第18話『暴食の暗黒王女スライム その1』
学校に帰った後、『パソコン型グリモワール』である『パソグリ』を操作する。
俺のランクは42まで上がった。
うん、順調だ。このままいけば1年以内には100ランクまで行けるだろう。
そうすれば、URであるルピナスを解放できる。
ランクも42まであれば、2体目のSSRを解放しても大丈夫だろう。
では、もう一人のSSRキャラを解放してみよう。
『暴食の暗黒王女スライム ビナ・ヴァイム』
『嫉妬の火炎竜女帝ロザリンヌ・ベルル3世』
『純潔の天女人魚マリン・チャイム』
『勤勉の白銀魔狼ルグ・フェンリル』
所持しているSSRキャラの中で、セイラの次に気になるキャラは、『暴食の暗黒王女スライム ビナ・ヴァイム』
よし、これにしよう。
クリック。
『パソグリ』画面から、とてつもない何かを感じた。
「主様! とてつもない力を感じます!」
「だよね!」
画面から黒い靄が出てきて、俺の胸に触れる。
ぞわり、ぞわり、ぞわり――
俺はお腹も背筋も凍った。
ぐぅ~
画面からお腹の音がなる。
「逃げてください! 主様!」
「いや、大丈夫だ!」
逃げるわけにはいかない。
逃げたら取り返しがつかないと思う。
完全に俺の勘だが。
「ビナ・ヴァイム! 俺を主として認めてくれ! そしたら、食べ物をあげるから!」
『……!!』
これは俺の予想だが、ビナ・ヴァイムは食いしん坊キャラに違いない。
『暴食』の名があるからな。
画面にふと、女性が映しだされた。
紫の髪はショートカット。アメジストのような紫色の瞳。
その目はギラギラと異様な光っていた。
整った顔立ちで、地雷系な感じ。
どことなくヤンデレなオーラを醸し出している。
地雷系女子が画面から抜けだし。その女子は俺に抱きつき、その拍子に後ろの方にひっくり返る。
「主様!!」
床に頭をうちつけそうになったが、セイラが俺の頭を支えた。
俺は驚愕する、俺の操作なしで勝手に『パソグリ』かれ出てくる事は、普通はありえない。
「食べ物、くれるの!?」
「……!」
「くれるの!? くれないと、君を食べちゃうよ??」
「主様に危害を向けるなら斬る!!」
セイラは異空間から剣を取出し。鞘から剣を引き抜く。
「ちょ、ちょっと、待って、セイラ!!」
ここで戦闘はマズい!
「ちゃんと! 食べ物! あげるよ!!」
俺は真剣な眼差しでビナ・ヴァイムを見る。ビナ・ヴァイムはカット両目を見開き、ギラギラと目を光らせる。
「本当に!? 絶対くれる??」
「うん、あげるから! と、とりあえず、離れてくれないか?」
「わかった!!」
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