第10話『セイラの強さ パート2』
次は第2層だ。
第1層と同じ弱いノーマルスライムと第2層からは、ツノウサギが出てくる。
ツノウサギはホーンラビットとも言われている。
小さなウサギで可愛いのだが、よく狩っているので、心苦しい気持ちはなくなり、なれた。
俺達はツノウサギを軽々と倒していく。
それも、一発でだ。
セイラはウネちゃんみたいに、偉ぶる事もせず、淡々《たんたん》と倒して行く。
エリアボスであるツノウサギ(中)を倒す。
第3層はアリである。
レッサーアントという、大きなアリだ。サッカーボールぐらいの大きさで、体は少し硬い。群れで生活する習性があるので、5体以上で襲ってくる事が、多い。
仲間を呼ぶ場合もあるので、20体以上で襲ってくる時もある。舐めていると大怪我をする、やっかいな相手だ。
第2層のノーマルスライムとツノウサギも出現する。
そろそろ、魔法を使ってもいいだろう。
「セイラ。魔法スキルを使ってみてくれ」
「承知しました!」
1匹のレッサーアントが気づき、襲ってくる。
「《ホーリーランス(聖なる槍Ⅰ)》」
魔法円から金色のオーラをまとった槍があらわれ、レッサーアントに向かって放たれる。
ズバンッ!!
レッサーアントに着弾し、浄化され、光の粒子となった。
速すぎて、何が起きたのか、理解が追いつかなかった。
「……」
「……」
俺とウネちゃんは唖然し、かたまった。
こりゃ、オーバーキルじゃないか?
「どうでしょうか、主様?」
「うん、強いね」
「お褒めの言葉、ありがとうございます!」
そう言って、セイラはいつもの辞儀をする。
「よし、俺も使ってみるか!」
セイラと魔導契約をしているので、俺も使えるハズだ。
「《ホーリーランス(聖なる槍Ⅰ)》」
魔法円から光の槍があらわれ、レッサーアントに向かって放つ。金色に輝く、聖なる槍が敵に着弾。
一瞬で消滅した。
「すげぇ!」
「お見事です!」
「他に何が使える?」
「ホーリーレインが使えます」
レッサーアントが5匹で襲ってくる。
「ホーリーレインも使ってみてくれ!」
「承知しました」
「《ホーリーレイン(聖なる雨Ⅰ)》」
光の雨が5体のレッサーアントに向かって降り注ぐ。
ザザザザザザアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
レッサーアント達は断末魔さえ、あげる時間もなく消滅。
アイテムがドロップされた。
これもまたオーバーキルだな、こりゃ。
「セイラ、なかなか、やるじゃない!」
ウネちゃんは、上から目線でセイラの肩を叩く
「それほどでもないです」
セイラは謙虚に答える。
ウネちゃん、アホ毛がもっと震えてるよ。
そして、俺もスキルを試す。
「《ホーリーレイン(聖なる雨Ⅰ)》」
光の雨が降り、10体いたレッサーアントは消滅。アイテムをドロップする。
10体のレッサーアントを、一瞬で倒せるなんて爽快じゃないか。
癖になりそうな魔法だ。どんどん使いたくなる。
エリアボスのレッサーアント(中)×3も、あっさり倒せた。
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