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偽物の恋人  作者: あお卵
1/15

ep.1


「そろそろソフィーも17か。いい結婚相手を見つけんとなぁ」


 ソフィーの父は新聞を読みながら突然口を開いた。きっと誰かの結婚記事が載っていたのだろう。


 ソフィーは下を向いた。手に持った朝食のパンをちぎって食べる。何処となく気恥ずかしい。


「わしは内気なソフィーが心配でなあ。おい、エリック、お前誰かいい男を知らんのか?」


 父は口ひげを触りながらエリックに尋ねた。

 

 エリックは顔を上げた。いつも通りの無表情だ。 

 ソフィーの兄エリックは陸軍に所属していて男性の知り合いは多い。


「ソフィーは結婚したいのかい?」


 ソフィーは恋愛小説が大好きだった。それに既に結婚している友達もいる。ソフィーも続きたかった。


「私もヴィクトリアみたいに幸せな結婚がしたいわ」


 友達のヴィクトリアには最近男の子が産まれた。


「娘の相手は私が考えてあります」


 母があくびを手で隠しながら居間に入って来た。


 ソフィーは顔を引きつらせた。エリックは僅かに眉を寄せている。


「みなさんお早いこと」

「聞いてないぞ」

「言ってないもの」

「どうせお前の連れてくる見合相手は金持ちの年寄りとかだろう」


 父が馬鹿にする。


 母はフンと鼻をならす。


「言うだけで何もしないあなたに言われたくないわ」


 父と母の口論が始まる。


 母はソフィーと価値観が違う。お金が大事な人だ。何故ソフィーの父と結婚したのか不思議な程だ。


 父の予想もあながち外れていないのかもしれない。ソフィーは母の用意した見合い相手に、かなり嫌な予感がした。


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