モルクの覚悟
「いいか?ウシロウ・イルスという男は死んだ。俺の名前はウルシ。ただのウルシだよ!」
ウルシと名乗ったおそらくウシロウ・イルスなんだがそいつは何度も執拗にモルクを狙う。俺がどれだけ邪魔しようとやつはモルクしか狙わない。その度に何度も顔面を殴っているというのにこいつは痛みを感じないのか?
「はっはぁ!どうしたモルク・イルス!お前はいつも守られてばかりだなぁ!家ではヴァンデスの野郎にも守られていた!お前は知らないようだがよぉ!ヴァンデスは家族のことを大層心配していたからな!」
「そんなことないわ!バカ兄貴もヴァンデス兄様も私のことをバカにしかしていませんでしたわ!過保護に育て外にも出そうとせず女子校にしか行かせてくれませんでしたわ!」
ウルシはモルクに対し攻撃しながらいう。ウルシのやつ、ウシロウ・イルスは知らんというくせにイルス家しか知らぬことを言っているじゃないか。現に俺もさっぱりわからんし。
モルクはウルシの言葉に対し言葉はかえせているが攻撃は上手くかえせてはいない。だからこそ俺がカバーに入っている。
「ショウ!カバーの必要はありませんわ!今こそバカ兄貴は私が倒しますわ」
「バカ言え!全然反撃もできていないのにどうやって戦うと」
俺がモルクに言うとモルクは
「私には何が足りないかわかりましたわ。わたしのまわりには私は覚悟を決めたと言っても心の中で甘えがあった。だからこそ私には異能空間が使えない。だからこそ私は兄貴を倒して、覚悟を兄貴に示す!」
「勘違いしてもらっちゃ困るなモルク!俺はなぁ!イルス家が嫌いなんだ!あのクソ親父もヴァンデスもお前ばかり甘やかし俺のことを何も見ようとしない!そのくせ俺のように貴様を虐めたりする!そして俺が親に言われたりヴァンデスに言われたことが出来なければ勘当などと!本当にムカつく家だ!」
「ええそうですわね!私もどう意見ですわ!」
モルクはウルシにいいながらもウルシにモルクは胸部をナイフで貫かれる。
「モ、モルク!」
「はっはぁ!ざまぁねぇな!これであのヴァンデス達の悔し顔がみれるってもんよ!」
モルクの目はうつろになっていたがウルシに対し
「あ、りがと、う。バカ兄貴、おかげで、わたしにも、覚悟、ができた。人間、やはり、ここまで、おいこまれないと、なかなか、できない、もん、ね」
モルクは腕をぷるぷると震えながらウルシに向けると
「異能、解放」
モルクは弱々しく言うとモルクの異能空間に俺とアクメス、ウルシは転移した。




