第16話『平穏な生活がいい』
それから一週間後。
ルピナス達の許可もとれ、学校に行けるようになった。
俺は学校に登校。
「メイド喫茶か……」
「ベタだよね」
久遠強司こと、強司はふふと笑う。
「まあ、ベタだが。女子のメイド服、見られるならアリだなと思うぜ」
龍千地次郎こと次郎はニヤリとする。
「女子のメイドか……」
「ああ、メイドだ……」
「メイドねぇ……」
そう、うちの文化祭の出し物が決まり、さっさく準備が始まっていた。
「てか、何で男子もメイド服を着るんだよ! おかしいだろ!」
「そうだね。俺もそう思う」
なぜか、男子もメイド服を着る事が決まった。ただのメイド喫茶じゃつまらないという意見が上がったからだ。
「僕は文化祭、休むよ」
強司は心底、嫌そうな表情で言う。
「強司、気持ちはわかるが、ちゃんとこいよ。じゃないと、俺のパンツをは履く、事になるからな」
「何で、君のパンツを履かなきゃ、ならないのかな? 変態なのかな? 馬鹿なのかな? クソなのかな?」
強司は笑顔で毒を吐く。
「変態じゃない! 俺は断じて変態じゃない!」
次郎は慌てて、否定する。
「ははは、やっぱ次郎は面白いな」
次郎と強司って仲いいよな。ちょっと羨ましい。
「なら、空音のパンツで許してやる」
次郎は強司の肩を叩き、爆弾発言する。
「何で、俺のパンツなんだよ!!」
強司は腕を組み、思案。
「空音のパンツなら、5万円くらいで売れるかもしれないな」
「売ろうとするな!」
止めろ、強司! 俺は絶対、売らせないからな!
次郎と強司ツッコミを入れて、思う。
平和だな。
ああ、いいよな。こういった平穏で、普通の生活は。
そして、休日。
横浜巨大迷宮を潜っていた。
第52階層にいる。
「お前ら……」
ウリエルが魔法攻撃と物理攻撃無効のバフをかけ。
ファニールはつねに体力とMPが自動回復するバフをかけ。
「《レーザー(光線ⅡⅩ)》」
宇宙人である、ジュピタルはレベル105もするメタルアントをレーザー銃で瞬殺していく。
「《フレイムドゥームバレット(破滅ノ炎弾ⅡⅩ》」
ルダ様は杖や『スマグリ』を使わず、メタルラビットを打ち抜き、倒していく。
ルシファーは、逃げる魔物を『スマグリ』を操作。
「《インフェルノ(地獄ノ炎ⅩⅤ)》」
メタルウルフが燃え上がる。可哀想に、逃げる魔物も容赦がない。
オーバーキルじゃないか?
「ハハハ! 皆、強いな!」
デグラスが豪快に笑う。
「そうね、わたしの出番がないのかしら?」
そう言って、ローズはトマトジュースを飲む。
ルピナスとビナ、セイラ、ロザリンヌ、マリン、ルグは空真と彩良音と一緒に、第45階層に潜っている。
てか、お前ら本当に強いな。
確か、現時点で横浜巨大迷宮は第53層まで踏破されているらしいが。
このペースで行くと、明日、潜ったら、その記録を追い抜きそうだ。
「あの、ルダ様」
「何だい?」
「魔神の封印が解けそうなのはマジなんですか?」
「そうだよ、もうすぐ解けるね」
「そうなんですか」
確か、昨日、ルピナスとその事を話してたんだよな。
魔神の封印が解けそうだと。
「再封印できないのですか?」
「現時点で、難しいね」
「そうなんですか……」
ルピナスが言うには、魔神は昔より、滅茶苦茶、強くなっている。なぜなら、日々、進化しているらだ。再封印しても、すぐに解けてしまうだろうと言っていた。そうなると、封印ではなく倒すのがいいのでは、と思うのだが。それは、再封印するより危険で困難らしい。
「どうしたらいいんですか?」
「そうねぇ。今は再封印するしかないねぇ」
「そうなんですか……」
根本的な解決にならないと思うが。
「他に方法はないのか、あたしも、いろいろと調べるよ」
「そうですか。何かわかりましたら、教えて下さい」
「いいよ」
ルダ様は魔術の神様だ。きっと、良い方法が見つかるハズだ。
第52層の階層ボスを瞬殺。夜の8時を回ったので、今日はやめた。
俺達は家に帰った。