第10話『試合結果は?』
まずは、俺がバフをかける。
「《身体強化Ⅱ》《魔法攻撃軽減Ⅱ》《物理攻撃軽減Ⅱ》《魔力上昇Ⅱ》――――」
俺、花輪囲さん、輝喜、オサムにかける。
「サンキューな、空音」
「ありがとな」
「八雲くん、ありがとう」
3人ともお礼を言ってくれた。
多くのバフをかけた。もちろん、本気のバフではないが。
「《身体強化Ⅱ》《魔力上昇Ⅱ――》」
「《身体強化Ⅱ》《魔力上昇Ⅱ――》」
「《身体強化Ⅱ》《魔力上昇Ⅱ――》」
「《身体強化Ⅱ》《魔力上昇Ⅱ――》」
次郎、強司、今野くん、長田くんが素早く、バフを詠唱しながら走る。
そして、オフェンスの敵、3人とぶつかる。
「《ファイアバレット(火弾Ⅱ)》――」
次郎が火属性の魔法を唱える。10発の火の弾丸が放たれる。
「《ウインドバレット(風弾Ⅱ)》――」
鈴木は風属性の魔法を唱える。10発の風の弾丸が放たれる。
「《マジックシールド(魔法の盾Ⅰ)》」
「《マジックシールド(魔法の盾Ⅰ)》」
「《マジックシールド(魔法の盾Ⅰ)》」
敵のオフェンスのマジックシールドを展開したが。
「「「ぐあああああああああああああ!」」」
マジックシールドを破壊し、敵オフェンスに着弾。
そのまま、崩れ落ちる。
闘技場では特殊な結界がはってあるので、どんなに怪我をしても、すぐに治癒される。
「さすがは『火龍の次郎』と『風帝王の強司』だ! 強いぜ!」
ミッドフィルダーの今野が褒める。
「すげぇな」
同じくミッドフィルダーの長田も同意する。
次郎も強司も中堅ギルドの『赤桜騎士団』に所属している。
それに、今野くんも、長田くんも所属している。
戦闘のプロと初心者ぐらい差があるわけだから、よっぽど手加減でもしないかぎり、負けるという事はありえない。
どうやら次郎達が、全員を倒し、核を破壊。
『試合終了――勝利チーム、花輪囲さんカワE』
「龍千地達、強すぎだろ!」
輝喜は目をキラキラさせる。
「さすがは『赤桜騎士団』だ、強いな」
オサムも感心する。
「私の出番なしか……」
花輪囲さんは、腕を組み、つぶやく。
俺は彼女に近づき、肩を叩く。
「花輪囲さん。もっと勝ち進めば、俺達の出番があるハズだよ」
この学校には俺達より強い相手がいるハズだ。俺達も活躍するチャンスはある。
花輪囲さんは、ぱあっと笑顔になり、「うんうん!」と頷く。
「そうだよね! そうだよね! 私でも活躍する時が来るわ! その時は、敵をぼっこぼこにするわよ!!」
腕を振り上げ、ポーズをとる。
「ははは、まあ、ほどほどにね」
俺は苦笑する。
彼女は上級ギルドである『青薔薇騎士団』に所属しており、彼女はB級冒険者だ。
かなり強いわけだから。
本気を出されたら、死人が出てしまう。
「それにしても、あのチーム名、変えない? すごく恥ずかしいんだけど……」
ヒロインは頬を朱に染め、恥ずかしそうに、もじもじする。
そう、俺達のチーム名は『花輪囲さんカワE』である。
「「「変えません!!」」」
俺と輝喜、オサムがハモった。
読んでくださり、ありがとうございます! 評価してくださると、作者の励みになります!