第7話『気になるニュース』
5月18日。土曜日。
朝、ふと起きる。横を向くと、彼女が側にいた。
そう、セイラだ。
スー、スーと静かな寝息をたてながら、眠っていた。
そういえば、ウネちゃんも昔、こうやって一緒に、眠っていたな。
俺はとても懐かしい気分なる。
それにしても、本当に美人だな。
整った、金色の眉に長い睫。鼻筋も、高くすぎず低すぎず。桜色の唇。綺麗な白色の肌。
まるで絵画に出てくる女神様だ。
俺はまじまじとセイラの顔を鑑賞していると、セイラはぎゅっと、目に力をいれてから、ゆっくりと目を開ける。
「主様、もう、お目覚め、ですか?」
「うん、起きた。おはよう、セイラ」
「おはようございます」
俺達は、ベッドか出て。部屋も出る。
もちろん、ウネちゃんが入っている『スマートフォン型グリモワール』である『スマグリ』も持って行く。
――台所。
「おはよう、お兄ちゃん」
「おはよう。花純、今日も、起きるの早いな」
「お兄ちゃんと、ご飯、食べたかったから!」
花純は、まるで、ひまわりのような、笑顔で答える。
ズキュン!
俺はまるで自分の胸にある的を撃ち抜かれたような気分になった。
「うおおおおお! 花純、俺は嬉しいぞ!」
今日の花純も可愛いすぎだろ!
朝から、ハイテンションになる。
「良かったわね。花純にそう言ってもらって」
お母さんはニヤニヤしながら、テーブルに麦茶の入ったコップを置く。
「母よ。花純を産んでくれてありがとう」
「どういたしまして」
「母上様、主様を産んでくださり、誠に感謝を申し上げます」
「セイラ、そんな事、言わなくていいぞ!」
「ふふ、どういたしまして」
そんな感じで、素晴らしい朝食を取り始めた。
テレビでちょっと気になるにシュースが放送がされていた。
《――横浜○○区だけで178人の行方不明者が出ています。原因は不明です。共通しているのは、ほとんどが、若者で。10代前半から20代後半の若年層です――》
「空音も花純も、気をつけなさい。もしかしたら、犯罪グループによる誘拐かもしれないから」
お母さんは心配そうに話す。
「うん、気をつけるよ」
「わかったぁ!」
「犯罪グループですか、わたしが懲らしめましょうか?」
「「え?」」
俺とお母さんがかたまった。
「一週間以内に、アジトを見つけ、退治できますよ?」
セイラは真顔で答える。
「いや、無理するな! 俺達にはやる事がある! 後回しでいいよ!」
俺は慌てて、彼女を止めに入る。
「そうよ!? セイラちゃんが襲われちゃうわ、ダメよ!?」
お母さんも止めに入る。
「そうですか……」
「退治できるの?」
花純が質問する。
「できますよ」
セイラは即答する。
「「セイラ!!」」
俺とお母さんは同時に叫んだ。
セイラはビクッとしてから、咳払いし。
「警察さんが犯人を捕まえてくれます! だから、大丈夫ですよ!」
俺とお母さんは、ホッとし。
「そっか、そうだよね~」
花純は残念そうに食パンをかじる。
セイラが空気を読んでくれた。何だよ、そういう事が、ちゃんとできるじゃん。
読んでくださり、ありがとうございます! 評価してくださると、作者の励みになります!