第9話『セイラの強さパート1』
横浜巨大迷宮に到着。
休日という事もあり、利用者でいっぱいである。
俺はD級冒険者である。
ジョブはウィザードⅡ。第2次職だ。
『ウネちゃん、到着したよ』
『うん、わかった!』
『スマートフォン型グリモワール』である『スマグリ』を操作。
水の精霊ウンディーネこと、ウネちゃんを外に転送。
ウネちゃん地面に綺麗に着地し、スケート選手のように一回転。
「ウネちゃん、参上!!」
ポーズが見事に決まり。ウネちゃんはテンションはアゲアゲである。
ウネちゃんの装備は、魔術師が着る、土属性の攻撃魔法に耐性のあるローブにクロコダイル皮の服。下半身は伸縮性のあるジーパンにクロコダイル皮のブーツだ。武器は水精霊の杖である。
俺とセイラはあえて弱い装備だ。初心者のような装備でセイラがどれくらい強いか確かめたいのと、セイラと魔導契約した俺の強さも知りたい。
俺達はダンジョンの受付に行き、手続きを行う。
手続き終え、さっそくダンジョンに潜る。
第1層に行く。
第4層までのエリアボスを倒しているので、転移門で第5層にあるスタート地点に転移できるのだが。あえて、第1層から始める事にする。
セイラはダンジョンに潜るのは初めてじゃないらしいが、ここは能力や強さを確かめるため、あえて第1層からだ。
ノーマルスライムが出てきた。
色は水色でスライム状である。ぽよん、ぽよんと弾みをつけながら、近づいてくる。ごく普通のスライムで、このダンジョンで一番弱いスライムだ。
「まずは俺からな」
剣で斜めに斬る。
ノーマルスライムは真っ二つになり、光の粒子となって消えた。
ノーマルスライムを一発で倒す。
倒したノーマルスライムからアイテムがドロップ。
ドロップしたものは『スマートフォン型グリモワール』である『スマグリ』に自動転送される。
「おおっ! 素晴らしいです主様!」
「まあ、ノーマルスライムだからな」
MPを消費したくないので、あえて剣で戦うのだ。
ダンジョンではMPの節約も重要である。なるべく、剣などで倒していくのが攻略方法の一つだ。
セイラにもノーマルスライムを倒させる。
彼女は剣の達人じゃないかっていうくらい、目にも止まらぬ早さで、ノーマルスライムを斬る。
「すごいじゃないか!」
俺は思わず拍手する。
敵が弱いとはいえ、素晴らしい剣術である。
「お褒めの言葉、ありがとうございます!」
彼女は軽くお辞儀し感謝を述べる。
「ノーマルスライムだもの。これくらい、できて当たり前よ」
ウネちゃんは腰に手を当て、上から目線で言う。
水の精霊であるウンディーネのウネちゃんは、そんな強気な事をいうが、内心、ビビっているだろう。アホ毛が震えているぞ。
奥まで行き、大きな扉を開く。
そこには、エリアボスであるノーマルスライム(中)が待ち構えていたが、一発で倒す。
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