第13話『キャラトピアへ行こう! パート1』
次の日、日曜日。
今日も横浜巨大迷宮に潜ろうと思っていたのだが、セイラに他の大事な場所を紹介した方がいいと判断し、予定を変更。『キャラトピア』に行く事にした。
「『キャラトピア』というアプリがあってね。そこにログインして中に入ると、キャラ達やプレイヤーが自由に遊んだり、冒険したりできるんだ」
俺は説明する。
「そんな所があるんですね」
セイラは正座し、メモ帳にペンを走らせる。
彼女は青い瞳、長い金髪は一つに束ね、服装は軽いアーマー装備である。
「そう、たくさんのお店や冒険者ギルド、病院や学校とか、いろいろあるんだー」
ウネちゃんも説明に加わる。
ウネちゃんは、いつも通り、水色のツインテールに白Tシャツとジーパンである。
「ゲームなんですか?」
「そうだね。ゲームなんだけど、仮想現実ある『キャラトピア』で訓練とか、魔物を倒したりすると、現実世界でもレベルやステータス、プレイヤーランクに反映されて、強くなれるんだ」
「では、仮想現実は本物の世界でもあるという事ですか?」
「どういう原理なのかは、ゲームの制作者に聞いてみないとわからないけど、現実の肉体と仮想現実の肉体にスピリットコードというモノで繋げる事によって。そういう事が可能らしい。スピリットコードは普通の肉眼では見えないコードだ」
「なるほど」
「仮に仮想現実で攻撃を受けたり、うっかり魔物に殺されても。現実世界の肉体は死なないし、無傷だ。だから、思いっきり魔物と戦う事ができる。それに、何か問題があれば、スピリットコードがはずれ、強制的にログアウトするようになっている」
「素晴らしいですね! 死亡リスクがなくなり、格上の魔物と戦えます! そうなれば、レベル上げも格段にしやすくなりますし、レアなアイテムを入手しやすい!」
「その通りだよ。だから、わざわざ現実世界の迷宮に潜らず、『キャラトピア』で冒険し、レベル上げやレアなアイテムをゲットする、ゲーム一筋のプレイヤーは、結構、多い」
「そうなんですね」
「だからといって、現実世界の迷宮に何のメリットがないわけじゃない」
「そうだよー! 超貴重な霊宝石や『キャラトピア』では入手できないアイテム、武器、装備、いろんなモノが手に入るのー!」
「命をかけるだけの価値あるモノが現実の迷宮に、たくさんあるんだ!」
俺が所持している特殊な腕輪もその一つである、この特殊な腕輪は幸運が爆上げする超レアアイテム。横浜巨大迷宮で手に入れたのである。それと、莫大な霊宝石が手に入ったのも現実世界の迷宮のおかげた。
「そっそく、行こうよ! 『キャラトピア』へ!」
ウネちゃんは、紹介したくて、しょうがない様子だ。
「そうだな」
俺は頷く。
「はい! ぜひ、行かさせてください!」
セイラも行く気まんまんだ。
「肉体のダイレクトダイブは禁止されていて。プレイヤーはアバター(仮の肉体)を通して、操作する。キャラに関してはダイレクトダイブしてもいいんだ。てか、ほとんどのキャラ達はダイレクトダイブなんだけどね。よし、まあ、実際に行ってみよう!」
『パソコン型グリモワール』を操作。
「じゃあ、先に『キャラトピア』にダイブしてくれ。『始まりの町』にある大きな銅像の前で待っていてくれ」
「わかったー!」
「かしこまいりました!」
ウネちゃんとセイラを『パソグリ』に転送。『キャラトピア』に送り込む。
俺はVRゴーグルを頭に装着。
起動ボタンを押す。
『キャラトピア』←
《キャラトピアへダイブしますか?》
【はい】【いいえ】
「はい!」
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