表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/95

第27話『蛇闇間学と黒幕の影』



《視点 蛇闇間学》


 おれは、衝撃しょうげきを受けた。


 それは、優美ちゃんが八雲空音のメイドになる宣言せんげんである。

 にわかに信じがたい。


 なぜ、彼女が八雲空音に??

 正直、うらやましい。彼女を所有物しょゆうぶつにできるなんて。


 おれだったら――


『ご主人様、お紅茶はどうですか?』

『私はご主人様の事が大好きです!』

『ご主人様、どうか私に首輪をつけてください!』


 妄想中もうそうちゅう


 ああ、妄想したら、ヨダレが止まらない。

 八雲空音の事だ、きっと優美ちゃんに、あれこれ指図さしずし、おのれ欲望よくぼうを押しつけるだろう。


 うらやましすぎて、目から血が出そうだ。


 俺は優美ちゃんの事を中学生の頃から、好意を抱いている。

 第2魔導学校ではなく、第3魔導学校を選んだのは彼女が受験すると知ったからだ。

 次郎にはストーカーだの、クズ男だの、罵倒ばとうされたが。

 相手を愛せば、誰もがストーカーになると思っている。

 愛が強ければ強いほど、ストーカーになる確率は上がる。

 次郎は、本気で彼女を愛してないから、いつまでたっても友人Aなのだ。

 ストーカーになって彼女を愛せば。

 彼女はきっと、おれを一生、忘れないでいてくれるだろう。

 おれの愛を忘れず身も心も、そして魂にもきざみこむことができる。


 八雲空音。


 中性的で愛らしい見た目だが、おそらく中身は野蛮人やばんじんだろう。


 彼女を、あんな事やこんな事をして、もて遊ぶに違いない。


 このままではマズい。


 絶対、助けなくてはならない。


 突然、『スマートフォン型グリモワール』の『スマグリ』がブーブーと振動する。


 誰だ?


 おれは机に置いてある『スマグリ』を手に取る。


「名前がない」


 非通知みたいだな。


 イタズラ電話か?


 それとも、おれへの抗議電話か?


 おれは赤の拒否ボタンをタッチし、切る。


 だが……


 また、振動する。


 おれは、仕方なく緑ボタンの応答ボタンをタッチ。


「もしもし」

「こんにちは、蛇闇間学様。八雲空音を消す方法があるのですが、どうですか?」


「!!」

 新手の詐欺か??


 でも、おれにとって、八雲空音は消えて欲しい存在だ。


「確実に消せる方法があるのですが、いかがですか?」


「……」


「八雲空音はきっと、花輪囲優美を愛玩動物にしますよ?」

「!!」


 八雲空音はやはり、野蛮人だったのか!?


「わかった。いくら出せばいい?」

「そうですねぇ~、200万円で、どうでしょう?」


 200万円か、200万円で八雲空音を消せるなら、安いな。


「わかった。よろしく頼む」



読んでくださり、ありがとうございます! 評価してくださると、作者の励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ