第27話『最終決戦』
強司がどこにいるか、手に通るようにわかる。
俺は強司がいる所へ、転移。
「!!」
強司は驚く。
「君は!!」
「《オールボイド(全て無効ⅢⅩ)》」
俺はすかさず、唱える。
「!!」
強司にかかっている、バフを全て消す。
「《ハートブレイク(心臓潰しⅢⅩ)》」
「グッ!!」
強司は膝をつき、耐えた。
「強司くん、上位の神様とはいえ、弱いね!」
俺はわざとらしく、笑う。
ハハハ、仕返し成功!!
「……まさか、空音くんなのか?」
胸をおさえ、驚いた表情をする。
「《ゴッドカース(神様ノ呪縛ⅡⅩⅤ)》」
強司の体に、金色の鎖で縛り付ける。だが、強司は鎖を軽々と外す。
「ふっ! 僕に、そんな魔術は効かない!」
「《ポイズンマッシュルーム(毒キノコⅣⅩ)》」
「!?」
強司の体中に毒キノコが生えていく。
「な、何だ!!」
「《ダゾル(幻惑ⅣⅩ)》」
突然、白い霧がたちこめ、強司を襲う。
「……空音くんが、1000人もいる!!」
うん、幻惑が効いてるな。
「さて、ボコボコにしますか」
俺は、強司の懐に転移。
「!!」
1000人いる俺が強司を殴る、蹴る。
「ぐほッ! ゲホッ! ぐあああッ!」
幻に視えるが、半分は実体なので、物理攻撃も魔術も敵にダメージを与える事ができる。
1時間くらい、殴る蹴るをし。強司の顔面は真っ赤に腫れて、可哀想な顔になった。
「どうだ、少しは反省したか?」
「――カハッ!」
強司は悶絶し、のたうち回る。
おそらく、どんな神様でさえ、毒状態にするほどの、強烈な毒である。
苦しいし、気持ち悪いし、痛いだろう。
「『ミニチュアガーデンプリズン(箱庭ノ牢獄ⅣⅩ)』」
彼は俺が用意した異空間に転移。そこの箱庭で、しばらく反省していて欲しい。
強司は、これで片付いた。後は。
「魔神だな」
俺は横浜にいる親魔神へ、行く。
「《魔神になった者よ、子供に戻れ》」
時魔法で、横浜中にいる、魔神達は人間に戻り、子供となった。
「《魔神因子よ燃えて消えろ》」
人間の体内にある、蒼い炎で魔神因子が燃えて、消える。ルピナスの魔術である。
残りの親魔神も同じようにする。
これで、魔神の無限増殖は防げたな。
人間から魔神になってしまった者は、時魔法で子供に戻し、魔神因子を燃やす。重 軽傷者は5000人に及んだが、死者はいなかった。
2週間後。
黒幕である久遠強司は俺の異空間である箱庭で反省中。
多くの魔神教信者が捕まった。
その中に、俺の担任の先生も捕まっていた。
宇宙精霊神となった、俺はあまり驚かなかった。
俺は、魔神教の捕まっていない実行犯や多額のお金で支援する者などを、異空間の箱庭に転移させ、反省させている。
俺は市役所の屋上で休憩。
「これくらいでいいかな……」
もう、悪さした連中は捕まえたし、反省させている。
『いいんじゃないかしら?』
『いいと思いますよ』
『ボクだったら、もっと、やるからな』
『同感です』
『そうだねぇ。あたしもそう思うねぇ』
『そうだな! もっとやるべきだ!』
『ウリエル様達、ちょっと厳しいのでは?』
俺の中にいる、ルピナスやルシファー達が話してくれる。
そう、俺達は一つになったのだ。寂しくない。
横浜市魔神襲来事件は、これにて解決し、平和な日常が戻った。