第14話『いろんなキャラを解放してみよう! その1』
9月、秋。
進化したばかりなので、俺は学校を休む事になった。
俺は平気なのだが、皆が休むべきだと強く言われ、渋々《しぶしぶ》、家にいる。
俺は居間で『ノートパソコン型グリモワール』である『パソグリ』で情報収集。俺の隣にはルピナスがいる。ビナはあいかわらず、お菓子をポリポリ食べている。
セイラ、空真、彩良音は家の外で警備だ。俺を狙って刺客があらわれるかもしれないからな。
ウネちゃんは『キャラトピア』でアルバイト。
そして、俺の向かいにはルシファーがいる。
俺の進化してから5日後、ルシファーはすぐに『キャラトピア』での仕事をゲットし、『パソグリ』を使って、仕事をしている。
ルシファーの眼鏡姿も滅茶苦茶、カッコイイ。
ルシファーは腰まであった灰色の髪は美容院でばっさり切ってもらい、ナチュラルなツーブロック、ヘアスタイルになっていた。
「なあ、ルシファー」
「何でしょう?」
「ルシファーって、イケメンだよな」
「そ、そうですか? そうでもないと思いますが」
ルシファーは頬を少し赤らめ、『パソグリ』を操作する。
「モテるだろ?」
「まあ、そこそこ……」
「空音もモテるわよ」
ルピナスが話しに加わる。
「え? 俺ってモテないぞ?」
「空音にはファンクラブがあるのよ。モテないわけないわ。ちなみに、私は八雲空音ファンクラブに所属しているわ」
「ボクもだよ~。ボクも八雲空音ファンクラブに加入してるよ~」
「お、お前達……」
そういえば、そんなモノがあるらしいな。確か、花輪囲優美さんが入っていると言ってたな。
すごく嬉しいが、なんか恥ずかしいのだが。
「僕も主様のファンクラブに入ってみたいですね」
「えええッ!! 何でだよ!!」
ルシファーが、俺のファンクラブに入りたいと言い出した。
「僕は主様をもっと知りたいです。ファンクラブに入れば、主様の情報を手に入れられると思うのです」
ルシファーは笑顔で答える。
「お、おう……」
どう、反応すればいいんだ。
まあ、いっか。好きなようにすればいい。
俺は『スマートフォン型グリモワール』の『スマグリ』で次郎や強司、テルキやオサムに『ロイン』の返事をする。
次郎達はお見舞いに行こうか? と聞いて来たが、断った。
なんとなく、来て欲しくなかった。なぜなら、ルピナス達について、説明するのが、かなり面倒だからだ。
俺は元気だし、すぐにでもダンジョンに潜りたいと思っている。
あの、横浜巨大迷宮で、どこまで潜れるか試したいと思うのだが、学校を休んでいるのにダンジョンに潜り、バレると休学処分になるかもしれないので、おいそれと、潜るわけにはいかない。
精霊に進化して、どれほど強くなったのか、腕試し、したいのに残念だ。
俺は、UR 能天使『ファニール』とLR 熾天使『ウリエル』を解放した。
「こんにわぁ~、わたしはファニールですぅ~」
能天使のファニールである。
金髪碧眼、おっとりした巨乳天使。
騎士のような格好をしている。背中には天使のような羽が生えている。
ちょっと、ぶりっ子、入ってるけど超可愛い。
熾天使のウリエルは、燃えるような赤髪と青い瞳。
こちらも騎士のような格好で、背中には赤と白い羽根が生えている。
「貴様が、我が主になる者か」
「そ、そうです」
「超、可愛いな、ハグハグしたくなる! ……いや、何でもない。私はウリエル、よろしくな」
「ああ、よろしく」
ウリエルさんは見た目はカッコイイ、女性天使騎士だが、面白そうな性格してそうだな。
そして、俺は神様であるルダ様を解放した。
美しい紫色の長髪を一つに束ねた美女。20代に見える。
紫と金色を基調としたローブを身につけている。
神々しい雰囲気がある。
「……あんたが、あたしの主だね」
「そうです」
とうとう、神様を解放する時が来るとは。
なんだろう、涙が出そうだ。
俺が感動していると。
「なかなか、可愛い顔してるじゃないか、空音坊や」
ルダ様はじろじろ俺を見て、そんな感想をもらす。
「それほどでもないです」
きっと、世辞で言っているのだろう。ルダ様の方が断然、可愛い。
「か、可愛いか……」
ルダ様は俺の子を呼んだのか、少し頬を赤らめる。
「宇宙人である、ジュピタルも解放してやりな。あの子も、待っているから」
「宇宙人を解放して、大丈夫ですかね?」
「大丈夫じゃよ。あの子は優しい。悪さをするタイプじゃないよ」
「わかりました」
ルダ様が言うならそうなのだろう。
よし、解放してみよう!