗悪兵器となっています。

対城兵器はドラゴンと対抗できる兵器、対国兵器は国を吹っ飛ばす兵器、戦略兵器は世界を終わらせる兵器、神造兵器は神々の作り上げた兵器となっています。


価値:上から、Aアーティファクト、B(国宝級)、C(名品)、D(一級品)、E(二級品)、F(粗悪品)となっています。もちろん、アーティファクトは測定不能、未知の価値につけられます。

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