表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/95

第2話『地下世界に行かせたい理由 パート1』


 俺の部屋に入ってきたのは。暴食ぼうしょく暗黒王女あんこくおうじょスライム『ビナ・ヴァイム』のビナである。地雷系じらいけいメイクに黒と青を基調きちょうとしたパンクな格好。

 見た目は陰キャだが、中身は陽キャ。俺の自宅にいるなら、ノーメイクでもいいと思うのだが。


 どうなんだろうな?


「マスタ~」


 ビナはすたすたと歩き、俺を後ろから抱きしめる。


「ビナ、どうしたんだ?」


 胸があたって幸せだが、そばにいるルピナスの黒いオーラが怖い。


「すごく重要なお話があるんだけど、いいかな~?」


 なんだ? なんだ? 俺に相談か?


「うん、いいよ~」


 そういって、俺はビナの方を向く。


「実はね、『地下世界・アンダーワールド』という世界にマスターをご招待したいんだけど、いいかな~?」


「『地下世界・アンダーワールド』って……何それ?」


 地下に何かあるのか?


「日本や世界の地下にね、巨大な地下世界があるの~。そこには、人界領域じんかいりょういき魔界領域まかいりょういき悪魔界領域あくまかいりょういき地獄界領域じごくかいりょういきとか、いろんな領域があるの」


「うわ~、そんなの初耳だ。そんな世界があるのか」


 実に興味深い話じゃないか!


「ビナ!!」


「ん? ルピナス様、どうしたの?」


 ルピナスは目に止まらぬ早さで、ビナの両肩りょうかたつかむ。


「どうして、空音に地下世界に行かせようとするのッ!? あそこには、魔物や魔人、悪魔がうじゃうじゃいるのよ!!」


 鬼の形相ぎょうそうでビナをにらみ強い口調くちょううったえる。


「落ち着け!! ルピナス!!」


 俺は止めに入る。


 だが、ビナは動じない。ルピナスの目を真っ直ぐ見つめる。


「マスターの分体をつくって、その分体を地下世界に連れて行く」


「なぜ?」


「マスターには、魔王になって欲しいの」


「魔王に……」


 ルピナスはかたまる。


「え?」


 ま、魔王って、ゲームの最後に出てくる、ラスボスの魔王を言ってるのか?


 ルピナスは動揺どうようし、くしゃくしゃと顔がゆがみ、ビナをつかむ手を強める。


「ビナ、もはやその方法しかないの??」


「マスターの器に限界げんかいきざしがえる。魔王になればうつわが大きくなり容量も増える。魔王になった方が一番、手っ取り早いよ」


「えッ?!」


 俺の器が限界?


「どういうことだ? ビナ!」


「マスターは、多くのキャラを所有しょゆうし、ぼく達みたいな強い存在を所有している。ぼく達は日々、強くなっている、強くなれば強くなるほど、マスターに大きな負担ふたんになる。このままじゃ、マスターの肉体、器は限界を超えて、壊れちゃう」



読んでくださり、ありがとうございます! 評価してくださると、作者の励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ