第15話『キャラトピアへ行こう! パート3』
俺は、ウネちゃんとセイラ、花輪囲さんの元へ駆け寄る。
「あの~」
「主様!」
「やっと来た!」
「すまない、2人とも!」
俺は申し訳ない気持ちで彼女の元に行く。
「遅いよ、空音!」
ウネちゃんはプンプンを怒っている様子だ。
アホ毛でバシバシと俺を叩く。
「主様~!」
セイラは俺を抱きしめる。
「せ、セイラ! ちょっと……!!」
「すいません! 主様! 不良にからまれていました!」
彼女は「不覚でした!」と叫ぶ。
「お、おう、こちらこそ、すまない!」
助けに行くべきなのに、ビビって、動けなかった。
我ながら、臆病だなと、反省する。
「野郎共を退治をすべきでしたか?」
「超手加減するなら、ありだな」
「そうでしたか!」
そう言って、ぎゅーっと俺を抱きしめてくる。
セイラのお胸が当たっていますよ!?
「八雲くん」
「あ、花輪囲さん!」
セイラを体から引き剥がし。
「もしかして、彼女達のマスターなの?」
「うん、そうなんだよ! あの、彼女を助けてくれて、ありがとう! 花輪囲さん!」
俺はお礼を伝える。
「どういたしまして!」
花輪囲さんは笑顔で答える。
うわぁ~、可愛い。
桜色の長い髪、青い瞳。整った顔。
軍服をモチーフにした服装がとても似合う。
それにしても、彼女は優しいな。見ず知らずのキャラを助けるなんて。
俺にはできない事だ。
「もしよかったら、フレンド登録しない?」
花輪囲さんが、おずおずとした感じで言う。
「え? いいの? 花輪囲さん?」
こんな、俺を?
「だって、クラスメイトだし……なんか……うん、ダメかな?」
もじもじ、しながら花輪囲さんが言う。
「はい、喜んで!」
「え、いいの?」
「もちろんだよ!」
だって、うちのウネちゃんとセイラを助けてくれた恩人だもん。
それに、多くの生徒に愛されているうちの学校の美女だ。男として断るという選択肢はない。
「じゃあ、さっそくフレンド登録しよう!」
「うん、しよう!」
そして、お互いフレンド登録をする。
「ねぇ、八雲くん達はこれから、何をするの?」
花輪囲さんが言う。
「セイラに『キャラトピア』を案内しようと思うんだ」
「はい、わたしがセイラです!」
セイラが手を上げる。
「あなたがセイラちゃんね。私は花輪囲優美よ」
「花輪囲様ですか、よろしくお願いします!」
セイラはいつものお辞儀をする。
「うん、よろしくね!」
「優美ちゃん、こんにちはわ!」
ウネちゃんが挨拶。
「水の精霊ウンディーネのウネちゃんよね?」
「え? 知ってるの?」
ウネちゃんは目を丸くさせる。
「うん、ウネちゃんは、ちょっとした有名人だから」
「そうなのッ!?」
ウネちゃんは驚く。
「うん、ウネちゃんは。よく、ボランティアとかもするからね、偉いなと思って」
「ふふ、ワタシの時代の来たのね!」
腰に手を当て、ポーズをとる。
「こら、調子に乗るな!」
俺はウネちゃんの頭にチョップする。
「痛いよ!」
花輪囲さんは「ふふ」と笑い。
「じゃあ、私もセイラちゃんの案内、手伝うよ」
「いいのですか?」
セイラが驚き、言う。
「もちろんよ!」
花輪囲さんは笑顔で言う。
それから俺達は花輪囲さんの案内を受けた。
「ここは武器と防具を購入できる店よ」
「ほお、すごいですね」
「中に入りましょ」
そして、武器防具やの店の中に入った。
たくさんの武器や防具が陳列されていた。
安いモノから高級品まで幅広く売られている。
俺とウネちゃんは、弱い装備だが、武器防具は、一通り揃えている。問題は、セイラの装備は 整っていない。セイラは初期装備のままだ。
まあ、セイラの初期装備は結構、レアな武器防具なので、今は無理して買わなくてもいいのだが。ちゃんと、揃えたいよな。
「ねぇ、八雲くん」
「ん? 何ですか、花輪囲さん」
「フレンド登録、祝いとして。私が武器とか防具をプレゼントしてあげる」
「いや、いいっすよ。悪いですよ」
「遠慮しないで。これはわたしの気持ちよ。ぜひとも、プレゼントさせて? ね?」
これ以上、断るのも逆に失礼か。
「ありがとうございます! では、もらいますね」
「うん!」
やっぱり、いい人だ。
美人なうえに、性格もいい。
完璧じゃないか。
読んでくださり、ありがとうございます! 評価してくださると、作者の励みになります!