0話 〜はじまり〜
春一番の吹く街の河原を制服を着て歩いていました。
桜の蕾は少しづつ膨らみはじめてまだ咲くのは新たな1歩を踏み出した頃かなって思います。
私はみうみって言います。
高校3年生の18歳です。
幼い頃から旅行が好きな親に連れられ
日本全国を旅することが多く、旅行が好きなのかな?って思います。
好きな教科は地理と日本史と音楽で、
苦手な教科は物理です。
好きな食べ物は麺類、海鮮、お肉…
他にもたくさんあって1番なんて選べません。
部活動は中学、高校共に美術部に所属していました。
毎日友人や先生方、スケッチブックや絵の具たちに囲まれて、充実した毎日を過ごしています。
もうすぐ卒業式を迎えるため、
高校生活もラストスパートとなりました。
卒業してから私の進路が気になる方もいると思いますので、聞いてください。私の思いを……
今から約半年前、みんなが進路を考えてる頃
周りは大学行くとか就職するとか専門学校行くとか言っていますが、私には誰にも言えない いや言っても応援してくれないだろうと思う夢があります。
それは日本全国を旅したい
もっと日本の良い所を知りたいという事です。
答えが出せないまま月日が流れ、
とある日、ゆいなお姉ちゃんが帰省した時に相談してみました。
「お姉ちゃん……わたし、迷ってることがあるんだ」
「……もしかして卒業後のことでしょ?」
何かを察するように、お姉ちゃんには気づかれていたみたいです。
「もうそろそろ進学とか就職とか決める時期なのに、連絡も何もないから心配してたんだよー!」
「お姉ちゃん、ごめんね。何も伝えられてなくて……」
「全然気にしなくていいよ。とりあえず順番に整理していこうか!みうみは今何がやりたい?」
「えっと、絵を描くことかな?」
「その絵を描くためには、何をすれば良いと思う?」
「美術系の学校に行くか、サークルで描くか、個人で描くかな?」
「その割合ってどれくらい?」
「2〜3割くらい」
「であれば、優先度は低いね!」
お姉ちゃんの質問はまだまだ続きます。
「他にやりたいことは?」
「……」
「やりたい事あるんでしょ?」
「……実はね、日本全国を旅したいんだ!……」
お姉ちゃんは、何かを感じたように、一呼吸置きました。
「ちゃんとした夢あるじゃん!私は、旅行好きじゃないから言ってくれなかったの?」
「そうじゃないよ〜!お父さんとお母さんにも言ってないから〜」
「私は、旅行好きじゃないから、力になるのは難しいかも?」
「お姉ちゃんは気にしなくていいよ」
お姉ちゃんとわたしは笑い合っていました。
「言えたところで、本題に戻るけど、
やりたいことを踏まえた上で、どちらが良いと思ってる?」
「えっと……決められないよ」
「もしも、みうみが就職した場合、会社によるけれども、平日は働いて、土日に旅行に行くとしたら、混雑する可能性が高いし、社会人は想像以上に大変だから、覚悟が必要だよ!」
「ちなみに、進学したらどうなるの?」
「進学したら、授業やサークルやアルバイトで忙しくなるけれども、さまざまなことは学べるよ!唯一の難点は、働くよりも時間はあるけど、節約旅になる可能性は高いかな?」
「ちなみに、お姉ちゃんは、どのように決めたの?」
「私は、やりたいことがあったから、迷わず大学に行くって決めたよ!」
「やりたいこと‥…お姉ちゃん、わたし大学に行く」
「やっと決められたね!次は、志望校を何処にするかだね!」
あれから数時間、お姉ちゃんと語り合い
やっと志望校が決まりました。
帰り際に、
「1人で抱えたらダメだよ!何かつまづいたらいつでも連絡してね」
相変わらずお姉ちゃんらしいなと思いました。
無事に進学先も決まり、寝室の片隅からスケッチブックを取り出しました。
「これって、何年前のものだっけ?」
何冊か積み重なっている中から、とあるページを開きました。
そこに描かれていたのは‥‥
薄い鉛筆で描かれた1枚のスケッチが見えました。
ここにあるスケッチブックの絵は、自分で描いたはずなのに、どこだったっけ?
海なのか?山なのか?も分からず、机の1番手前に置きました。
「どうして思い出せないんだろう……」
この日から、スケッチブックを少しでも思い出せるように、机の上に飾りました。
そして時は過ぎ、
先日、高等学校を卒業しました。
もう一度制服を着たくなって、
夢の国へ向かう人たちを見送りながら、
3月下旬の今日、自宅近くの桜並木のある河原へ来ています。
桜の木は蕾をつけていてもうすぐ春が来るのかなと感じています。
これから一緒に旅するスーツケースと新品のスケッチブックも、持って来てしまいました。
「絶対に思い出すからね‥‥」
4月からは大学生として、学びながら
日本全国を旅することをこころに誓いました。




