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異世界少女と無能の現代異生活  作者: たんぽぽ3号


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43/48

クズ、ギャンブル、お金がなーーい!



再び入り口へと戻り、ハルさん達が幅を利かせている地域と反対側へ向かった。

そこは廃墟っぽくなっていたハルさんのとことは違い、キラキラが目につきそこかしこで客引きや潰れてる人たちが存在している。


ちなみに帆哭さんは顔が整ってるしまた絡まれても面倒だからナツからフユ姉の帽子とサングラスを借りて変装してもらった。


おかげで道行く人には俺しか目に入らないようで楽に道を歩けている。



「お兄さん! よかったら遊んでいかない!?今なら最初の30分は無料で遊べるよ!」


「マジで? ちなみに今日の顔ぶれは、、、。」



ーーバゴンッ!



「何で引っかかてるんですか、早く行きますよ。」



頭を叩かれて地面にめり込んだ俺を客引きの兄ちゃんがドン引きしたように見つめる。帆哭さんに首根っこを掴まれながら人参の様に引き抜かれ、ズルズルと引きずられているとあら不思議、客引きの兄ちゃん姉ちゃん達も声をかけてこなくなったよ。


引きずられながら後ろを歩いてるエリスを見るとなんとも言えない顔を浮かべていた。なんだよ、助けてくれ。



「彼はよくカジノにいると言ってましたね。確か大通りを抜けないと。」



帆哭さんが先導しながらそう呟くと前の店から人が転がり出てきた。

思わず足を止めた帆哭さんは俺を手放し、俺は頭を地面に打ち付ける。



いったぁい



「た、たのむ!もう金はないんだ!」


「だったら臓器でも売ってこい。こっちだって慈善事業じゃねえんだ。返すものは返さないとな。」



おぉ、すげえ闇金と債務者みたいな光景だ。多分そのとおりなんだろうけどなんで金貸しのほうが困ってそうなの?



「そうやって返しても利子で増え続けるじゃないか!」


「そう言うのは一回でも返してから言いやがれ! お前1年も待ってやったのに利子無くしてくれなんて無茶苦茶だぞ!?」



・・・あれ? この状況で金貸しの人の方がまともなことなんてあるんだ。普通に借りた方が悪いじゃん、、、。


ボロボロの服を着たてっぺんだけハゲてるロン毛のおっさんは首根っこを掴まれてビルの中へと引きずられていった。

それを俺たちは無言で見送る。



「・・・助けんのか?」


「なんだろう、自業自得だしいいんじゃない。」


「いいから行きますよ。」



・・・なんだったんだろうね、この時間。



「いやぁ、また蛇紋さん連れて行かれたね。」


「仕方ないでしょ、あの金貸しでもう何件目よ。」


「もうそろそろ本当に売られるんじゃない?」


「誰があのジジイの臓器買うんだよw」



周りのざわめく声に知ってる名前が出てきて俺たちは顔を見合わせた。



「「「嘘だろ(でしょ)!?」」」




・・・・・。

・・・・。

・・・。



「・・・っち、分かったよ。じゃあ今回はあんたらがこいつの金を持ってくれるんだな? まぁこっちとしてもこのジジイに期待するよりはるかにマシだけどよ。」


「いやぁ、悪いな兄ちゃん姉ちゃん、ところであんたなかなかの美人さんだけどこれから酒でもどうだ?」


「ーーくっ! 生ごみが!」


「姉ちゃん口悪いなぁ。」



あの帆哭さんが歯を食いしばりながら金貸しに金を渡している。

いやぁ、三者三様な反応が面白いなぁ。


ジジイは助かるなぁって安堵して金貸しは憐れんだ目を向け、帆哭さんは普通にキレてる。



「てか姉ちゃん誰だ? 見知らぬ俺の借金返してくれるとかあれだろ、一目惚れってやつだな?」


「ぶっ◯す!」


「帆哭さんストップ、ストーップ! いつもの冷静さが吹っ飛んでますよ!? てか一般人に間違っても手は出さないでください!」


「照れるなよ、誰しも勇気を出すのは恥ずかしいもんさ。」


「名木田君、冷静になりました。安心してください、必ず隠蔽してのけますから。」


「完全犯罪を計画しないでくださいよ!? てかオッサンは黙っててくれ!」



目が据わり始めた帆哭さんを必死に押し留める。

なんでこんなややこしいことになったんだろうね。ハルさんがうざいって言ってたのはこういう事かー。


思いっきり俺の手首が折れ曲がりそうに力が込められ始めていたらエリスがヤレヤレと首を振る。



「・・・非常に関わりたくないな。帰ってもよいか?」


「言い訳ないよね? お前はいいから帆哭さんを抑えてくれ、頼む。」



普通に逃げ出そうとするエリスの肩を掴む。

すると認識阻害の効果が切れて他の人にもエリスの姿が晒された。



「おおっ!? めちゃくちゃ可愛い嬢ちゃんが出てきたじゃねえか! ほら嬢ちゃん、お金あげるからこっちおいで。」


「・・・いま金ないと言っておったばかりであろう。」


「また借りればいいべ。」


「・・・・・クズジジィ。」



おぉ? エリスから初めてひどい罵声が出たな。

これを引き出させたこのジジイやるな、いや馬鹿なだけかもしれんけど。



「お嬢さん、このおっさんは金ないけどあんたなら金持ちになれるぞ。俺たちと仕事しないか?」


「金持ちになれるというのは心が揺らぐの。」


「揺らいでんじゃねぇ! 頼むから収拾付けてくれよこの状況!」



金貸しにもスカウトされ始めたエリスを叩きながらなんとかこの場を収拾して外に出る。

また騒がしい喧騒の中へと戻り、少し落ち着いたらおっさんは帆哭さんの前に手を差し出した。



「さ、じゃあこっちのホテルに、、、



ーーバキィッ!



「ぶっぺら!?」



あ、ついに限界が来たね。

帆哭さんが一般人に手を出すなんて初めて見た気がする。もう一種の才能だよ、悪い方のね。


殴り飛ばされて転がったオッサンはゴミ溜まりに突っ込み、ゴミを纏わせながら立ち上がる。



「・・・ひふぁある?」



鼻ある? 血がダクダクあふれてるけどあるから大丈夫じゃない?



「ふぁー、いってぇ、おいおい姉ちゃん、こりゃ慰謝料もんだぞ。」


「わかりました、慰謝料分ボコボコにしますので幾らか教えてください。満額払いましょう。」


「じょ、冗談じゃねえか。」



拳を鳴らしながら迫る帆哭さんに蛇紋はビビりながら後退る。すごいよね、金払うから殴らせてくれなんてよくそんな発想が出てきたよな。



「つーか、あんたら俺になんのようだ? 借金肩代わりしてくれるほど魅力的なのはわかるが一夜の夢に終わるぜ?」


「夢から覚めなくしてやります。」


「・・・帆哭さん、会話にならないので代わります。」



ただ相手を殴ることに神経を注ぎ始めた帆哭さんに代わって俺は蛇紋に酒瓶を投げつけた。



「・・・なんだこれ? 薬か?」


「ちげえよ。ハルさんからの贈り物だよ。」


「・・・・・あぁ、あんたらハルさんの知り合いか。ちなみにあまり名前を言わないほうがいいぜ、どこでハザードどもに聞き耳を立てられてるか分からないからな。」



ん? あぁ、確かにここはハザードファミリーの支配地帯だしファミリーのトップであるハルさんの名前を出すのはあまりよろしくないか。



「てことは、、、よしならこっちに来い。」



蛇紋はゴミを乗り越えて裏の方に向かおうとする。



・・・どうしよう、すごくついて行きたくない。ほら後ろの2人見てみ、露骨に嫌そうな顔してるから。


でも仕事だし、貴重な情報源なので2人は渋々ついて行く。普段だったら貞操が危なそうだしついて行かないのが大正解だけどこの2人なら反撃できるか。


仕方なく俺たちもゴミを乗り越えて蛇紋の後についていく。鼻が曲がりそうなゴミの生臭さに耐えながらなんとか鉄網を越えて仮設っぽいはしごを登ると建設途中のビルの吹き抜けへと案内された。


ドラム缶が3つくらい置かれ、その真ん中に適当に置かれたベットと服に酒瓶。生活感のある空間に俺は「なるほど?」と感じながら立ち止まる。



「いらっしゃい、俺様の借宿へ。」


「・・・借宿? ここに住んでるわけじゃないのか?」


「んー? 適当に寝泊まりしてるだけだな。何個もあるうちの一つに過ぎねぇよ。つーかこの街に住んでる連中は基本根無し草ばかりだぜ?」



よっぽど愛着湧くように綺麗にしてなければそこに居座ろうなんて思わないか。

適当に食って寝て遊んで近い所で寝る、、、。うん、ろくでもねぇな、嫌いじゃないけど。



「よっこいせ、まぁ適当に腰掛けてくれ。」


「・・・適当も何も地べたしかないじゃないですか。」


「何なら俺の膝でもいいぜ? 姉ちゃんや嬢ちゃんなら大歓迎だ。」


「地べたのほうが綺麗なので遠慮します。」



冷たく言い放つ帆哭さんの返答に笑いそうになる。

オッサンは気にしてないのかな?って様子をうかがうと「やれやれ、照れなくていいのによぉ。」と肩をすくめているので無視してよさそう。


帆哭さんはほこりを払ってその場に座り、俺も適当に胡座をかく。エリスは座ったりはしないで仁王立ちで話を聞く気みたいで眼鏡だけを外して静かにしていた。


・・・珍しく静かだけど話したくないからかなぁ?



「んで、俺に何を聞きたいんだ? 無償で助けてくれるほど人生甘くねえことくらい分かってる。ある程度のことは協力してやんぜ。」


「そりゃどうも、聞きたいのは幽世渡りノ箱がどこで量産されてるのかとあとはハザードファミリーの中枢への侵入方法はないか教えてもらいたい。」



素直に聞きたいことを質問すると、蛇紋は嫌そうに顔を歪めた。



「幽世渡りノ箱って、あの黒い箱か? おいおい、アレの名前を知ってるのなんてハザード連中の幹部くらいだぞ。」


「むしろあんたはよく知ってるな。」


「そりゃまぁ幹部と酒組み合わすくらいの仲だからなぁ。」



そう言いながら何か考え込むように口に手を当てながら肘をついて考え始めた。無理とか言わないで素直に考えてくれるんだな。



「何か方法はありますか?」


「・・・姉ちゃん嬢ちゃんが色目を使えば一発だな。」


「名木田くん、やっぱり一回しばきましょうこいつ。」



無表情でこちらを見てくる帆哭さんが怖い。もう蛇紋に振るう暴力への戸惑いがなくなってきてるね。


そんで言われた当の本人は慌てたように手を振った。



「待て待て待て! 違うんだって、割とマジな話なんだ。あの箱はハザードの本拠地『金剛城』で作られてる。そこに入るのに下積みから始めちまってたら何年かかるか分からねえぞ。」


「・・・それで幹部に色目を使って中に入れてもらへと?」


「あぁ、別に中に入れれば床の相手なんかしなくてもいいだろ? だからまずは侵入、それが一番時間がかからなくてシンプルだ。」



慌てた蛇紋の説明に一理あるのか帆哭さんは黙り込む。確かにグリーンパイソンが事を犯そうとしてるのはまだ先だが時間が有り余っているわけじゃない。下手にここで時間を食うわけにはいかないし彼の提案は魅力的と言えた。



「・・・わかりました、ではその幹部に会わせてもらえますか?」


「いやそりゃ無理だ。」



せっかく嫌々ながら納得したのに否定されて帆哭さんがまたイラッとした顔をしている。


ほんと怖いんでやめてくれませんかねぇ。



「基本幹部どもは表に出てこないんだよ。俺が前に飲めたのはでっかい祭りがあって連中が外に出てきてくれたからだ。正面から行ったんじゃ怪しまれて中に入れてもらえねえ。」


「ならどうしろと?」


「金だ、金を積むんだよ。大金と可愛い美人を連れていけば幹部にも会えるし下手したらエラードにも会うことができるぞ。」


「・・・お金も必要なのですか?」


「いいか、この街に住む連中にとってハザードファミリーに気に入られるのは喜ぶことなんだ。確かに床の相手はさせられるがそんなのこの街では稼ぐための一手段に過ぎない。時々寝るだけで大きなバックと金が手に入るんなら喜んで取り込まれたいんだよ。」



エリスと帆哭さんは理解できないように苦しそうな顔をしているが、そこは価値観の違いってやつかな。

命の価値が軽いか重いかによっても話は変わるしね。



「だが金はどうするのだ? 安くはないだろう?」


「だな、最低でも100万は積む必要がある。」


「たっけぇ!」


「安い方なんだがな。」



問題はそこだよね。

さぁ帆哭さん、対策局からどこまで引っ張り出せるか腕の見せ所ですよ!



「勘弁してください。先ほどの無駄な出費が思ったよりも痛くて、、、これ以上の請求は正直難しいです。」


「なんだ、何か買ったのか姉ちゃん達。」


「はっ倒しますよ?」



いんじゃない? 反省してなさそうだしはっ倒しちゃえば?


蛇紋は「冗談じゃん。」と笑っていると、弾丸のような勢いで投げられた小石が頬をかすめて正座した。



「・・・だ、大丈夫だ。お前らはこの街をなんだと思ってる。稼ぐには一番手っ取り早い方法があらぁ。」


「ま、まさか、、、。」



蛇紋の言ってる意味がわからず帆哭さんとエリスは首を傾げたが俺はすぐにピンっときた。

正気を疑うような目を浮かべながら自分の口元が自然と上がるのに気づく。


俺のその反応に蛇紋も「ふっ」と笑みを浮かべながら、なけなしの正装を取り出したのだった。




・・・・・。

・・・・。

・・・。




「と、言うわけで、レッツカジノ!」


「おおーー!!」


「「・・・・・。」」



綺羅びやかな巨大シャンデリアに照らされる広間にはルーレットやカードがあり、大勢の人たちが一喜一憂している。

そしてそのテーブル群を囲むように壁際に並べられた様々なスロットが狭まるように並び、入り口から入った真正面にはとんでもない大きさのスロットがそびえ立っていた。


そのロマンのある最高な景色に俺と蛇紋は腕を上げて喜び、後ろの2人は冷めた視線を送っている。



「・・・なんとなく、なんとなく予想はできていました。いましたが、、、まさか本当にカジノに来るとは思いませんでした。」


「稼げる可能性はあるが失う可能性を失念しておらんか?」



頭痛が痛そうに頭を押さえる帆哭さんの背中を擦りながらエリスがこちらを呆れたように見つめてくる。

俺はそれに対しグッと親指を立てた。



「何言ってんだ、負けた額なんか数えねえよ。勝ったことだけを覚えてればいいんだ。」


「・・・誰もそんな精神論の話などしておらんが?」



引いたような目で見てくるので俺は諭すように腕を組む。



「いいか? 確かにギャンブルは失うリスクはある。だけどリスク無くして短時間で稼ぐ方法なんてないんだ。対策局ってのはリスクに突っ込む仕事なんだよ。」


「先ほどのそのセリフはカッコよかったのに今は言い訳に聞こえるのが不思議だな。」



エリスは難しそうな顔をし首をひねっていたが、他に稼ぐ名案も思い浮かばなかったようで深くため息をついた。

まぁ他の大金を稼ぐ手段なんて強盗くらいじゃない? それもリスク高いしワンチャンを狙うならこっちの方が俺は安牌だと思う、、、何故か納得してもらえないけど。



「勝てるのか?」


「勝つしか、、、ないんだ。」


「どれも軽いのぉ。」



俺たちはそれぞれ元手をチップに交換してもらい、別々の戦場へと向かった。あ、ちなみにエリスはルールが分からないから帆哭さんが付き添ってあげてるよ。ここが勝負だと息を呑み、俺はすべてをここで注ぐ、、、栄光の勝利のために、、、!!




・・・・・。

・・・・。

・・・。




「やっぱギャンブルってクソだわ。」


「同意だぜ兄ちゃん。やっぱこういうのは客側が勝てねえようになってんだよ。」



あっさりと今手持ちのお金を使い尽くした俺と蛇紋は入り口らへんで立ち尽くす。

口座には確かにまだある、でもそれに手を出したら終わりな気がするんだよなぁ。



「お?どこ行くんだ?」


「少し、散歩してくる。」



隅に常設された手持ちが増える(取り出せる)機械に端末をかざしてチップと交換。

再び握ったチップを片手に俺はそろそろ来ると信じているスロットに座り直した、、、。




「お、おかえり兄ちゃん。」


「・・・あともう少しで取り返せる気がする。」


「兄ちゃん、そりゃ沼ってるつうんだぜ?」



んなことわかってらぁ!!


またまた手持ちがなくなって入り口へと戻るとどこから貰ったのか分からないシャンパンを片手にその場で胡座をかく蛇紋と合流した。

蛇紋は手持ちどころか貯金も何も使い尽くしたみたいで、もし続けるなら借りないといけないらしい。ただここらへんは借り尽くしてしまったようで今はギャンブルをする余裕がないんだって、ざまぁ。



ちなみに俺も回ってるスタッフにシャンパンを貰う。

これタダで貰えるとかサービスいいね。



「んで、残りの2人はまだやってんのか?」


「あれ、そう言えばエリスどこ行った?」



俺が金を下ろすまではルーレットをしていた筈だが今はその席にはいなかった。

どこ行ったんだろうと辺りを見渡すとカジノの黒服と話してるところを見かけて全力ダッシュ。



「・・・ついて行けば負け金を返してくれるのか?」


「ええ、勿論です。むしろ負け金を超えるほどのチップをお渡ししましょう。」


「なるほど、この世の中は優しいものが多いな。」


「ふふ、困ってる時はお互い様ですから、、、。」


「それでものは相談なのだ、、、」



パコンッ!



「痛い!」


「おい、さっき同じようなやり取りをしたばっかだよな? 人生そんな甘い話があるわけねえだろ。」



何とか連れ込まれる前に割り込んで頭を叩く。

黒服にはキッチリとお断りの返事をして無理やり蛇紋の方へと連行した。



「正座!」


「う、うむ。」


「知らない人には!?」


「ついていかない、相談する、危なくなったら逃げる、、、。」


「なのにどうしてついて行こうとしたのかな!?」


「あ、危なくなっても何とかなるかなーと。」



エリスを前に座らせ、腕を組んで見下ろす。

こんな入り口付近で公開説教なんて始めたものだから視線がすごいけど、こいつの危機感の低さはどうしようもないのでちゃんと言及しておく。


・・・こいつって騎士団長だったんだよね? ホントは箱入りお嬢様だったりしない?



「・・・兄ちゃんは兄ちゃんで大変だな。」


「本当にな、、、。」



頭を押さえながら頼むから大人しくしててくれと言い聞かせる。

エリスは不満そうにしながらも迷惑をかけてしまったからか静かに押し黙った。



「あとは姉ちゃんだけか、、、騙されるような人じゃなさそうだが、姿が見えねえぞ?」


「たしかにどこ行ったんだろ。エリス見かけた?」


「一度カードを遊んでいる姿は見たぞ。」



言われてカード系の遊戯が集まるフロアを見下ろす。すると、やけに人垣ができてるテーブルがあるのを見つけた。


・・・まさか、と思いつつ3人で人垣を分けながら前に行くと、えらく高そうなチップを積み上げた帆哭さんがいつもと変わらない表情で座っていた。


やってるのはポーカーか、なるほど確かに帆哭さんと相性良さそうだ。


他に同じ卓に座ってる人達は総じて苦い顔をしている。



「レイズで。」


「ーーくっ、フォ、フォールド」


「くそっ!やってやる、コールだ!」


「ではフォーカードです。」


「ぬがー!また負けた!」



淡々と渡されたチップを綺麗に並べる帆哭さんの悪役令嬢感がすごい、しかも頭が回る方のね。



「おおっ? まさか姉ちゃんの一人勝ちか?」



感心したように蛇紋は2杯目のシャンパンを飲みながら楽しそうに笑っている。

すでに積み上げられたチップの量から考えて50は超えたんじゃない?



「でも半分くらいかー、やっぱ高レートでワンチャン狙うしかないか?」


「兄ちゃん、考えは分かるが今一瞬凄い目で姉ちゃんに睨まれたぞ。」



え、この大勢の人に囲まれた中で俺一人のつぶやきを拾い上げたの? 何その聴力。


帆哭さんは頭を押さえて「ふー、、、。」と息を漏らした後、次のゲームからどんどんレイズや賭け金を増やして高レートの勝負を仕掛け始める。

一緒に同じ卓に座っている連中ももはやヤケになったのか一度冷静になってから取り返そうと応戦した。


何度か負けて取られることもあったが最終的に帆哭さんはすべてまくり、ちょうど100万を取り切ったのだった。



・・・俺たち要らなかった、、、てか無駄に金失っただけだったね。



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