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異世界少女と無能の現代異生活  作者: たんぽぽ3号


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36/50

悪魔の所業


佐巳月をぶん殴る数分前、一体何をしていたかと言うとオッサンに無理矢理ベッドのある部屋(医務室)につれていかれ、そのまま服を剥がされた後に(怪我の具合を確かめるため)全身を弄られました(包帯を巻いてもらった)。



・・・え? 何想像してるの?


ただの医療行為だよやだなぁー。



ちゃんと軟膏を貰ったので傷口の痛みは大分治まっていた。これならいつも通りの動きもしやすくはなるはずだ(痛いは痛いけどね)。



そしてオッサンに黒地部隊がどこに集められたのか忘れたふりをして聞くと、どうやらこの深層に潜入したネズミを掃除するためにその区画に兵を配備し、逃げ場を完全になくすために上下にも兵を配備するとのこと。

その間オッサンとかの研究者は避難させられてるんだって。



・・・てかあのオッサン結局奥で何が研究されてるのか把握してなかったんだけど? まぁ薬剤師って言ってたし分野が違うのか、、、。

なんで薬剤師がいるんだろ、、、。



そんで遅れて倉庫のような場所に集まると、同じ装備を着た国防の人達が沢山いたので取り敢えず適当に並び同じ様に警戒していたら目の前に佐巳月が降ってきたわけだ。

流石に何もしないと正体がバレそうなので適当にライフルを撃ったりしたが、弾の残弾が無くなり拳を構えて接近。


首元から黒球が入れられ、(やべぇ!?)と心のなかで叫びながら何とか膨らむ前に口の中に含むことができた。接触してれば異能によって黒球に変化を与えることはできない。


後はムカつく横顔があったからついつい殴っちゃったわけさ!



「てめぇ、、、! 忍び込んでんのは分かってたが随分と神経を逆撫でする登場だなぁ、、、!」


「だから謝ったじゃん。・・・というかやけにボロボロじゃね?」



心配そうに声をかけたら思いっきり睨まれ、黒球が飛ばされてくる。俺はホルスターから銃を引き抜き黒球に当てて弾道をそらす。


ま、佐巳月は黒球を操れるから逸らしても追尾してくるし意味はないけどね。


え、アサルト? やっぱ主義に合わないから捨てたよ。


腰から黒のアーミーナイフを取り出して飛んでくる黒球を斬り落としながら近づいて肘を前に出し、下に隠したR−808を引き金を引いて佐巳月の足を撃ち抜く。



「ーーっ!」


「どうした? キレが悪いぞ佐巳月くーん。」



ニタニタと笑いながら追い詰めていると佐巳月は遂に黙って殺しにかかってきた。



「いい加減お縄をかけてやるよ!」



巧みに操り飛ばしてくる黒球を避けては斬って片足を蹴り飛ばし、腹にエルボを入れる。

もろにヒットしたのか佐巳月はむせながら苦しそうにうずくまった。


まぁこいつとは腐れ縁だし殺す気はないが、野放しにしといて得があるわけでもないし捕らえさせてもらおう。



「あーと、何か縛るものとかある?」


「え、あ、はい。」



生き残っていた兵士に何か縛るものはないかと聞くと、彼は腰元から手錠を取り出して渡してくる。


てか何で敬語? 自分たちが相手できなかった相手を無力化したからかな?


取り敢えず渡された手錠をかけて、体に触れておく。そうすれば佐巳月は異能を使えないし抵抗は不可能だろう。



「お前の悪運も尽きたな。」



押さえ込みながら言い捨てると佐巳月は笑みをつり上げた。



「・・・くはっ、俺の悪運はしぶとくてなぁ。まだ尽きちゃいねぇみたいだぁ。」



・・・何を?


なにする気なのか警戒しているとズドンッ!と破壊される音とともに扉の半分が飛んできて一人の兵士を巻き込ながら壁にぶつかる。

俺はすぐに拘束してる手を離して銃を構えた。


そこには大斧を持ったグリーンパイソンの構成員が立っていた。



「・・・誰だ? いや待てよ、あの大斧は。」



もう一人の黒地部隊の兵士が前に出てきてアサルトを構える。だが相手はそこら辺に落ちてた壁の破片を拾い上げ、適当にポイッと投げる。すると壁の破片はドンドン勢いを増していき簡単に兵士の頭を割り抜いた。


そこでようやく佐巳月と一緒に落ちてきた黒龍達が動き出し、グリーンパイソンに向かう。

蒸気を撒き散らしながら接近戦を仕掛けるが、攻撃は簡単に防がれ、頭を殴られただけで180度首を回して崩れ落ちた。



「・・・ちっ、何だあいつの周りにいたのよりはるかに弱いじゃねえか。・・・お前こんなのに負けたのか?」


「勘弁してもらいたいねぇ。上に嶺藤の野郎がいやがってなぁ。流石にあいつを相手取るのはキツイもんがあらぁ。」


「嶺藤ぃ? あの臆病者もここにいたのか。」



佐巳月に対しての話し方や態度。

幹部連中なら全員特徴のあるマスクをしているはずなので後心当たりは一人しかいない。



「・・・カリアか。」


「んでお前は誰だ?」



一瞬で距離を詰めてきたカリアが振るった拳がメットを掠る。それだけでメットは壊れ、俺も衝撃を逃すために後ろに飛んでいた。



「あぁ、何だ能無しか。」


「・・・。」



どこか嘲るような雰囲気を含んだ声で呟かれ、俺は寒気をこらえながら油断なく辺りを見渡す。



「お? 嬉しいね、相手してくれんのか?」


「どっからどう見ても逃げ出そうとしてるよね。」



力なく笑いながら今何を持っているか確認する。


あまりない手応えに明らかな装備不足を感じて逃げ出したい気持ちが湧き上がる。

流石にこの不十分な装備で怪物の相手なんかしたくない。



「・・・逃がしてくれたり?」


「逃げてみれ、、、」



ーーカッ!



言葉の途中で先ほど確認していた時に手に握っておいた閃光弾を滑り落とし、確認していた退路に向かって全力で走る。



「・・・感覚を強化してる私に閃光弾はいい選択だ。でも馬鹿じゃなくてな、お前に対して油断はしない。」


「そんなに買い被らなくて結構だよ!」



気付くとカリアは目の前に立っていて、俺は走りながら顔面に向かって蹴りを放つ。バギンッと鈍い音を立てるが片手で平然と受け止められ、逆に蹴り上げられた。



「ーーかはっ!」


「お前の力に関しては多くの連中が注目している。今は灰原の部下だから手出しされてないだけで研究者どもは体の一部だけでも手に入れたいだろうな。」



力なく地面に落ちて、倒れそうな時に再び蹴りを入れられ壁へとふっ飛ばされる。受け身を取れず衝撃がモロに伝わって意識を失いかけた。



「知らない奴らも多いが裏の連中だって警戒してる。お前には私の異能も通じ辛いし洗脳、幻覚、探知とか干渉系の異能は完全無効だからな。計画の不確定要素としてお前の存在は鬱陶しいんだよ。」



・・・そんな事言われてもなぁ。俺だって持って生まれたかったわけじゃないし許してくれない?


てかまぁ、、、



「・・・ぺっ、お前らの計画を邪魔できるんなら大歓迎だよ。」



ふらつきながら口元の血を拭う。

ふっ飛ばされたときに頭を揺らされたのか視界が歪むが少しだけ血が湧いた。



ーーズガッ!



踏ん張る時に思いっきり床をめり込ませ、骨を軋ませながら飛び出す。

相手は満面の笑みで拳を引いて構え、振り抜いてくる。その瞬間を見極めて俺は拳の力を緩めて相手の袖をつかみながら後ろへと大きく飛んだ。


そして空いてない扉をぶち抜きながら転がり、ふらつく足取りのまま通路を走り出す。


残されたカリアはマスクをずらしながら「カカッ」と楽しそうに笑った。



「本当にあいつと遊ぶのは楽しいな。土壇場の馬鹿力が異常だよ。青臭い正義感さえ捨てきれればいつでも飼ってやるのに。」


「あいつは縛れるもんでもねぇけどなぁ。」



カリアは佐巳月の手錠を壊しながら「カカッ、確かにな。」と笑って、大斧を肩に担ぎ出口に向かって歩いていく。



「どこ行くんだぁ?」


「もう少しちょっかいかけてくる。」



ヒラヒラ手を振りながら去っていくカリアの背中を見ながら佐巳月は呆れたようにため息をついた。



「良いご趣味だねぇ。」




ーーー




「ーーげほっ、ごほっごほっ! くっそ!骨にヒビ入ったんじゃねぇか!?」



痛む体を引き摺りながら何とか奥を目指して進む。

正直もう帰りたいけど、今帰ってもあとが怖い。



・・・やだこの職場。



「奥から感じた衝撃はあいつか、、、。てかじゃあ、胡志田はもう逃げたんじゃね? なーんか色々腑に落ちてきた。警備の甘さに黒絶を見かけることがなかったってことはここは捨てられでもしたかな。」



いろんな予想が頭の中に降って湧いて降って湧いてを繰り返しながら進んでいると大きく壊された巨大な鉄扉が目の前に現れた。

ミサイルにも耐えられそうな厚みのある扉が壊されてるのは絶望的に映る。



むき出しになった配線が火花を散らす扉を潜ると、中央にある黒い石碑を囲むように配置された電子機器に幾重にも繋がれた電極(意味あんの?)。


上の上階はガラス張りになっていて研究風景を見渡るようになっていた。



「・・・当たって欲しくはなかったな。」



その黒い石碑を寂しそうに見つめる。

正直もうこの石碑と関わることはないと思っていた。昔の同僚、今は国防に渡り何をしているのかも分からない彼に任せたこれがこんな所にあるのをみたくはなかった。



「仕方ないか、これが現実。なら対処しないとな。」



石碑の周りは酷い戦闘痕でむしろ石碑だけ傷ついてないのが不思議なくらいだ。


まぁ、もし戦闘を行って間違って自分の名前を消そうものなら存在ごと掻き消えるからな。


近寄って消された名前がないか注意深く探す。

ざっと見た限り、何個か線が引かれてしまったものがあり顔を顰めるが、これ以上線を引かせるわけには行かないので片手で触れておく。


するとある名前が目に入った。



「エリス・ル・ラクラット、、、。」



あいつも範囲内に入っちまってるし効果対象になっているのは仕方ない。が、どこか心の芯が冷えていくのを感じる。


・・・ここに刻まれた名前は消えることはない、消える時はその存在ごとだ。仲間の首にナイフが突きつけられてて平静でいられるほど合理的じゃない。

もしここで見境ない戦闘が起きたとしたらゾッとする。


他にもよく見ると佐巳月や蕪城とかの名前も刻まれていた。

ここで消せば一網打尽だけど、相手を捕まえる、殺すと違って存在を消すというのはとても恐ろしいことだ。まともな精神を持っていたらそんな事をしたいなんて思わない。



取り敢えずこれをどうやって無力化しようか考えていると「カチリ」と撃鉄が起こされる音がして床に割れていたモニターを蹴り上げ放たれた弾丸を防いだ。



ーーズガンッ!



「・・・ふん、蛇とは別に鼠もいたか。地べたを這う雑種が、目障りで仕方ない。」



硝煙の漂うリボルバーを構えた胡志田が不快げに顔をゆがませる。俺はそっとホルスターからR−808抜いておいた。


流石に撃鉄の音を立てるような初心者に撃ち負ける気はしない。



「まだこんなとこにいたんだな、胡志田。護衛もつけずにどうした?」


「少し面白いおもちゃがあったんでな、幾ばくか拝借していたのだが所詮おもちゃはおもちゃ、簡単に壊れる。」



胡志田は無駄な時間を過ごしたとばかりに深いため息をつく。何故こいつがまだここにいるのか、いつもなら真っ先に逃げるはずなのにここに留まっている理由が分からない。



「・・・何故まだ俺がここにいるのか分かっていない顔だな。別に深い理由はない、まだ迎えが来ていないだけだ。」



それだけ言って胡志田はそこら辺に転がっていた椅子を立て、懐から葉巻を取り出す。



「・・・ちなみに誰が迎えに来るんだ?」


「答えると思うか?小童。」



そりゃそうだと位置を変えながら適当に腰掛ける。

ぶっちゃけ身体中痛いし少しでも休んでおかないとこのあとがきつい。



「・・・どうやって名奪の石碑を引っ張り出した。それとあれをどうやって使う気だ?」


「同時に聞くな、小童。使い方など簡単だろう。目障りなものを存在ごとを消す、そこに異能の強さも何も関係ない、ただ障害がなかったことになるのだ。・・・これほど楽な事もあるまい。」


「違う、そう簡単な話じゃないだろ。あれにかけた封印は人々の記憶に名奪の石碑という存在を薄れさせる封印だ。仮に細かくデータを取っても古いものから消えていく。もし仮にあれを兵器化できたとしても割に合わないはずだ。」



目を細めながら何を考えているだと問い詰める。

すると胡志田はちらりと視線をこちらに向けて少しだけ笑みを浮かべた。



「ーーくくっ、流石能無し、本来なら風化する封印の情報すら事細かに覚えているとはな。」


「唯一の利点だからな。それに兵器化?するとか言ってた割にこんな場所に放置してるのは何でだ? お前は逃げようとしてるし逃げるなら持っていくだろ、そんな事もできないほど用心深くないわけじゃないはずだ。」


「質問が多いな、少しは自分で考えたらどうだ?」



胡志田は咥えた葉巻を大きく吸って吐き出す。

興味なさげに石碑を見つめる胡志田を放置して顎に手を当てて思考を回し、一つ、思いついてはいたが、考えたくなくてエリスにも伝えることができなかった非人道的な可能性が顔を出す。



「・・・名奪の石碑の一部を人体に埋め込み、異能として使えるようにする気か?」



そう口に出すと胡志田は狂ったように大きく笑った。



「ーーふははっ! 御名答だ!認識を薄くする封印、あれはとても便利だったよ。お陰で誰にも気づかれずに長い事研究できた。唯一、お前だけが気づくことができた可能性はあっても結局は一個人、たどり着くことはない。・・・苦労もさせられたがな、常にデータを取らなければすべてが消えるのはとても面倒だった。だがそれももう終わりだ。」



長い努力が実ったことによる愉悦からか普段の寡黙な様子からは想像がつかないほど饒舌に喋ってくれる。

俺は聞けば聞くほどこいつが行った実験の残虐性に吐き気がした。



「ーーッ、異常具を人に埋め込んで異能者にする実験は前からあった。だが成功率のあまりの低さに禁忌とされた筈だ! 一体何人を犠牲にしてきた!」


「数十、数千程度ではないな。・・・何を怒る? 貴様が今の今まで違和感を感じていないということは知り合いということもあるまい。」


「守るべき民だろ!」


「勿論だ、そのために研究をする。貴様だって知っているだろう? 国と国の間、超常災害のあといまだに復興できていない空白地帯に何がいるのか、そして各国が何を保有しているのか、、、何もせずに手をこまねいていれば食われるのは国で、民だ。」



葉巻を消しながら胡志田は煩わしそうに吸い殻を石碑に投げる。確かに言いたいことを全く理解できないわけじゃない。それでも異能者を作り上げるというのにかかる犠牲者の数は多すぎるのだ。



「この国には今抑止力がない! もはや核が意味をなさない今、早急な力が求められるのだ!倫理だなんだと手をこまねいていればすぐに取って食われる、取り残され苦汁をなめ始めてからでは遅いのだ!」


「他にもやり方なんていくらでもあるだろうが! 同盟強化、兵器開発、経済操作、やりようなんていくらでもある。でも異能者を作り上げるのは危険度とそれに見合う成果が釣り合っちゃいないだろ! 倫理は綺麗事だが捨てちゃないけないものだ、無視して起こるのは無秩序な戦争だぞ!?」


「それを起こさないがための抑止力だ! 今この国が攻め込まれない理由はただ一つ、灰原 結螺の存在だ。ただあいつは対策局、手綱のない狂犬のようなもの、それを頼りに国は守れん!いずれ生まれる強力な異能者の出現を待ち続けるのか!? それは一体何年後の話だ!1年か?2年か?それとも100年後か!? そんな余裕などあるわけがない!」



どこまでいっても平行線。

お互いに譲れないものがあり、お互いに向いてる道が違う。


二人して声を荒らげ、疲れたように手をつく。

知ってはいた、こいつがこういう人間なのは、、、。


俺の言ってることが正しいだなんて思っちゃいないが譲れない一線だけはある。

それが他人に強制できるわけじゃないことくらいわかっているが譲れないなら戦うしかない。



すると胡志田は一度空気を変えるかのように息をついた。



「いいか小童。もう我らは既に目指すものに近づきつつある。今さら止めようとしても手遅れだ。」


「・・・なんだと?」



相手の言葉の意味を考え、いくつかの憶測が思考を飛び交うが精査する時間はない。


お互いに睨み合っているとバガンッ!と壁が壊される。そちらを見ると土埃の中に立つカリアがいた。



・・・え、追いかけてきたの? 暇すぎるだろあいつ!!



カリアは大斧を肩に担ぎ、状況を俯瞰する。



「・・・胡志田ぁ。なんだまだここにいたのかよ。ならちょうどいい、いい土産になってくれよ。」



ーーズダンッ!



カリアは一直線に飛び出して大斧を振り下ろす。

流石の胡志田も焦り、冷や汗を浮かべていたがその圧倒的な破壊力が込められた大斧はピタリと止められた。



「あ?」


「・・・遅かったではないか。」



先ほどまで誰もいなかった胡志田の隣に、赤いローブを被り、日輪のような模様が描かれた仮面を被る謎の人物が立っていた。



「・・・。」



ズガンッ!



カリアは一度斧を引き、腕力に任せて横薙ぎに振る。

しかしその斧は赤ローブにたどり着く寸前でピタッと止まる。



「バリア、、、いや、空間か? おもしれえ、何倍の力を込めれば壊れる?」



気にせずにカリアは斧を上段に構え押し潰されるかのような異音を発しながら力を込めていく。

さも力試しをするかのように笑いながら振り下ろされた斧がたどり着く前に赤ローブは片手を前に出して指をスワップ。


すると空間がぐにゃりと歪んで二人は姿を消した。



阻むものを失った力は床を壁を、爆発したかのような音を響かせながら施設を破壊する。


飛び散る瓦礫に紛れながらゾッと冷や汗を流す。

もし今のが名奪の石碑に向いていたかと思うと寒気がする。石碑が何故破壊不能なのかは壊されても条件がそろう場所があれば再生成されるからだ。


壊そうとして壊れないわけではない。



「・・・つまんね、壊しがいがありそうだったのにな。」



カリアはつまらなそうにため息をついてこちらへと振り返る。

まるでヘビに睨まれたカエルかのように俺は動く事ができない。



「次はどう逃げる?」


「知らねぇよ、知らねぇけど諦めは悪くてな。」



銃を構え、相手を見据える。

死ぬわけには行かないしまだ活路を見出させてもらう。


覚悟を決めて相手の動きに全神経を注いでいると、、、



ーーボガァアアアアアンッ!



突然頭上のハッチが無理矢理壊され、外の光が降り注ぐ。


その久しぶりに見た気がする陽光の真ん中に赤い髪のスーツを着た天災(班長)は不敵に笑った。



「さぁ、逃げられると思うなよ?」




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