ここはどこだ?
真っ暗な世界が有馬の周りに広がっていた
ここがどこなのか全く分からない
どこを見ても暗闇で自分の手すら見えない
有馬「ここはどこだ?」
悠人がいなくなったと思われる部屋に入った
そしてその突如急激な眠気に襲われて意識を失ってからのことが一切覚えていない
有馬「悠人!!いるのか!?いたら返事をしてくれ!!」
全力で叫ぶが悠人からの返事はない
少しずつ有馬はパニックに陥ってきた
自分の身に何が起きたのかが全く分からない
有馬「クッソ!なにがどうなってんだよ!」
するとなにかの気配を感じた
すぐに後ろを振り向く
しかし当然見えないのだから意味はない
けどなにかがいることだけはなぜか確信があった
そしてその確信が当たる
???「ようやく動ける………」
有馬「!!!???」
急にエコーが掛かったような声が響く
やっぱり誰かがいる
しかもお前で揃ったということは相手は自分のことが見えている
有馬「お前…誰だ!?」
有馬の問いかけに少し間を置いて見えないやつは話し出す
???「誰が来ても同じだ…。乗っ取って殺してやる…。誰にも渡さん……。」
そういって声は消えていった
有馬「同じ?なんのことだ?渡さん?俺も死ぬってことなのか?」
なんのことだかよく分からないまま恐怖だけが増していく
どうしていいのか分からなくなってきた時に探していた人物の声が微かに聞こえた
悠人「…ま」
有馬「今の…!悠人!?」
どこからか声がする
悠人が自分を呼んでいる
有馬「悠人どこだ!?」
悠人「……しろ!……ま!」
声が途切れているがしろ!とま!
が聞こえたことから後ろを振り返ると一筋の光が見えた
有馬「あれか!」
急いで光の元へ走り光へ飛び込む
悠人「しっかりしろ!有馬!」
有馬「………え」
辺りが明るい
そして有馬は悠人に抱き抱える形で寝ていた
悠人「やっと気がついたか…安心したぞ」
悠人に支えられながら有馬はゆっくりと起きる
有馬「ここは?」
周囲を見渡すとかなり立派なお屋敷だがどこかあの廃墟に少し似ている気がする
有馬の質問に悠人は首を横に振る
悠人「それが俺にも分からないんだ。俺もさっき起きたばかりで気付いたらお前も隣で寝てたからさ」
悠人と有馬はゆっくりと立ち上がる
上を見ると大きなシャンデリアがあり周りにはなんかよく分からないけど高級そうな絵画もある
有馬「ここスゲー立派なお屋敷だな。気のせいかもしんないけどあの廃墟に似てねえ?」
悠人「それは俺も思ってたところだ」
「気のせいなんかじゃないよ」
いきなり知らない声がして瞬時に2人は声がする方へ振り返る
そこには20代後半か30代前半くらいのジャケットを着た男性が立っていた
「やあ、新しい人が来るのは少し安心するね」
有馬と悠人は男に対して警戒心を露わにする
それに気付いて男は笑いながら両手を上げた
「大丈夫。別に君達に危害を加えようとはしないよ。仮にその気があっても育ち盛りの君達に2人に僕1人では勝てないと思うしね」
男の意見にちょっと納得して2人は警戒心を少し解く
けど多少は警戒しておくことにする
有馬「誰っすか?」
有馬の質問に男は笑顔で答える
「おっと失礼。僕の名前は皆本 冷一応スポーツブランドの社長をやってるんだよ」
そう言って軽く頭を下げた
続いて有馬と悠人も自己紹介をした
皆本「なるほど…それじゃあ有馬君と悠人君とも呼んでいいかな?僕のことは冷、冷さんとでも呼んでくれ。みんなそう呼んでるから」
みんなという言葉に2人は引っかかる
悠人「あのー俺らの他にも誰かいるんですか?」
皆本「ああ、今食堂に3人いるよ」
3人……?
有馬は死亡した人数、そしてあの時の何者かの声を思い出す
有馬らと食堂にいる人数を合わせて6人の人間がここにいることになる
やっぱり6人という数字は何かしら関係があるのか?
それにあの「ようやく動ける」という言葉にも少し引っかかりを感じていた
悠人「おい?有馬?食堂に行くぞ?」
有馬「え、あ、ああ…そうだな」
悠人の呼びかけに我に返り
冷さんの後を付いて行きこの屋敷に有馬達の他にいる3人のいる食堂へ向かって行った