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第12話『温泉ランド』


 俺達は横浜巨大迷宮ヨコハマジャイアントダンジョンから出て、近くにある温泉ランド行った。

 

 そこでシャワーで体の汚れを流し、温泉にドブンと入る。

 

 セイラ、すごかったなぁ……

 

 SSRキャラは想像以上にすごい存在であった。

 ホーリーランスやホーリーレイン。マジでチート級の強さだ。

 

 温泉から出て、脱衣所だついじょでバスタオルで体をふき、綺麗な浴衣に着替きがえる。

 受付の近くにある待合室に向かう。

 

 まだ、彼女達は入浴中にゅうよくちゅうだろう。

 女子のお風呂は長いだろう。

 

『スマートフォン型グリモワール』である『スマグリ』を操作。自動販売機じどうはんばいきでタッチ決済。炭酸飲料水たんさんいんりょうすいを購入し、飲む。


「ああ、おいしい……!」

 

 口の中ではじける炭酸、最高です!

 

 待合室のソファーに座り、ダンジョンの事を思い返す。

 セイラは、やはりSSRキャラだけあって、滅茶苦茶、強かった。

 第4層のエリアボスを簡単に倒してしまった。

 これなら、10層のエリアボスさえ、余裕で倒せるんじゃないだろか?

 いや、もっとか?


『スマートフォン型グリモワール』である『スマグリ』をいじるっていると。


主様あるじさまー!」

 

 セイラが走ってきた。


「お、セイラじゃないか、もうお風呂は終わったのか?」

「はい! 主様をお守りしなくてはならないので、早めにあがりました」

「そうなのか」


 浴衣姿が、眩しい。

 特にお胸が。


「もう、セイラ、早いよ!」


 ウネちゃんも走ってきた。


「もう、セイラは、はやすぎよ!」

「申し訳ない、ウネ先輩。だが、主様を待たせてはいけない」

「ハイハイ、わかりました!」


 ウネちゃんは、少し呆れた顔で、パンパンと両手を叩く。ウネちゃんの浴衣姿も素敵だ。


「二人とも、何を飲むか? ジュースか? それとも紅茶やコーヒーとかか?」

「ハーイ! ワタシはスポーツドリンクがいい!!」

「セイラは?」

「主様、ここは私が購入いたします! 主様は何をお飲みになりますか?」

「さっき、炭酸飲料を飲んだんだ。だけど……もう一本、飲むか。アイスティーでいいや」

「かしこ参りました!」

「で、お金はあるのか?」

「竜金貨があります」

「残念だけど、日本円じゃないと使えないんだ」

「そうですか……」


 セイラはショボンとする。

 お、可愛いな。

 いじりたいが、ここは我慢。

 俺はバックから財布を取出し、セイラに現金の千円札を渡す。


「はい、これお金ね」

「いいのですか?」

「もちろんだよ」

 セイラは申し訳そうな表情になる。 

「ふふ、ウネ先輩がついていってあげる」

「頼むぞ。ウネちゃん」

「はーい!」

「ほら、セイラ行くよ!」

「はい! ウネ先輩!」

 

 そういって、ウネちゃんとセイラは自動販売機じどうはんばいきの所に行った。


「おーい、空音そらねぇ!!」


 俺に向かって手をふる男子がいた。

 そして、小走りでこちらにやってくる。


「あ、輝喜てるきじゃないか!」

 

 マズい、輝喜がいたのか。


「空音はもう、温泉に入ったんだな」

「ああ、そうだよ。輝喜も入りに来たんだね」

「ああ、そうだぜ」


 肩まである茶髪。耳にたくさんのピアスをつけている。

 顔は整っており、スタイルもいい。

 背は176センチで。俺より少し背が高い。

 俺の中学生からの友人。茶良輝喜ちゃら てるき

 そして、遅れてやってきたのは。


「オサムじゃないか! 元気か?」

「元気だ。空音」

 

 背は182センチの長身。

 見た目は30代の男性に見える。

 黒髪黒目で端正たんせいな顔立ちをしている。

 長身でスタイルが滅茶苦茶、いいため、読者モデルにスカウトされた経験は多数だ。

 こちらも、中学生からの友人。遊園時オサム(ゆうえんじ おさむ)


「そっか、そっか~」

「空音。ダンジョンに潜っていたのか?」

 

 低音ボイスで質問された。そう、オサムって声もいいんだよね。

 それは、置いといて。

 オサムに触れて欲しくない事を聞かれ、俺は戸惑とまどう。


「あ、それは……」

 

 俺は思わず、目をそらす。


「おい、空音! おれ、チャットでガンガンに誘ってたじゃん!一緒に、ダンジョンに潜ろうって!」


 輝喜がプンプン怒りだす。


「空音。他に冒険者仲間がいるのか?」


 オサムは腕を組み、少し真剣しんけん眼差まなざしで問う。


「それは……」


 マズい! セイラの事は話せない。

 もし、セイラの事を話せば、根掘ねほ葉掘はほり聞かれるのは、間違いない。


「空音~! 買ってきたよー!」

「主様、購入しました」


 二人とも返ってきてしまった!


「おお! ウネちゃん! こんちわー!!」

「こんちわー、チャラちゃらてる

「ウネちゃん! 今日もきゃわいいねぇ! 温泉上がりのウネちゃん、色っぽくてセクシーだよ~(ハート)」

 でました! 輝喜のチャラモード。


「まあ、ワタシって、美女だからねぇ~、顔もスタイルもいいし。それに、超、性格いいし!」

 

 そう言って、ウネちゃんは水色の長い髪を色っぽく、かきあげる。


「で、そちらの方は?」


 オサムに聞かれた。


「ああ、彼女ね……」


 どう説明しよう。


「はい、わたしはセイラです。空音様の騎士でありしもべです」

「そうなのか……」


 オサムは少し、驚き、俺の方を見る。

 うう、オサムの目線が痛い。きっと、しもべとは何だ? 早く、説明よこせと言いたいのだろう。


「彼女が空音の新しい彼女か!! すっごく美人じゃないかッ!!」

「おい! 彼女とは付き合ってないぞ!!」

「今はな!」


 オサムが言う。


「『今はな!』じゃねぇよ!」


 俺は思わず、ツッコミをいれた。


 確かにセイラは美人だし性格もいい。告白でも、されたら断れる自信はないが。


「うん、実は、最近、キャラをゲットしたんだ。そのキャラっていうのはセイラで、その子と一緒にダンジョンに潜っていたんだ」


「何だ! そういう事か! それなら、最初からそう、話せよ!」


 輝喜は俺の肩をポンポン叩き、笑う。


「新しいキャラをゲットか、ウネちゃん、嫉妬しっとしちゃうだろ?」


 オサムはちょっと意地悪そうな顔でそんな事を言う。オサム、余計な事を言うな!


「オサム、ワタシをからかうのを、止めなさい! ワタシはセイラの先輩よ。嫉妬なんかしないわ。それに、空音とは小さい時から一緒なの。ワタシの方が格上なの!」


 ウネちゃんは、ビシッとオサムに向けて指をさす。

 


「ふっ、そうか。まあ、頑張れ」


 オサムは鼻で笑う。


「キーーーッ!! この、オサムオジサン魔王め!」

「まだ高校生だ。オジサンじゃない、大人っぽいだけだ」


 あいかわらず、オサムはウネちゃんをからかうのが好きみたいだ。


 輝喜は吹き出し。


「オサムはウネちゃんをオモチャにするとは、悪い男だな」

「そうだな」


 同意である。



 どうにかこうにかして、俺は輝喜達と別れ、家に帰宅。

 俺は、すごく疲れました。





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