第6話『魔王試験の結果は?』
試合が始まって30分が経過。
ドラゴンモードになった、ウオルスは滅茶苦茶、強かった。
おそらくだが、俺のHPは後、2割しか残っていないだろう。
ハッキリ言って、ヤバい。
「ドウシタ、ショウネン。モウオワリカ?」
ウオルスはピンピンだった。体が大きいのに、敏捷性が高く、命中度も高い。
ウオルスの攻撃をよけきれず、魔法の盾で防ぎたくても、攻撃力も高すぎて、魔法の盾が破壊されてしまう。
てか、すべてのステータスがドラゴンモードになった事で、上昇している。
このままだと、負けてしまうだろう。
もう、アレを使うしかない。
「《ドラゴンモード》」
俺はドラゴンに変身する。
セイラやルピナス、ビナとは事前に、魔導契約していたので、セイラの魔術やドラゴンモードも扱える。
「オマエモ、ドラゴンダッタノカ?」
「人間だ!」
俺は、ウオルスに向けて、聖なるブレスを吐く。
「ナカナカヤルナ!」
もう、これを使うしかない。
一か八か。
ルピナスが編み出しくれた、最強の魔術を使う事にした。
「《ホーリースカイブルフレイムフラワー(聖なる空ノ蒼炎華Ⅹ)》」
空から巨大な蒼い華が、出現。
美しくも儚い大輪が、見る者を誘惑し、状態異常にさせる。
観客も状態異常にかかるが、大丈夫だろう。
大輪から、大精霊があらわれる。
金髪に雪のような白い肌、蒼いドレスを身につけた美しい女性が、地上に舞い降りる。
「――!?」
声も上げられないだろう。
この大精霊の前では声を上げる事すらできない。
大精霊が、ウオルスに近づく。
ウオルスは攻撃しようとするが、動けない。
半径10キロ圏内で、まともに動けるのは俺ぐらいだろう。
それ以外は、みな、動けない。
そして、大精霊はウオルスを抱きしめる。
すると、ウオルスは蒼白く燃え上がる。
「!!」
そして、ウオルスは燃え、灰となった。
ウオルスは死んでいない。
灰が生きているからだ。
ルピナスの魔術である蒼い炎は灰まで消す事はできなかったのか。
内心、少し落胆したが、ホッとしている。
灰は、一箇所に、集まっていき。
青い卵になる。
ドクンドクン――
そして、卵から割れ、中から、小さな竜の赤ちゃんが生まれた。
俺は、その竜を抱きしめる。
竜は目が覚め。
彼は驚いていた。
その反応で確信する。
この竜は、間違いなくウオルスである事。
「俺の勝ちだな?」
「――!!」
「お前を倒した。そしたら、お前は灰になり、卵となり、そこから生まれた」
ウオルスと勝負し、倒した事を話す。
「……」
「俺の勝ちでいいな?」
すると、竜はこくりと頷いた。
そう、俺の勝利となった。
大精霊は微笑み、大輪と一緒に光の粒子となって、消えた。