荒れたアクロバート街
オード達が学園長室から出て行った後、俺、ペロちゃん、キーラ、ギュウ、ショドウ先輩は今後の事を話しあっていた。
「俺様達はどうするよ?上の人間がなんでも決めることとはいえただ従っているだけでもダメだろ」
キーラは俺たちにいうがしかしなぁ。俺たちが何かを言ったところでもなぁ。ランク戦で結果を出すくらいしかなくないか?俺たちには。
「ダメよショウちゃん。何も考えていないのはダメ。ショウちゃんらしくない」
ペロちゃんは俺に近づいて言うが何も考えてない俺がダメってどういうこと?
「ふん。くだらない。俺様達は別にオード学園長の言うこと全てに従えばいいわけじゃない。敵が攻めたりしてきたら俺たち実力者がこの学園を守ればいい。それだけさ。今回はいい方は悪いがまだ学園の生徒の死人は2人で済んだ。次はもっとやばくなる可能性もあるかもしれない。だからこそ俺たちは気をひきしめておく。それでとりあえずいいじゃねぇか」
ショドウ先輩が俺たちに言うとペロちゃんも
「そうね。今後は自分の強さに自惚れずもっと自分の異能に磨きをかけないとね。オードのことを最後にぶっ飛ばした爆発の異能を使うあいつよりも強くなっておかないと」
オードをぶっ飛ばした爆発の異能使い?まさか、いやそんなことあるはずないよな?
「ペロちゃん。そいつの姿、顔をはっきり見たのか?」
「姿は見たけど顔は犬のお面をしていたから分からないわ。けどあの爆発の異能、どっかで見たことあるのよね。あ、ショウちゃんのとこにいたマルって女の異能に似てるかも。かなり威力は違ったけどね!」
くらったことがあるわけでもないのによくわかるな。だがそれが本当ならマルの手がかりを少し得られたかもしれない。これはいいことを聞いた。
俺はペロちゃんの話を聞いて気を引き締める意味で拳をグッと握りしめていた。
ショウ達が学園長室で喋っていた頃、アクロバート街で暴れている半グレがいた。
「おらおら!はやく金になるもんだせや!」
半グレは躊躇なく道端に歩いている女性を襲っている。
「や、やめて下さい!お願いだから」
「うるせぇ!とっとと」
半グレは女性に何かを言いきる前に背後に現れた誰かによって体を蹴り飛ばされる。
女性を助けた人の見た目は上半身にはボロボロの学ラン、下半身には黒のジャージを履いていた。顔は横半分に白いお面のマスクをしていた。
「お嬢さん。大丈夫ですか?」
「あ、ありがとうございます。あなたは?」




