第23話『決勝戦、開始!』
予想通り、長田の兄と今野の兄、江村豊先輩がオフェンス。ミッドフィルダーは眠り姫こと、花輪囲絵里守先輩だ。
『眠り姫チームは3-3-2ですか。おや、1年生チームは……1-0-7なのですか??』
『なんと! チーム花輪囲さんカワEはオフェンスが1人だぞ!? どういうことだああああ!!』
「(うわ~、恥ずかしい……)」
その1が、俺なんだよね。
「《ディススタチゥーエフェクト(状態異常無効Ⅶ)》」
「「「!!!」」」
多くの人が驚く。
まあ、驚くよね。
これで、花輪囲絵里守先輩からの眠り攻撃は効かなくなるからな。
「《攻撃魔法無効Ⅴ》《魔法防御力上昇Ⅴ》《身体強化Ⅴ》――」
自分自身に、いろんなバフをかけていく。
「先輩達ごめんね、俺、ちょっと本気出すから」
「八雲くんが来るぞ!! シールドをはれ!!」
「《マジックシールド(魔法の盾Ⅳ)》」
「《マジックシールド(魔法の盾Ⅳ)》」
「《マジックシールド(魔法の盾Ⅳ)》」
「《マジックシールド(魔法の盾Ⅳ)》」
「《マジックシールド(魔法の盾Ⅳ)》」
「《マジックシールド(魔法の盾Ⅳ)》」
オフェンスとミッドフィルダー全員がマジックシールドを展開。
「ダークトラッキングパラライズバレット(追尾型闇属性麻痺弾Ⅴ)」
30発の弾丸が先輩達に向かって放つ。
彼らのマジックシールドを貫通し、足に着弾。
「「「ぐあああああああ!!」」」
3人の先輩達が倒れる。
だが、他の3人は麻痺せず、立っている先輩がいた。
「ふう、マジでヤバいな! その攻撃は!」
「そうだな!」
「さすがは、八雲くんね! 最高だわ!」
「今野くんの、お兄さんと、長田くんのお兄さん。それに、絵里守先輩」
さすがは、3年生である。ビナが使う最強の魔術に耐えとは。
「2人とも、わたくしの援護を」
「「了解!!」」
絵里守先輩達は俺に向かって走る。
「ダークトラッキングパラライズバレット(追尾型闇属性麻痺弾Ⅴ)」
70発の弾丸を放つ。
「《マジックシールド(魔法の盾Ⅴ)》」
「《マジックシールド(魔法の盾Ⅴ)》」
「《スピードアップ(俊敏性上昇Ⅶ)》」
今野兄と長田兄がマジックシールドで防ぐ。
花輪囲絵里守先輩は、動きが俊敏になり、マジックシールドでは防ぎきれなかった、弾丸を回避する。
「マジかよ!?」
この魔術じゃ、ダメなのか? だったら。
「《トラッキングホーリーライトバレット(追尾聖光弾丸Ⅴ)》」
100発以上の弾丸を放つ。
ダダダダダダッダダッダッダダッダダダッダッダ――!!!
「やべぇ!!」
「防げきれねぇ!!」
今野兄と長田兄は必死で弾丸を防ごうとしていが、撃沈。
よし!
「え?」
俺の隣に彼女はいた!
「絵里守先輩!!」
そして、消えた。
後ろを振り返る。
絵里守先輩の狙いは、次郎達だ!
「おっと、八雲くん、わたしがいますよ」
「そうですよ」
湯野先輩と川野先輩である。
ディフェンダーが2人だと!?
核を守らなくていいのか??
「《ドンソク(鈍足Ⅳ)》」
「《ドンソク(鈍足Ⅳ)》」
俺に向かって鈍足をかけていく。
マズい!!
『なんということでしょう!! 絵里守選手、花輪囲さんはカワEの5人をあっという間に眠らせたぞ!!』
マズい!!
俺は、2人の先輩に。
「《ダークプリズン(闇の牢獄Ⅴ)》」
「「え??」」
黒い霧が彼女達を襲う。
「マズいわ!?」
「ヤバい!?」
彼女達をあっという間に、闇の牢獄に入れる。
おそらく、残りの1人である強司が守っているハズだ。
だったら、敵チームの核を破壊した方がいい!
敵チームに、核を守る人がいないなら大丈夫だ。
「《ホーリードラゴンレイン《聖なる竜の雨Ⅴ》」
光に包まれた竜が核に向かって、落ちてくる。
ズババババババババババッバババッババッババッバ――!!!
バリン!!