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超能力高校生はパフェがお好き  作者: まんぼう
第3章 デートクラブにご用心
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サツキの依頼

2学期が既に始まっていた。

鈴和は康子と美樹と3人でファミレスでパフェを学校の帰りに食べていた。

「あんた達、学祭の準備とかしなくて良いの?」

美樹が半分呆れながら言う。なぜならもう3日も続けて、学校帰りにここに寄っているのだからだ。

「大丈夫!私ら1年なんて当日の案内役だけだから。むしろ資料作りの邪魔になるって」

康子がそう言いながら大きめにカットされた苺を口の中に入れた。

鈴和は何故か、外の様子を気にしている。

やがて、その顔が明るくなった。

そして手をあげて振る。

美樹はその鈴和の視線の先を見て驚いた。

「あ、浅野さん!?」

そう、鈴和が待っていたのは、浅野さんことサツキだった。

サツキは表から三人の姿を見つけると、中に入って来た。

「御免なさい。HRが終わらなくて」

そう言って空いてる席に腰掛けて、驚いて口をパクパクしている美樹に向かって

「美樹、今まで色々と御免ね。私今度鈴和達の組織の一員になったの。それで同じ高校じゃ不味いと言う事で隣の西校に転入したんだ。それで名前は、浅野サツキ。宜しくね」

そう一気に言い切ってしまった。

「あ、ああそうなんだ……ちっとも知らなかったから……」

未だ動揺が隠せない美樹は返事もしどろもどろである。

「本当に御免ね。だからこれからも仲良くしてね」

そう言って右手を指しだした。

美樹も右手を出して仲よく握手をする。

「あたしも苺パフェで」

サツキも同じものを注文をする。

「驚いたでしょう美樹、浅野さん私らの仲間になったんだよ」

そう嬉しそうに言うのは康子だ。

「ちょっと康子、あんた組織に入って無いでしょう!?」

そう窘める鈴和に康子は

「そう硬い事言わないの!」

そう言って笑ってる。

美樹は、やっと事情が飲み込めた様で

「そうかぁ西高か、隣なら年中会えるね」

そう言って赤外線でアドレスを交換した。


暫くは馬鹿な話で盛りがっていたが、やがて鈴和が

「サツキ、何か用事があったんじゃ無いの?」

そう聴くと、サツキは座り心地の悪い顔をして

「うん、実は協力して欲しい事があって、ここに来たんだ」

そうサツキが言うと鈴和は

「だと思った。一昨日と昨日はその事で来れなかったんでしょう?」

そう訊くとサツキは嬉しそうな顔をして

「そうなんだ。本当は一昨日あたりに頼もうと思っていたのだけれどね」

運ばれて来た苺パフェを口に運びながらサツキは話始めた……


「実はね、あたしが今度編入した西高だけど、どうも変なサークルがあるんだ」

「変なサークル?」

三人が同時に訊き返すとサツキは

「うん、表向きは『現代経済研究会』とか固そうな名前なんだけど、どうも怪しいのよね」

「どう怪しいの?」

鈴和が訊き返すとサツキは

「これは、あたしの感なんだけど、恐らく売春組織だと思うの!」

「ば・い・しゅ・ん?」

あまりの事に三人の口調が同じになってしまった。

「まあ、あたしの感なんだけど、同じ女として、その会に入っている娘達がなんか変なんだよね。よしんば売春でなくても、なんか非合法な事をやるサークルだと思うんだよね」

そう言うサツキの言葉に鈴和は

「じゃあ、前のヒロポンとか」

「それは無い。あの学校にはやらなかったから」

そうハッキリとサツキが言うので鈴和は

「じゃあ、調べて、売春だったら組織に連絡する、と言う事でどう?」

そう言ったのだが、美樹と康子は

「調べるって、わたし達になんか出来る事なんかあるの?」

そう訊くのが関の山だった。

「大丈夫!危ない事はさせないから」

サツキと鈴和が不気味に笑いながら言うのだった。


「じゃあ具体的にどうするのよ」

そう康子が訊くとサツキは

「文化祭に来て貰って、『現代経済研究会』に行くのよ。それで色々と根堀り葉堀り訊いて貰うの……どうそれだけだったら安全でしょう」

そう言って二人を納得させた。

鈴和は「文化祭か、西高は何時?」

そう言ってサツキに訊くとサツキは

「あんたの学校の次の週だよ」

「じゃあ、遠慮なく乗り込めるわね」

そう言って笑いながら鈴和は話していたが、それは事件のほんの入口にさえ差し掛かっていなかったのだ。


「神城先輩には言わなくて良いんですか?」

康子が心配そうに言うと鈴和もサツキも笑いながら

「他所の学校の文化祭に行くだけだから、全く問題無いでしょう」

そう言うのだが、康子は何だか薄っすらとした不安が心を支配していた。

「大丈夫なのかな……」

小さく誰にも聞こえない声で呟いていたので、誰も康子の不安を心配する者はいなかったのだった。


鈴和達の学校の文化祭が9月の中旬に行われた。

康子も鈴和も1年生の女子は、メイドの格好をさせられ、廊下を歩いている人間を呼び込む役目をしていた。

「歴史研究会」の真面目な研究の発表など、誰も好んで聞きに来るハズが無い。

だから女子部員、それも1年生にメイドのコスプレをさせ、色気仕掛けで呼び込む作戦なのだ。

「いらっしゃい!いらっしゃいませ~」

黄色い声をあげて、鈴和と康子が呼び込んで居る。

1年女子は実はこの二人だけだつたのだ。

それでも、美人のほまれ高い鈴和目当てで何人かの男どもが餌食になった。

康子も鈴和と比べると自分は自信が無いと言うが、実は中々の器量でこちらもかなりの数を仕留めていた。

「まあ、これだけ集めれば成功でしょう」

「そうね。鈴和ほどじゃ無いけど、大分集まったしね」

二人はそう言って笑いあっていた。

来週の事など歯牙にも掛けていない感じだった……


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