第11話『準々決勝の相手』
それから第2試合、第3試合は順調であった。
第4試合と第5試合は全員が3年生のチームだったが、危なげなく、勝利した。
無事、Dグループで1位となり、決勝トーナメントに進出。
大会4日目。準々決勝。
『とうとう、準々決勝です! チーム花輪囲さんカワE、バーサス、ブラックタイガーが激突! さて、どちらが勝つのか!!』
放送部、部長である三ツ葉アカリ先輩がマイクを持ち、大音量で喋る。
準々決勝の相手は、全員が3年生のチームであった。
「おい、2年坊主。お前達はそこそこ強いみたいだが、俺達は負けねぇし、勝つ」
おそらく、リーダーだろう。背か一番高く、強面である。
「そうだぜ。おれ達はDランク冒険者だ。リーダーはCランク冒険者。お前達が戦ってきた、雑魚とは違ぇよ」
先輩Aが吠える。
「「「そうだそうだ!」」」
他の先輩達が吠える。
「そうですか、先輩。俺達は強いんですよ? 先輩達は弱いんで、手加減してあげますけど?」
次郎は真顔でリーダーを挑発する。
おいおい、そんなに挑発しなくてもいいだろ!!
「「「なッ!?」」」
「先輩は『赤桜騎士団』を受験して、不合格でしたよね? 本当に強いんですか?」
強司も挑発する。
そ、そうなのか? てか、強司も挑発するなよ!
「「「ぐぬぬ……!!」」」
どうやら、先輩達に効いてるみたいだ。
「ふん、確かに俺は『赤桜騎士団』に落ちたが、今では『黒虎団』に所属している。お前も知っているだろうが、Bランクギルドだが。強ぇこと、知ってるだろ?」
「まぁ、知ってますよ」
次郎は赤く燃え龍が視える、リーダーは黒い虎のような猛獣が視える。
『おおっと、両チーム。今にも○し合いが始まりそうだぁ!!』
「お前ら、試合が始まるんだ。これ以上、無駄な争いはするな」
審判である先生が俺達を戒める。
「ぜってぇ、負けねぇ!」
「負けません!」
次郎達と先輩達は睨み合い、火花を散らす。
『――両チーム位置につけ』
俺達は所定の位置につく。
『ブラックタイガー対花輪囲さんカワE――試合開始!』
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