表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/95

第5話『弟ができました』


「じゃあ、マスター。つくってみて」

「わかった」


 1、かがみで自分の姿すがたおぼえる。


 2、覚えたら、自分の姿を強くイメージしながら、頭のてっぺんから、足のつま先まで魔力を流し、循環じゅんかんさせる。


 3、体がぽかぽかしてきたら、強く自分の姿をイメージする


 俺の体が紫き色にかがやく。


「《分体創造》」


 床に魔法円があらわれ、光る。


 そこから、もう一人の俺が出てくる。


「……」


 黒髪に黒目。顔立ちは、自分で言うのもアレだが、そこそこ、整っている。

 背は高くないが、細マッチョ。

 俺が今、着ているジャージと同じモノを身につけている。


「すげぇ、俺だ!! もう一人の俺がいる!!」


 俺は思わずぴょんぴょん、飛びねた。


 もう一人の俺はゆっくりと目を開く。


「……? なんだ? ここは?」


 俺はもう一人の自分に近づく。


「よっ! もう一人の俺!」

「うお! 俺じゃねぇか!」

「事情はわかるか?」


「……えーっと……俺はおそらく分体だ。お前は、本体でありオリジナルだな?」

「ああ、そうだ」


 彼と軽く話す。


 しばらくすると、もう一人の俺は頭の中で情報が整頓せいとんされたのか。


「――俺は分体だが魂はお前と違う。だが、魂のレベル、及び霊格は近いし、ソウルファミリーだ。お前が兄だとしたら、俺は弟。だから、兄弟。お前を兄貴あにきと呼ぶ」


「マジで!? 俺に弟ができたのか!?」


 そうだとしたら、かなり、めでたい話だ。


「そういう認識で間違いない。よろしくな兄貴!」

「おう!」

「俺には名前がないよな。だったら、俺は自分に空真くうま名付なづける」

「空真か、良い名前だな」

「そうだろう!」


 空真くうまは腕を組んで、ニカッと笑う。


「空音が魔王になるために地下世界に行くんだよな?」


 空真を生み出した、理由を知っているみたいだ。


「頼めるか?」


 空真は「ああ、いいぞ」とうなずき。


「準備ができしだい。地下世界に行く。いいか?」

「ああ、頼む!」


 もう一人の俺を家族に紹介する。


「わぁ~、お兄ちゃんが増えた!」


「息子が増えるなんて最高ね!」


 俺は妹の花純かすみとお母さんが笑顔になる。


「お母さん、それに花純。ふつつかな者ですが、よろしくお願いします」


 空真は深くお辞儀じぎする。


「あら、礼儀正れいぎただしいわね。こちらこそ、よろしくね」

「空真お兄ちゃん! よろしくね!」


 お母さんも妹も喜んでくれた。



読んでくださり、ありがとうございます! 評価してくださると、作者の励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ