第26話『融合進化』
俺達は使われていない、建物の屋上に行った。
優美ちゃんはルダ様に眠らせて、地下の安全な場所に寝かせた。
ルダ様が、屋上に融合進化するための魔法円を描いている。
ルシファーやジュピタル、ウリエルも融合進化するための、準備をしている。
「空音」
「ん?」
「怖い?」
「ちょっと、怖いな」
「今からでも遅くないわ。止めていいのよ?」
「ルピナス。俺は世界を救いたいんだ。怖いけど……」
正直、怖い。けど、世界を救いたい。
そして、強司の世界征服を止めたい。
「さて、準備が整ったよ」
「よし、じゃあ、みんな融合進化をしよう」
「「「はい!」」」
魔法円の中に俺達は立つ。
右にはルピナスが、左にはセイラ、セイラの隣にビナが手を繋ぐ。
「みんな、心の準備ができたか?」
「「「できた!」」」
「よし、じゃあ、ルダ様。よろしくお願いします」
「はいよ」
そして、ルダ様の詠唱が始まった。
30分に渡る、長い長い詠唱だ。
ルダ様は1音1音、丁寧に唱える。
魔法円は、虹色に輝く。
俺達は光に包まれ、足から先に、光の粒子となっていく。
あまり、怖くない。ルピナスやセイラ、ビナ達がいるからだ。
そして、頭のてっぺんまで光の粒子となり。
光の粒子は魔法円の上に集まっていく。
虹色に輝く種となり、中から、大きな芽が出る。
そして、その植物はどんどん育ち、花が咲く。
そこから、精霊が生まれた。
腰まである白い髪、雪のような白い肌。宝石のような美しい、緑色の瞳。
白いワンピースには木星が描かれている。背中には蝶をかたどった、羽。
頭には王冠が乗っている。
『――宇宙精霊神ソラネに進化しました』
「俺が主導権を握っていいのか?」
『いいのよ』
『どうぞ』
『いいよ~』
『いいですよ』
『いいよ』
『いいぞ』
『いいですよ』
ルピナス達が答える。
「よし、じゃあ、強司を止めに行くぞ!」