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偽物の恋人  作者: あおき華


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3/15

ep.3

 ソフィーはブライベリー伯爵邸を訪ねていた。2つ年上の友人ヴィクトリアの出産祝いだ。


「うわぁ。なんて可愛いの!ほらこの小さい手足!あ、笑ったわ!」

「ソフィー、抱っこしてあげて」

「いいの?」

「ええもちろんよ。私の大親友だもの」


 ソフィーは恐る恐る小さな赤ん坊を抱っこした。温かくて柔らかい。


「ふぅ、可愛すぎて攫いたくなるわ」

「だめよ」


 ヴィクトリアが笑う。


「私がソフィーおばさんよ。これからよろしくね、未来の伯爵様」


 赤ん坊のオリバーは一生懸命手を動かしている。


 ドアがノックされる。


「ヴィクトリア、入っていいかい?」

「ええ」


 ヴィクトリアの夫、ダニエルが入ってくる。


「やあソフィー、来ているって聞いて」

「こんにちはダニエル。本当におめでとう!オリバーはハンサムな赤ちゃんだわ」


 ダニエルが手を伸ばし赤ん坊を引き受ける。


「ありがとう」


 ダニエルは愛しそうに小さな息子の頭をなでた。


「おめでとうと言えば、ソフィーの方もじゃないかな?婚約したんだって?」

「え?そうなのソフィー!おめでとう!どうして早く教えてくれなかったの!相手はどなたなの?」

 ヴィクトリアは興奮している。


 ソフィーは当惑した。


「婚約なんてしてないわ」

「え?本当に?」

「ええ」


「ダニエル、誰から聞いたの?」


 ヴィクトリアが尋ねる。


「クラブにいた男だよ」

「相手は誰だと言ってたの?」

「たしか、ジョン・スミスと耳にしたけど。詳しくは聞いてないよ」


 ヴィクトリアがソフィーを見る。


「知らないわ」


 ソフィーは首を横に振った。


 部屋がシンと静まり返る。


「ソフィー、何だかスッキリしないわね?」

「きっと誰かが別人と誤解したのよ」



 しばらくヴィクトリア達と時間を過ごした後、ソフィーは屋敷を出た。


 ヴィクトリアとダニエルは仲のいい夫婦だ。

 2人の仲睦まじい様子。かわいい子供。

 ソフィーは結婚への憧れを膨らませていった。

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