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天白家の日常

作者: るーるー

ノリでかきました

 


 下校の時間を告げるチャイムがなる教室。そこで僕はカバンに教科書を無理やり押し込んでいた。周りにはすでに人の姿はなく教室には僕一人さ。

 明日はみんな大好き金曜日。

 それは何故か? 次の日が休みだからだ。バイトするもよし、勉強するもよし、遊びにいくもいいだろう。だって僕ら学生じゃん? 学生様ですよ? 学生なんだよ!悪いか!

 んん、失礼。つまりなにが言いたいかというと青春したいわけだよ。

 僕? 僕のことはそうだな、常識人Aと読んでくれ。


「使郎、今日は部活に行くの?」


 ……すいません、僕の名前は使郎といいます。決して常識人Aではありません。

 そう僕に声をかけてきたのはやたらと寝癖がついたままの感情がこれっぽっちも浮かんでいない無表情の天白 然(あましろ しかり)だ。


「もちろん、僕は部活にいくよ! 何せ一般代表だからね!」

「そう、部活に入ってないのに部活に行くなんて使郎は偉いわね」

「帰宅部だよ! 悪いかよ! 帰宅部のエースだよ!」


 どうせ僕は帰宅部さ、しかもエース! 帰る時間をいかに縮めるかを探求するのがエースの指名! 今日も僕は世界を縮める!


「いえ、悪くないわ。私はリア充して帰るから一人寂しく悲しげに最速を目指して帰ってね。あ、あと悲しげな表情を浮かべるなら写メで送っておいてね」


 無表情の中にも何故か微妙に勝ち誇ったような表情を浮かべる然、何故かイラつく。


「然はなにするんだよ! リア充様はよ!」

「一人でプリクラとるわ」

「どこにリア充要素あるの⁉︎」



 むしろ悲しくなってきたわ! 他人事だけど涙が出るよ。


「もう少しでノートがいっぱいになるわ」

「ちょっと待て、そんなに撮ってるのか⁉︎」


 誇らしげな顔をしてカバンから取り出したノートをこちらに渡してきた。受け取ったノートを開く。


「うわぁ」


 思わず声がでた。なぜって? 開いたノートには隙間がないくらいにプリクラが貼られまくっていたからだ。ここまでくると狂気を感じる。


「あと今日はゲームセンターに寄るわ」

「……なにするんだよ」

「今日はスーパー○リオで50人抜きするまで帰らないわ」

「待って! まだ稼働してるの⁉︎ というかそんなにまだする人いるの⁉︎ あと格ゲーじゃないよね!」


 むしろどこにあるか聞きたい。


「我が覇道を邪魔するというの?」

「お願いだから僕の話を聞いてくれぇぇぇぇ!」


 僕の叫びが響く。おかしい、僕がおかしなやつみたいじゃないか。


「使郎がおかしいのはいつものことよ。いつも止める私の見にもなってほしい」


 何故かため息を混じりに言われた。解せん。


「おい、どの口が言う。この口か」


 無表情のまま毒を撒き散らす然の頬を掴み左右に伸ばす。然の頬がおもしろいように形を変える。おお、やわらかい。


「使郎」

「な、なんだよ」


 頬を触っていた手を然はパチンと払いのけると僕の目をジーと見つめてくる。こ、これはまさか……


「然、まさか俺のこと……」

「私のリア充に嫉妬してるの?」

「どこに嫉妬する要素があるんだよ!」


 いい雰囲気だと思ったのが間違いだった! こいつはリア充という意味をわかっていないよな⁉︎


「そうね、使郎にはまだ早かったわね。でも仕方ないわ、私だけ大人の階段を四段くらいとばしながら駆け上がるわ」


 四段ってすげえな。普通は二段とかじゃないだろうか。


「ちなみにどうやって階段登るんだよ?」


 どうせこいつのことだからエスカレーターとかほざくんだろうな。


「駅前でよく私に『お嬢ちゃんいくら?』って聞いてくる人に……」

「絶対についてくなよ⁉︎」


 この子なにやってんの!


「『私は一億ドルの女よ』って言い放つわ」

「……お前にそんな価値はねえよ」


 なんだか疲れてきたよ。


「なに言ってるの? 価値をつけるのはおじさんではないわ、わたしよ?」


 言ってることはかっこいいんだけどな〜

 天国のお父さんお母さん、今日も然は元気に自己中やってます。


 ヴヴヴヴ


 小さな振動音が鳴り響いた。


「おい、お前の携帯なってるぞ」

「LINEみたいね」


 然がスカートのポケットからスマートフォンを取り出し画面をみることなくこちらに向かい放り投げた。

 こいつは機械に致命的なくらい弱いからな。


「然、パスワードは?」

「円周率よ」

「円周率なら3だろ? パスワードは4桁のはずだ」

「3.14159 26535 89793 23846 26433 83279 50288 …」

「まて! 長いからな⁉︎」


 結局パスワードは然の誕生10月11日《1011》だった。まぎらわしい。


「なんでスマートフォン開くだけでこんなに時間がかかるんだよ」

「使朗が覚えてないからよ」


 普通は番号、いやパスワードくらいいれれるだろ。いややり方がわからないならばロックをかけるな。

 ため息を付きながらもスマートフォンを操作しラインを開く。


「父さんからだな」


 とりあえずスマートフォンを然に返す。然は慣れない手つきでスマートフォン」を操作し内容を読んでいるようだ。



『然、使郎、このLINEを見ている頃にはお父さんとお母さんはもうこの世にはいないたろう』

「お父さん! お母さん!」

「このLINE送ってきてる時点でまだ生きてるからな。というかあの二人は殺してもしなないから」


『というのは冗談だが家にはいないのは本当だ。なぜならステーキハウスの食べ放題が二人分! 二人分当たったからだ。許せ、父と母は。松坂牛の魅力には勝てなかったんだ』


「僕らも連れて行けよ⁉」


 子供より食欲か、というか自分たちだけで行くとか。

 でうかしてるよ。うちの両親。


『というかわけで夕食はない。だな案ずるな、テーブルの上に500円置いておいた。2人でお腹一杯になるまで食べるがいい』


「いや、2人で500円は無理だろう」


 2人で500円なんて食べるものないじゃないか。


「そうね。せめて1000円はないと私が9、使郎が1。これがいわゆるWinWinの関係」

「お前だけだよ! 良い思いしてるじゃないか!」

「500円でも9:1よ? そこは譲らないわ」

「尚のことたちがわりいよ」


 500円で9:1なら僕には50円しか手元に残らないじゃないか。


「というか50円でなにが食べれるんだよ……」


 然は首を傾げ、


「……うま○棒?」

「腹膨れねぇよ!」

「とりあえず、サラダ味を買うことを勧めるわ。野菜は大事よ?」

「うま○棒の時点でお菓子だよ! 栄養価はない! あるのはカロリーだけだ!」

「ところで使郎」


 唐突に然が言葉を遮った。


「なんだよ」

「わたし財布忘れたからお金貸してほしいんだけど」

「お前、プリクラとかゲームセンターいくんじゃなかったのかよ」

「そこは使郎の財布目当てよ。お前の物は俺の物、俺の物は俺の物」

「ただのジャイ○ン!」

「オーココロノトモヨー」

「棒読みだ! しかも僕らは兄妹だ!」


 なんて心のこもってない台詞だ。


「僕もそんなにお金は持ってないよ」


 財布の中には300円しか入ってないし。晩御飯をたべるためには家の500円を手に入れなければならない。


「なら仕方ないわね」


 然がふぅ、と小さくため息をついた。わかってくれてかマイシスターよ。


「290円で手をうつわ」

「10円じゃうま○棒も買えねえよ!」


 然がこちらに出してきた手を叩き落とす。本当に容赦ねえ妹だ。


「冗談よ。ところで使郎、私帰りたいんだけど」

「帰ればいいだろ?」


 わざわざ僕に宣言しなくても家は逃げないだろ?


「鍵を貸して欲しいの。今日は家に忘れてきたわ」

「ああ、なるほどな」


 そういうことなら貸してやろう。そして兄の偉大さを噛み締めるがい……い……


「……僕も鍵を忘れたみたいだ」

「使えないお兄様ね」


 ヴヴヴヴ


 再び然が持つ携帯が震える。然が今度は自分でロックを外し、携帯を眺め、しばらくすると携帯が手から滑り落ちた。


「おい!」


 慌てて床に落ちる前に受け止めた僕の目に入ってきたLINEの内容は、


『追伸、パパ、ママはたまにはハッスルしたいので今日は帰るのは0時ごろだと思います』


 それを見た僕は同様立ち尽くしたのだ立った。


「……帰るか」

「……そうね。補導されなきゃいいけど」


 こうして2人で家に帰り玄関前で座って待つこと5時間。塾から帰ってきた末っ子に鍵を開けて貰うまで僕ら2人はぐったりしていた。


 天白家は今日もいつも通り平和です。

ノリで書いて後悔しました。

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