第28話『全日本ギルド対抗戦大会』
そして2日後。
第42回全日本ギルド対抗戦大会、当日。
空は青く、雲一つなかった。晴天。
太陽は眩しく、空気も生暖かい。
試合会場は群馬県草津町にある草津巨大迷宮である。
茶色を基調とした巨大なドーム。
門番のように鎮座する、高さ5メートルを超えるロックゴーレムが2体。
群馬県にある草津巨大迷宮の魔物を倒すと、銅塊、銀塊、金塊など武器や防具、アクセサリーに必要な素材が他のダンジョンより高い確率でドロップする。
皆、ギルドの制服を身に包み、斧使い、剣士、槍使いなどは屈強な男達が多く威圧感がある。戦士系いがいのジョブ、魔導士も司祭、ハンターなどは、服からでもわかるほど、鍛え上げられている。
俺は、だいぶランクもレベルも上がり強くなったので、そこそこマッチョな良い体をしている。
参加人数は一つのギルドに50名まで。ポイント制で、強力な魔物をたくさん、倒せば倒すほど多くのポイントが入る。
一番ポイントが多いギルドが、優勝する。
俺が着用している、この『赤桜騎士団』の制服。かなりカッコイイ。
桜をモチーフにした赤い制服で、デザインも材質も、かなり良い。
次郎は厳しい表情で立っている。
「次郎? 緊張しているのか?」
「少しな」
珍しいな。次郎が緊張するなんて。
「安心しろ。俺がついてる。大船に乗ったつもりで挑んでくれ」
「おいおい、雑魚次郎じゃ頼りないよ」
柊木トオル先輩が、茶々を入れる。
「トオル、相変わらず毒舌だよん」
苦野菜先輩は苦笑しつぶやく。
「同感」
甘菓子千代子先輩は静かにつぶやく。
「次郎も柊木先輩も仲いいな」
今野はこともなげに、言う。
「「仲良くない!!」」
次郎と柊木先輩がハモる。
「はは、面白いな!」
「確かに!」
今野くん長田くんがケラケラ笑う。
そして、開始から5分前。
堂々とした足取りで、男が前に出る。
「おいおい、緊張してるのか? わかっている、魔導士が少ないからな。だが、安心しろ。魔剣士のオレがいる」
超絶イケメンが自信満々に言う。
藤堂レオ。
この赤桜騎士団の団長だ。
彼はS級冒険者であり、上級冒険者。
プレイヤーランク302
桜をモチーフにした赤い制服のマントが揺れる。
レオ団長は鞘から剣を抜く。
「てめえら!! 本気だせ!! 今、本気出さなくていつ出すってんだ!!」
覇気のある声で皆を鼓舞する。
「「「今です!! 現在です!!」」」
『赤桜騎士団』の中から選ばれた50名が声を上げる。
藤堂レオ団長はニヤリとし。
「そうだ!! てめぇら、絶対いい結果、残そうぜ!!」
「「「はい!!」」」
「「「俺達に勝利を!!」」」
「「「勝利を!!」」」