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超能力高校生はパフェがお好き  作者: まんぼう
第3章 デートクラブにご用心
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いきなりですか!

土日を利用して行われた文化祭も何の問題も無く終了し、鈴和と康子は部長から、

「いや~さすが我が歴史研が誇る美女2人、凄い集客力だったね。去年の10倍来客があったからねえ。大成功だよ」

そう言って褒められた。

そして、貰ったのがファミレスの金券で額面1000円の金券だった。

鈴和は「これでパフェと飲み物は確保出来るわね」

そう思って有りがたく受け取った。

康子はもう少し良いものが貰えると思って居たらしく、やや不満気である。

「康子、これで我慢しなさいよ。去年だったら緑茶のペットボトル1本だったんだから、それに比べれば良い方よ」

そう鈴和が言うのを受けて康子は

「それは判ってるけどさ、2日も頑張ったのにさ……」

「そのうち良いことあるさ」

しょげている康子を励ます鈴和だった。


翌週はサツキの通う西高の文化祭だ。

ウチ合わせのため、何時ものファミレスで待ち合わせた。

「ほら、早速役に立ったでしょう」

そう言って鈴和は笑ったのだった。

何時も通りパフェを頼んで、コーヒーを飲みながらサツキと美樹が来るのを待った。


やがて美樹が私服でやって来た。

帰宅部の美樹は早々と学校を後にしていたからだ。

「ふたりともご苦労様! コスプレで客引き大変だったね」

美樹はそう言いながら笑って鈴和の向かいに座った。

「まあ、いい経験になったわよ。ね康子」

鈴和はそう言って康子に向けると康子は

「来年はやりたく無いなぁ」

そう言うと鈴和が

「大丈夫来年も1年生にやらせれば良いから」

「そうか!そうだね!」

そう言って笑ったが美樹はそれを聴いて

『来年の1年生が二人より器量の悪い子だったらどうするのだろう?』と思うのだった。


それから暫くしてサツキがやって来た。

何だかひどく疲れているようだ。

「どうしたの?」

鈴和が訊くとサツキは

「うん、ちょっと学校で大変な事が起きてね。それで遅くなってしまったの!」

「大変な事? ってなあに?」

康子が興味深そうに尋ねるとサツキは

「あのね、例の『現代経済研究会』の娘なんだけど、2名ほど行方不明になってしまったの」

「行方不明!!」

三人が揃って口を開く。

「ちょっと、それどういう事なの? 何か事件でもあって、行方不明になったの?」

鈴和が興奮してサツキを問い詰める。

「ちょっと落ち着いて…‥ね、頼むからさ」

そう云われて鈴和は自分が思いがけなく熱くなっているのに気がついた。

「あ、ああ、そうね」

落ち着いた鈴和にサツキは順を追って話し出した。


「実は、ウチも来週文化祭だから、各部活は結構追い込みに掛かっているのよね。

それで、『現代経済研究会』も表向きの研究発表なんかはちゃんと、やっていたみたいなの」

それを聴いて康子が「表向きと言うと裏もある訳?」

そう訊くとサツキは

「そこが、中々尻尾を出さなかったのだけど、『現代経済研究会』はもう一つ出店を申請していたそうなの」

それを聴いた今まで黙っていた美樹は

「その別な出店が怪しいの? でもいくら何でも学校の公式行事の文化祭で変な事やるとは思わないけどな私は……」

そう言うとサツキは判ってるとばかりに

「そうよ。学祭でそんな事はしないけど、アンケートなんかは採るでしょう?」

「アンケート?それがもう一つの申請なの?」

今度は鈴和が訊き直した。

「そうよ!アンケートと言っても色々なアンケートを採るのよ。その中に怪しいアンケートがあると思っていたのよ」

そこまで言うとサツキはパフェを口に運びながら

「そうしたら、今日になって、アンケート係の娘が二人消えちゃったのよ」

そう言うのだった。


「学校で消えたの?」

鈴和が訊くとサツキは

「そう、それもアンケート用紙と一緒にね」

そう言い切ったのだ。

鈴和は「そのアンケートをサツキは見たの?」

そう訊くとサツキは

「一枚くすねてここに持って来たわよ」

そう言って一枚のA4の紙をテーブルに置いた。


三人はそれを読んで行く、と康子が

「別におかしい処は無いと思うけどな」

それを聴いた美樹は

「ヤス、何言ってるの! ここが明らかにおかしいでしょう」

そう言って指を指した箇所には

「今後、新たな調査が必要になった場合ですが、ふたたびアンケートにご協力願えるでしょうか? その節は薄謝をご用意させて戴きます」

と書いてあり、下に

「良ければメールアドレスを御記入下さい。捨てメアドでも結構です」

そう書いてあった。

康子はそれを読んでも

「最近のアンケートってこういうの多いよ」

そう平然と言ってパフェを食べている。


既に全部食べてしまって手持ち無沙汰の鈴和は

「でも高校のアンケートじゃ無いみたいだよね」

そう言ってサツキを見る。サツキはそれに答える様に

「私は、明らかにこの事が原因でさらわれたか、あるいは別世界に移動させられたのか?だと思う」

そこまで聴いて美樹が

「じゃあ、そこにメアドを書いた人物がいて、そのメアドは実は危ないメアドだったとか?」

そう言ったのだが、今度は康子が

「文化祭より前にそのアンケートはやっていたの?」

そうサツキに訊くとサツキは

「私も転入したてで判らなかったのだけど、『現代経済研究会』は年中街中でもアンケートを採っていたそうなの。きっとお客を釣る為だと私は睨んだのだけどね」

言いながら、パフェを全て食べてしまった。

「じゃあアンケートを隠れ蓑にして、売春だか何だかのお客を捕まえていたと言う訳か」

鈴和がまとめて言うと

「そこでね、これからでもいいから、着替えて私と一緒に西高に来て欲しいのよ三人に……」

「着替え?何に?」

そう康子が訊くとサツキはガラガラと引いて来たスーツケースから三着の西高の制服を取り出した。

「それって……手回しが良いと思っ……そうか組織に言ったんだ!」

鈴和の問にサツキは悪びれもせず

「そう言う事、お願いよ……ね!」

「仕方ない……でも私は良いけど、康子と美樹には危ない真似させないでよ」

そう言いつけるとサツキは

「それは絶対大丈夫だから」

そう言って笑うのだった。


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