表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法戦争  作者: ははんぽ
25/25

最終話.創魔終焉 ―そして、始まりへ

紅蓮の空。

 崩壊寸前の世界の中心に、二つの光が対峙していた。


 一方は、全てを統べる理事長――その正体は世界の根幹に干渉する「創造神アーク=ディアス」。

 もう一方は、世界を何度も救い、何度も失い、それでも立ち上がったただの教師――スチュワード・レオン。


 天を裂く光の奔流がぶつかるたびに、世界の法則がねじ曲がり、時空が悲鳴を上げた。

 時間は千年単位で膨張と収縮を繰り返し、現実と幻想の境界が消えていく。


 「――レオン。貴様はなぜ理解しない。

  世界は“滅び”によって再構築される。

  成長は苦痛の上にのみ成立する。

  私は、その理に従っているだけだ。」


 理事長――神の声は冷たく、全知を名乗るに相応しい響きを持っていた。


 だが、レオンは微笑んだ。

 かつての穏やかな教師の笑みで。


 「……お前の言う“理”に、涙を流す子どもはいるのか?」


 神の眉が動く。


 「俺は教師だ。

  子どもたちの可能性を“痛み”で閉ざすことはしない。

  ――未来は、信じる力でこそ開くんだ。」


 次の瞬間、レオンの魔力が爆発した。

 世界の基盤そのものが震え、空が七色に砕け散る。


 「全構築式展開――《無限術理エターナル・アーク》!」


 炎が竜となり、雷が剣となり、氷が翼を生やす。

 すべての属性魔法が融合し、“原初の魔法”として形を成した。

 それはかつて神々ですら扱えなかった概念――存在改変魔法。


 アーク=ディアスが叫ぶ。

 「貴様……人の身で“根源魔法”に触れたか!」


 「……俺は、もう“人”じゃないさ。」

 レオンの背後に、無数の光が現れた。

 それは、かつての教え子たち――レン、リアム、そして名もなき生徒たちの魂。


 彼らの意志が一つに溶け合い、レオンの体に宿る。

 教師と生徒、魂の絆が“真の魔導師”を形作っていく。


 「――《魔導極式・創世還理ジェネシス・リライト》!!!」


 天地が反転した。

 神の力が押し返され、創造の光が闇に呑まれる。

 空が崩壊し、世界そのものが一瞬“無”になる。


 だが、無の中から新たな光が生まれた。

 レンの声が響く。

 『先生、もう……十分です。』


 リアムの声も重なる。

 『あなたが繋いだ光は、俺たちが受け継ぐ。』


 レオンは静かに笑った。

 「……そうか。なら、これでいい。」


 彼は両手を天に掲げる。

 指先から放たれた光が、崩壊した世界の欠片を一つひとつ再構築していく。

 大地、海、風、空――新たな秩序が生まれていく。


 その中心で、レオンの身体が徐々に透けていく。


 「先生――!」

 レンとリアムの声が響くが、レオンは微笑んで首を振る。


 「俺は……お前たちに、未来を託した。

  もう十分だ。教師として、これ以上の幸せはない。」


 最後の瞬間、彼は空に手を伸ばす。


 「ありがとう。……生徒たち。」


 その声と共に、レオンの身体は光となって消えた。

 残されたのは、静かな風と、新しい朝日だけだった。



―そして、千年後。


 人々は再び魔法を学び、世界は平和を取り戻していた。

 魔法学校の中央塔には、一つの銘が刻まれている。


 > 『魔導師スチュワード・レオン。

 >  彼は世界を導き、再び創った。

 >  その教え、今も続く。』


 空には、虹のような魔力の流れが残っている。

 それはまるで――教師が今も、生徒たちを見守っているかのように。   《終》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ