第22話『魔神襲来 その3』
そして、みんなはそれぞれの役割を果たすために、地下から出て行った。
司令官のウネちゃんと補佐の優美ちゃんは、地下で待つ。
俺、ルピナス、セイラ、ビナは、まだ地下にいた。
「う~ん、どこにいるんだろうな?」
「そうねぇ~、中区と西区に多いから、そこが怪しいわね」
『スマグリ』を操作していた、優美ちゃんがハッとし。
「私、ある事に気づきました!」
「優美ちゃん、話してくれ!」
「中区本町に横浜市の市役所があります。そこが怪しいと思います」
「市役所か……」
「市役所は市民にとって重要な場所。市役所が占拠されたら、行政が止まってしまうと思うの」
「なるほどな」
よくわからんが。市役所が占拠されたら、かなり困るだろう。
「市役所を拠点にして横浜を支配するつもりかしら」
ルピナスが腕を組み、推測する。
「それはヤバいな!」
「だとしたら、市役所に潜りこんで、犯人を捕まえるべきです」
セイラが真剣な眼差しで言う。
「マスター。すごい情報をゲットした~」
「ビナ、どんな情報だ?」
「ボクの仲間によると、市役所に怪しい黒服の集団が入り込んだって言ってるよ」
「マジか!?」
「ねぇ、何かエンブレム的なモノはなかった?」
「ちょっと待ってね。ふむふむ――その黒服が持っていたハンカチに、金色の太陽とロボットのエンブレムが刺繍されていたって」
「!!!」
ルピナスは驚き。
「それは、本当なの!?」
「うん!」
「ルピナス、何か知っているのか?」
「少し、記憶が戻ったわ。それは、魔神教のシンボルよ」
「魔神教?」
「簡単に説明するわ。魔神教とは人間を魔神化させ、世界を支配しましょうという、ヤバい宗教よ」
「そんな宗教があるのか!」
「そうよ。こうしてはいられないわ。市役所に行くわよ!」
「おう!」
俺達は市役所に向かった。