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VERTEX 4  作者: 銀乃矢
12/23

第11話「復活」

迎えたイギリスラウンド。


チームが変わった永野は水を得た魚のようだった。


2位の松下を10秒近く引き離しての圧勝を飾ってみせた。

「…駿…強くなっちゃったな…」


遠くで1番にゴールした永野のマシンはひときわ輝いて見えた。



「駿、やったじゃん。おめでとう。」

「ヒロくんこそ。これでお互いF2で表彰台に上がったね!」

「だな、これで3対1だな。」

「なに、勝負してたの?」

「そりゃあな。」


「じゃあ、また表彰台でね。」

「おう。」


2つの日本国旗が表彰台に上がり、その下に永野と松下が立つ。


多くのモータースポーツファンたちはこの瞬間を望んでいただろう。

「駿、シャンパンの時間だ!」


実はここまで2人同時に表彰台に上がったことはなかった。

そのため、お互いに嬉しくもあった。


シャンパンファイトをした後、お互いにハグをした。

「おめでとう、駿。」

「この調子なら、ヒロくん抜けるかもね」

「なにを〜?」


再び、ボトルの中にあったシャンパンを背中に流し込む。

「ひゃあぁ、冷てぇぇ」

その場でピョンピョン飛び跳ねていた。



表彰式を終えて、一旦自宅に戻ろうと駐車場に向かったとき、後ろから声をかけられた。

「あ、ノア、おつかれ」

「おう、新しいドライバー、すごいな、バケモンだ。」

「へへ、俺と日本で高め合ってきたドライバーだからな。あいつは速いよ。」

「今日だって圧勝だったじゃないか。」

「俺でも追いつけなかったよ。」

「ヒロキでも追いつけないなんて、速すぎるな。」



「話は変わるんだが、新しいハリソン・ジャクソンだっけ?あいつはどうだ?」

「あ〜…あいつはダメだよ。」

「なんかあったのか?」

「わがまま放題のやばいやつだよ。指示も聞かないし。」


レース中も接触寸前のハプニングがあった。

レース12周目、レースも折り返し。

「前のやつは周回遅れ?」

『前のハリソンは周回遅れだ。彼にもお前を行かせるように指示している。』

「了解」


そうして追い抜こうとしたとき、前を走るマシンが自分のラインにかぶせてきたのだ。

「****(自主規制)!危ないぞ!ぶつかるとこだった!何やってるんだ!」

『落ち着いて、落ち着いて。またパス(追い抜き)するタイミングは来る。とりあえず、バックストレートまではそのまま行こう』

「…了解」


ピットインでもひと悶着あった。

『松下を先にピットインさせる。だから、このインラップはプッシュ(攻める)して。』

「了解」


そうしてピットレーンに入ると、先にもう1台が作業していた。

『ステイアウト!ステイアウト!』

「おい!おかしいだろって!俺が先じゃなかったのかよ!」

『こっちも指示したんだがな…勝手に入ってきやがった…』

「まじかよぉ…」

頭を抱える。



「とまぁ、こんな感じかな。」

「結構ワガママ放題だな。そのうち、同士討ちとかあるんじゃない?」

「縁起でもないこと言わないでよ〜」


次はF2のシーズンの中でモンツァサーキットと並ぶハイスピードステージとなるベルギーのスパ・フランコルシャン。


ここで事件が起きてしまう。


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