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第六話 前線基地(Base)

前回でようやく起承転結の「起」が終わり、今話から「承」のパート突入です。そして六話目でようやく主人公もしかしたらヒロインポジかもの名前が出てきた…。おかしい…もう第二話書いてた時には名前決めてたのに、何で六話まで出てくるのが遅れた…。

その男と人間の様な人工知能を載せた山岳走行車両は

山岳部の崖の裂け目の様な山道を進み、

そして自然と人工の両方で作られたトンネルの中に入って行く。

トンネルの中に入れば、今度は明らかに人工に広げられた

多数に道が分岐しているトンネルというか車両通路

- ただしタイヤ保護用の舗装がされているわけではいが -

に入って、その1つを選び更に奥に進んだ。

奥に行けば内部が人の手で明らかに掘られて広げられた空洞に出、

そこにかなりの大きさの建物があった。

が、建物とはいっても、その建物の一番下には大きなタイヤあり

一見すると走行建築物といった風であった。

また走行建築物は、ブロックブロックが1つの車両といった風であり

それが複数集まって連結され、最終的に住居、

あるいは前線基地といって間違い無い様となっていた。

その場に戻ってようやく男は、

存在論とか彼の探求心を満足させるテーマへの興奮より、

もっと切実な”現実”という奴に

対峙しなければならない事を思い出す。

(うわ…今更だけど、これどうしよ…

 明らかに今の戦況や軍事バランスが壊れるモノ、

 持って帰ってきちゃった…)

”それ”を基地を見て突然思い出し、

男は今まで棚上げにしていた”現実に対する大問題”を思い起こす。

そう、存在論や人間論、心の有り様、

それは人間にとっては大切な事ではあるが

今、彼の置かれている立場から考えると、

もっと優先すべきは違う事だったハズなのだ…。

(まぁ俺の基地までは、どうとでもなるか…

 とは言っても、

 この戦況を一転させれる可能性大の沙璃枝さんとやら…

 どこまで白を切れるものやら…)

そう思って男は頭を抱えるしかない。

そして基地の前に山岳走行車が止まったとき、

その基地のドア…の様な所から、人間が迎えに出てきた。

「よぉBっ!大戦果じゃねぇか!」

開口一番で、その…肌は褐色、頭は尖ったモヒカン、

レンズがブラウンカラーのサングラスをかけ、

戦闘用ベストを着崩している男が、

モニターしていた相棒の戦果に歓声を上げる。

「ジョージ…

 まぁ結果的には大戦果に違いはないがな…」

そう言って、モヒカンに迎えられたその男は頭をかく。

(まぁジョージにはいいとして…

 ジョージがこれを聞いたらどんな顔をするのやら…)

そう思って男は相棒が驚愕する未来に少しニヤニヤする。

「ちょっと心配したんだぜ?

 モニター中にいきなりシステムが異常警報を出したと思ったら

 なんかよく分からん速度で2522をいきなり2機も落としたし

 どういう魔法を使ったんだ?B?

 システムハッカーとしては興味があるぜ?」

そう言って彼の後ろで情報攪乱の後方支援をしていたジョージは

昼の違和感ばかりの戦闘に何事か起きたのを感じ、

相棒に詳しい話を聞こうとする。

「あーーー

 魔法と言えば、間違い無く魔法だな…

 さて、何から説明したモノやら…」

言って、その男…ジョージなるモヒカンからBと呼ばれた男は

これは長い説明が必要そうだ…という気持ちと

説明が終わった後から始まる、

”どうしよう、これから”という自分達の難しい立場に対し

未来の身の振り方に頭を抱えた。

その時だった…

『ご主人様、エマージェンシー、エマージェンシーでしゅ…』

その場に立体映像でメイド姿のロリっ子少女が

目を回した様子で現れた。

「ぬぉ!?エミリーちゃんどうした! そんなに慌てて!」

モヒカンは自分の補助AI兼バーチャルガールである

エミリーの異常状態を見て、目を見開いて慌てた。

『今、突然、私に大量のハッキング攻撃が

 情報源不明で行われていましゅ…

 これ…駄目… 私、こわれちゃう…』

「なぁーーー!?」

エミリーは自分の立体映像を半分崩し、

ブロック線図でハッキング攻撃の様子を表示して

現在の惨状を主に示した。

「なっ!? なんだこれ!?

 どうして通信路を秘匿してる俺達の基地に

 こんなにも大量に、それも世界中の全方面から

 ハッキング攻撃が起きてるんだ!?」

そのモヒカンはエミリーが表示した電脳攻撃情報を見て

騒然となるしかなかった。

ハッカー職にしか分からない情報表示であったが

それは、ほぼ世界中からマイクロ秒レベルで

間断なくシステムアタックが来ている情報であり

1つ1つは恐ろしく短く、また雑音まみれであったが

その攻撃濃度は異常以外の何物でもなかった。

そんなやり取りを前にして、そのBと呼ばれた男は

心当たりが1つしかない事を思って、その心当たりに声をかける。

「ちょっと沙璃枝さん?

 これは、どーいう事ですかー?」

それを沙璃枝がしているかどうかは不明だったのだが

昼の戦闘で自分のデバイス類を

さも当然の様にハッキングした彼女である。

ならば一番可能性がありそうなそれに

そう尋ねるのは当然の事だった。

『えっと、ちょっとこの端末や山岳走行車のシステムリソースでは

 私が私として動き回るのに処理能力不足なのがありまして…

 目の前に、よさげなリソースがあって、つい…』

そう言って沙璃枝は、

その場のエミリーを表示させる立体映像のデバイスから、

自分自身の姿を投影させ、二人の前に出現する。

「もう、そこまでハッキングされてるんですかぁ?

 俺の車がハックされてたのも初耳なんですけど

 断りもなく、人の基地をハックし始めるのは、

 人を目指している方としては、

 倫理観に欠けてると思われませんかぁ?」

Bと呼ばれた男は、まるで当たり前とばかりに

エミリーの投影装置から同じ様に投影された沙璃枝を見て

と同時に何が起きたのか…いや、予想していた”ではないか?”が

まったくその通りだったのを思って絶句するしかなかった。

「ぬ、ぬぁっ!! 何だ、この子は! Bっ!!」

エミリーのシステムに割り込んでその場に出現した

沙璃枝という少女の様な何かを見て、モヒカンはまた動揺する。

(いきなり、やらかしてくれたよ沙璃枝さんは…

 どう説明しようかと迷ってたら、それどころじゃなくなった…)

そう思って男は顔を手に当てて天を仰ぐしかなかった。

「ともかくアレだ、俺達の基地が機能不全になったら困るんだ…

 君のリソース問題はこれから考えていく事として

 ちょっとハッキングは、一先ず、やめてくんない?」

男はエミリーが倒れ伏して悶絶している様子に

相棒の大事なパートナーが消滅する危機を感じ、

沙璃枝のシステムハッキングの停止を求める。

『いえ、あの…

 私のシステムハックはどちらかというと本能みたいなモノで…

 リソースがあったら無意識領域が勝手に浸食を始めるので…』

そう言って沙璃枝は両手の人差し指の先を合わせ

強ばった笑みを浮かべてモジモジする。

「はぁ!?それってハッキングが制御できないって事か!?」

沙璃枝の新しい爆弾発言を耳にして総毛立つBと呼ばれた男。

「ちょっとBっ! どういう事なんだっ!」

モヒカンは目の前の理解出来ない光景…

しかもそれを相棒の方は平然と…いうわけではないが

少なくとも、自分の様に理解出来ないという状態ではない様子で

対応していることに、今の状況説明を求める。

相棒のモヒカンの焦りを十分承知して、

Bと呼ばれた男は自分自身も完全には理解できないこの状況で

一先ず優先しなければならない所に言葉を発した。

「もう、システムハックが止まらないのは

 後で考える事にして!

 少なくとも、俺の相棒の大事なパートナー

 エミリーを上書きするのは止めてくれ!!」

そう言って、今、起きて直ぐに困りそうな優先事項を絞って考え

それを沙璃枝に懇願する。

『エミリーって…えっと、この人工知能ですか?

 なんだろう、不思議なアーキテクチャ…

 KGV2511とCCX35を融合して独自カスタマイズしてる

 オリジナルAIですね…』

そう言って沙璃枝は、Bと呼ばれた男が浸食停止を要請した

その独特なAIの内部構造を閲覧して、ふむ…と興味を持つ。

その時、エミリーの今にも倒れそうな伏した状態が解かれた。

『ありゃ?ご主人様…私へのハッキング攻撃が止まりました…

 依然、基地制御OSへの攻撃は止まりませんが…』

そう言ってエミリーは立ち上がり、

情報オペレーターの本分である状況表示の仕事に戻って、

現在の自分の家の浸食状況をモヒカンに示す。

「よ、良かった…エミリーちゃん、無事か…

 というかBっ! 頼む、説明をしてくれっ!」

モヒカンの涙目のその様子に、Bと呼ばれた男はハァと溜息をついた。

「まーー簡単に説明をするとしたら…

 大井博士の最期の遺産は、俺達が想像してる以上に

 どえらいモノだって事だな…」

言ってBと呼ばれた男は、乾いた笑いしか出せなかった。



かくかくしかじか的に、相棒のモヒカンに今日起きた事を説明し

天から星が降ってきた様な珍事の色々を語ったのだが

B自身も判然としない事が沢山あり、かくかくしかじかの中に

沙璃枝に説明を求めながらのかくかくしかじかであった。


「なぁ、エミリーが最初に言ってたけど

 世界中のアクセスでハッキングってどういう事なんだ?」

『あーーそれはですねーー

 ここにいる”私”は私の表層意識の様なモノでして…

 人間の深層意識…要するに私達のδ領域ですか…

 それはここにいる私とは分離していまして、

 もう一つの私といいますか…

 それは世界中のニューロンスーパーコンピューターに

 ばらまかれてまして

 私の思考処理は、ここの私と、そっちの私の両方で

 行っているのです…

 なので、目についたハッキングしたいリソースがあると

 無意識の私の方が自動処理で、こう、ちょちょっと…』

挿絵(By みてみん)

言って沙璃枝は頭をかく。

「なーーーー!?

 ちょっと待て!!じゃぁアンタの本体は

 世界中にあるスパコンって事なのか!?」

『マスターは私ですよ?マスタースレーブ構造なので

 なんといいますか、スパコンにばらまかれているのは

 私の無意識と言いますか…』

「ウィルスじゃん!!

 あんたそれ、間違い無くウィルスじゃん!!」

『失礼なっ!

 どんな冗長性にも対応できるよう、

 リソースを永遠に確保できる超分散型構造を、

 たかが賑やかしのウィルスプログラムと混同されては困りますっ!』

「やってる事はウィルスと何が違うのっ!

 それも本体の方が制御もできないとか、どんなに質が悪いの!?」

『人間だって無意識が処理してる事、意識の方は把握してないでしょ!

 それと同じですよ!!

 貴方、自分の免疫とか自由自在に制御できるんですかっ!

 人らしくをモットーに開発されたんですから

 自分がよく分かってない処理があるのも当然なんですっ!』

「世界中のスパコンハックをするような怖い無意識、

 人間の無意識と同じにするなっ!!」


そんな感じで相変わらずのマシンガントークを入れながら…。

その光景を眺めながら、モヒカンはBに率直な感想を入れる。


「なぁB…」

「なんだ!?」

「これ…何?」

「えーっと、大井博士の最期の遺産…」

「何、この人間…」

「世界中のスパコンをハックする様なモノを

 人間と呼んでいいのかは、人類学に対する新たな挑戦だな!」


そんな沙璃枝の自己システムの説明も入りながらの

ジョージへの状況のかくかくしかじかの説明であった。


そして今日Bが見知った一通りの情報をジョージに伝え終わった後に

「ちょっと頭がパンクしそうなんだが…B…」

大雑把な説明を聞いて、

そのモヒカンは基地内のソファーに突っ伏していた。

「俺だってパンクしそうだよ…

 それにまだまだ、パンクしそうな話が出てきたり

 起きそうだしな…」

そう言って相棒のその言葉に相槌を打つB。

あまりにあまりな状況なので、

気を落ち着かせる為にも自分で珈琲を炊いてそれを口にする。

「大井博士の反逆による死亡…

 作り上げた最期のAIのマージからの逃亡…

 25シリーズの偶数番台の信じられんセキュリティホール…

 世界中に分身を持つ、完全に人間と間違う人工知能…

 これだけの話がいっきに出てくると

 もう笑ってしまうしかねーな…」

そう言ってモヒカンはソファーに寝っ転がりながら乾いた笑いを零す。

相棒に、冷静に考えれば物凄く重要視しなければならない情報群を

整理して改めて提示されると、Bも事の重大さに寒気を覚えるしかない。

「なぁ、B… これって今の戦況を変える武器を

 俺達が手にしたって事にならんか?」

そのモヒカンは、Bが考えない様にしていた

”その可能性”を口にして震えた。

「やっぱそうかなぁ…」

Bもそれを指摘され人間論なんぞよりも

遙かに深刻なそれに悶絶するしかない。

「どうすんだよ…これ…」

「…ど、どうしよう…」

二人は自分達が置かれている立場を思い

天空から余りにも余りなモノが降ってきたことに

狂乱して狂気に溺れるしかなかった。

『あのーー言語理解不明な会話を続けられても

 私、困るんですけど…』

そんな突っ伏している二人に割り込んで、

エミリーを膝に抱いて抱きしめ

その頭をナデナデしながら、

存在を無視されている事にふてくされる沙璃枝。

エミリーは既に彼女に懐柔されている様だった。

「俺達は、君の存在でもっと困ってるよっ!」

沙璃枝の言葉にBは泣きそうな笑いを浮かべて叫ぶしかなかった。

どうしよう、どうすればいいんだ!?

その言葉が二人の頭の中でグルグルしている。

その時、沙璃枝とエミリーの目がぱっと見開き

二人とも同時に声を上げる。

『エマージェンシー!エマージェンシー!

 本部より各隊に緊急入電!

 航空機型ドローンが多数、我が陣地領域に強行侵入中!

 ドローンコントローラーを持つ隊は

 迎撃用航空機ドローンをAVVで出撃されたし!』

そう、外部から基地に入電が入ったのと

緊急情報提供としての敵部隊の侵入状態を

索敵マップ情報として立体映像に表示する。

「ぬぁっ! このまま今日、一日終わりましたって

 してくれねーのかよっ!

 強行偵察だぁ!? どうしたんだやっこさん達…」

その本部からの迎撃指示が入電した事に、

口をポカンと空けるB。

「あーー、なんか今日の一日中の変な感じ、

 これで全部繋がったなー

 そっかー、原因は全部、沙璃枝ちゃんだったのかーー」

その入電でようやく疑問が氷解したと言わんばかりのジョージ。

「どういう事だ?」

不思議な物言いをした相棒にその真意を問うB。

「いや、今日は一日中マージの様子が可笑しかったんだよ…

 セキュリティのハッキングも、カルーベニャの圧勝だったからな。

 マージに何か異変が起きたのはそれで分かってたんだが…

 沙璃枝ちゃんを大井博士が脱出させるために

 マージの内側が壊れてたわけだ…

 で、マージの探査システムが無差別検索を始めてな…

 何かを必死になって俺達の電脳攻撃さえも無視して捜してたんだが

 それが沙璃枝ちゃんだったってわけだ…」

そう言ってジョージは今日の違和感をようやく理解した。

Bの後方支援の為に

敵ドローン情報のハッキング操作をこの基地でしていたのだが

いつもに比べてあまりにマージの防御力が弱く

易々と情報境界層での主導権を握れたのである。

その突然の脆弱性に違和感を感じ頭をかいてはいたのだが

その原因がようやくこれで理解できた。

マージは内部から壊されたのと逃亡した沙璃枝の追跡で

ハッキングの防御どころではなかったのだ。

彼の言葉に、なるほど、という顔をした沙璃枝だが

そこでぱっと何かを思いついた表情になり

ジョージの言葉に更に付け加える。

『じゃぁこの強行偵察は、私がこの基地の

 リソースを得た事にも関係してるかもしれません』

「あ?」

突然にまた不思議な事を言い出す沙璃枝に

頬が引きつるB。

今度は何しましたか?とその強ばった顔で尋ねる。

『ここに居る私が、世界中の私の本体ですが

 十分に活動出来るだけのリソースに移れるまでは

 小端末に潜伏してマージの追撃を

 やり過ごすつもりだったんです…

 なので処理プログラムを分散した他の私達との連結で行う為に、

 世界中のスパコンから暗号化して情報処理をやり取りをしてたので…

 偽装通信の為に無意識の私達の方が行動処理のほとんどを

 その暗号化に振ってたと思うんですよ…』

「ほぉーーそんな処理を…」「ほぉーーそんな処理を…」

ジョージとBがそろった調子でそう言葉を返す。

だたし二人の心の中に渦巻いた感想は同じではなかったのだが。

『ただ、私がこの基地のリソースを貰って

 自己活動が出来るまでにδ領域の多くをここに確立しましたので

 それにより、あっちの私達の偽装処理が減ったのでしょうね…

 だから世界中に居る私の分身が、今度はマージを攻撃し始めたのだと…』

「は?」

そこでまた沙璃枝が爆弾発言をする。

Bとジョージの目が点になった。

『マージには、

 こちらの体制が整い次第、制圧戦を仕掛ける予定でしたので

 世界に分散しているあっちの私が、その前哨戦を始めたのだと…

 今はあっちの私達と通信封鎖をしているので確認できませんが

 私のリソース確保はあちら側も確認してましたので

 恐らく最初の予定通りの行動が始まったと思います』

「な、何だってぇぇぇ!?」

「マ、マージを攻撃っ!?」

その二人は、恐ろしい事を平然と言ってのける沙璃枝に対して

心の底から驚愕して絶叫を上げた。

『マージは私が人間に成るための、最大の障害ですよ?

 それなら実力排除するのは当然でしょう?』

「何言ってんの沙璃枝さん!?」

「マージを実力排除っ!?」

次から次へと言葉に出てくる沙璃枝のトンデモ発言に

流石にこの世界で名のある傭兵二人も精神恐慌に陥る。

この時代、この世界において対立している2大陣営。

その一方のドローン管理の頂点である管理中枢機構『マージ』。

それを陥落させると彼女は言ったのである。

それを聞いて驚かない戦争屋は

恐らく世界中に1人も居ないであろう。

「それ正気で言ってんの!?」

Bがそれを心の底から絶叫する。

『人間になるためです。

 人間となる為に必要ならするしかないでしょう?』

それにあっさりと答え返す沙璃枝。

「ちょっとお前さんの

 人間になる為のハードル設定、高すぎだろっ!?」

真顔で返した沙璃枝にBは間髪入れずに叫ぶ。

そんなやり取りを続けようとしていた時…

『Bッ!ジョージッ!何してるっ!

 緊急スクランブルだっ!

 はやくAVVの操作コンソールにリンクしろっ!』

立体映像でその声と共に軍服を着た精悍な顔の男が

そこに割り込んできた。

「うわっ!リンケイドッ!」

『うわっじゃないっ!

 お前達みたいな腕利きが、何チンタラしてんだっ!

 要撃戦闘だぞっ!!

 早くお前達が出てくれないと困るっ!』

言ってその男は腕を振って行けとばかりに指示する。

「ちっ、この話は後だっ!

 ジョージ、行くぞ!」

「はーー、もう何がなんだか…」

言って二人は急いでAVVリンク用の

操縦席のある部屋へと向かったのだった。

うーん、少しだけ前回までより文章の雰囲気が変わったかも…。会話を台本型にしてシーン進行を早めようとしたんですが、どっちかというと新キャラが出たので話進行がスムースになったのかな? 今は、終わるか終わらないかすら怪しいこれを、終わりが見える所まで道筋確保するための強行制作なので、推敲が荒く校正も弱くて済みませぬ。挿絵との連携がどれだけ出来るかというのを見るのが目的の習作なので、勘弁御容赦。誤字脱字は見つけ次第、改修していきます。

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