アカキセカイ
「異能解放」
タヅルがアモウに言うと背景が真っ赤な世界がアモウを包み込む。
「この空間にきたからにはアモウさん。あなたが速攻で私を倒せないと死ぬでありんすよ」
「は、何を言うて。ただの背景が真っ赤な可愛い異能空間、ぐぅ!」
アモウは背中に急に痛みが走ったかと思うと背中にきり傷があり、そこからタヅルに向けて血が向かっていく。
「なんや、これ。いつ、どこから背後に攻撃を」
「私は攻撃などしてないでありんす。ただこれが私の異能空間、としか答えられないでありんすよ」
次々にアモウの体からきり傷ができていき、そこから血が吸い寄せられるようにタヅルのもとに向かう。
「くすくすくす。どうしたでありんす?私を倒してゴーグの居場所を聞くんじゃなかったでありんすか?」
「はぁ、はぁ。いや、これは、やばいなぁ。やばすぎやで。でもなんとなくわかってきたで。タヅル。あんさんの異能」
「くすくすくす。なら聞いてあげるわよ。答えあわせしてあげる」
タヅルは余裕そうにアモウに言うとアモウはタヅルの前に手を出し
「本来ならなぁ。こんなところで使うべきちゃうんや。わいの異能解放、でもなぁ。つかったるよ。わいをここまで追い込んだご褒美や」
「くすくすくす!負け惜しみでありんすか!アモウさん。あなた程度の異能空間じゃ私の、アカキセカイには勝てないでありんすよ」
「勝てるさ。それがわいの異能空間やからな。異能解放」
アモウが異能解放というと背景が真っ赤だった空間がもとのアモウの空間に戻る。
「な、なんで、なんで私の異能空間が負けたでありんす!」
「負けてなんかないで。ただなぁ。わいの異能空間は、空間の書き換えやからな。あんさんの異能空間がどんなもんか分かればどうにでもできるんや」
アモウがタヅルに言うとタヅルはただ「空間の書き換えなんでできるわけないでありんす!」と叫ぶ。
「できるんやて。現にもとの空間に上書きしたやろ。でもわいの異能空間は敵の異能空間がどんなものかを理解しなければいけない。タヅルは自分の異能についてなんも言わんから時間かかってもうたわ。おかげで貧血やわ」
「こんな、ばかなことが、ありえない。ありえないでありんす!」
みっともなく叫ぶタヅルに対しアモウが冷静に
「答えあわせしてほしいならしたるよ。ただ意識保ってんのやっとやからあんま長々話せんけど。まずタヅル。あんたの異能は血を操る異能や」




