第31話『本気を出す!』
2日目。
俺は本気を出す事にした。
どんどん、潜っていく。
そして、第30層。
ビッグアースライム、ビッグアースラビット、アースナイト、アースウィザード、アースウォリアー、アースエント、アースゴブリン、アースウルフ。
どのモンスターもレベル750以上である。
階層ボスはアースナイト(中)×3、アースロード×1
アースナイト(中)は960レベル。アースロードは1000レベルである。
アースナイト(中)土属性の強そうな騎士が剣を持ち、襲ってくる。
部屋中に結界をはる。
「《ソラノソウエンゴウカ(空ノ蒼炎業炎Ⅵ)》」
ルピナスの魔術だ。部屋中が蒼い炎で充満し燃やしたいモノを燃やす。
あいかわらず、強い魔術だ。3体いた、アースナイト(中)が倒れ光の粒子になる。
アースロードである、王様のような風貌の魔物は瀕死状態。
「《ホーリードラゴンレイン(聖なる竜の雨Ⅲ)》」
セイラの魔術だ。とどめをさす。
光に包まれた竜がアースロードに襲う。
3日目、俺はどんどん下へと降りていく。
敵は強さをます。
俺は絶好調であった。
俺の自身のレベルがガンガンに上がり。魔術のスキルレベルも上がる。
4日目(最終日)
俺は第35層のアースエンシェントドラゴンを倒しまくっていた。
アースエンシェントドラゴンは体長が15メートルはある。だが、ルピナスの魔術を使えば、燃えないモノはない。蒼い炎が魔物を燃やす。
とにかく、無我夢中である。少しでもポイントを稼ぎ、ギルドに貢献したい。
藤堂レオ団長が喜ぶ姿が見たい。褒められたい。
その一心で、俺はアースエンシェントドラゴンを狩りまくる。
おそらくだが、この階層が俺にとっていい狩り場だろう。これ以上、深い階層だと、倒すのが困難。ここが、効率のいい狩り場だと思われる。
腕輪が光り音が鳴る。これは試合の終了の合図だ。
俺は第35層の休憩ポイントで、腰を下ろす。
「ヤバい! 楽しかった!!」
本気を出すのが、こんなにも楽しかったなんて。どうして、もっと早くに力を出さなかったんだろう。俺は臆病だったんだ。
臆病が悪いわけじゃない、時として慎重に行動した方がいい場面はある。
だが、いつまでも小さくなってビクビク生きるのも、それは結構、辛いかもしれない。
こうやって、力の限り魔術をぶっ放す。最高じゃないか。
俺は回復薬を飲み、転移門へ向かった。